怖いトモダチ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 559
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048976961

感想・レビュー・書評

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  • 『気がつけば地獄』でハマった岡部えつさん。
    本作もなかなかの地獄だった。

    大人気エッセイストの中井ルミン。
    オンライン・サロンを主催するほどの人物だが、彼女に向けられる印象は天と地ほどの開きがある。
    神のように崇める人もいれば、悪魔と言い切る人も。

    16人の証言とルミン自身が語る言葉で、少しずつ見えて来る本性。

    ああ、これは関わってはいけない人だ。
    息を吐く様に嘘をつき、優しい言葉で相手を操りながら不幸へと導く。
    彼女自身がその嘘さえも真実のように思い込んでいる様でゾッとする。

    多面性云々ではなく間違いなく怖いトモダチだ。

  • 人怖系でめちゃくちゃ面白かった。後味は悪いけど、これが真実だなと思う。社会的報復を受けてほしいと思ってしまうけど、一生空っぽのまま生きていくことこそが1番の罰なのかもしれない。

  • 漫画の方を先に読み始めて、原作があると知ってこちらも手に取った。期待通りに不快感と気持ち悪さが満載の小説だった。
    読後もまったくすっきりしない。けれど、ルミンをはじめあらゆる登場人物それぞれに「こういう人いるいる!嫌だよね!」という気持ちと「私にもこういう一面あるな」という気持ちを持ってしまい、それがせめぎあってなお気持ち悪かった。
    それでもほぼ一気読みしてしまう。人にはあまりすすめできないタイプの面白い本だった。
    ルミン、いずれは自分の空虚を満たせなくなって自滅しそう。だったらいいな。

  • いろいろな人とインタビューをすることによって、その人物の人物像を出すという試み。
    斬新な発想で面白いと思ったが、話がこれ以上膨らんでいかないのではとの疑念は残る。
    ともあれ、新しい話の展開として面白いと思ったし、一気に読ませてもらった。

  • 読みやすい文体でサクサク進んだ。
    こういう人、居そう。きっと居る。
    関わること無く過ごすのが一番なんだろう。
    中井ルミンの網に絡み取られた盲信者や被害者から離れて 第三者視点で見ると、
    虚言や妄想のエッセイを重ねることでしか安定できない人間が哀れに見えてくる。

  • 色んな人に話を聞くことでその人がだんだん見えてくるっていう小説が好き。
    その人のことを良いように言う人もいれば
    悪魔という人もいる。

    いつもこう言う本を読むと結局本当に善人か悪人か分からないけど
    今回はルミンという人物は怖い人っていう

    人を利用して自分の承認欲求をみたすことだけをかんがえてる頭がきれる怖い人。
    こんな人に出会ったら深く関わらず逃げるに徹する

  • いるいる、こういう人いるよね〜ってなる。
    でも結局、人によってはその人が神だったり友達だったり悪魔だったり、人間は多面体だから分からないんだよな。自己愛性パーソナリティ障害とかモラハラとかいろいろ出てきたけど、普通の人間なんていないしみんな何かしらの障害みたいなのを持ってるわけで。一概にこの人が悪いとかこの障害が悪いとかは言えないなと思う。自分だってそういう面があるもんな。
    こわい人には関わらず、気の合う人と平和にやっていきたい。

  • 怪談文学賞の受賞経験がある作家さんとのこと。
    確かに。すごく怖いのに気になってしまって、話の中に引き込まれてしまう。

    主観が多く切り替わりながら、中井さんという人を多面的に知れば知るほど、考え方やその理由、人間性とその背景が気になって仕方がない。
    深い『穴』の中、深淵のその奥をのぞいてみたかった。具体的には生い立ちとか気になる。どんな顔してブログとかメールとか書いてるの?みたいな。裁かれたり暴かれたり救われたりして欲しかったかな。

    マンガ化されているようで、そちらも気になる。

  • とあるオンラインサロンを運営するベストセラーエッセイ作家・中井ルミン。彼女の本やサロンのおかげで自分で考えることができるようになり、彼女の言葉が私を救ってくれたと、彼女のファンは言う。その一方で彼女は悪魔だと言う人がいる。果たして本当の彼女とは一体?

    ルミンについての証言を並べて紐解いて行くタイプのややイヤミス。おそらく自己愛性パーソナリティ障害の人に関わってしまった人たちの話。なんとなくイヤーな話を延々聞いて(読んで)るだけで劇的なドンデン返しがあるわけではないけど、実際この程度の収め方になるよなぁ…という感じ。しかし最後、やっぱり盛ったのか?

  • インタビュー形式で読みやすかったです。最後まで、ハラハラでしたが、最後は、少し思っていた内容と違いました

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著者プロフィール

1964年大阪府生まれ、群馬県育ち。2008年に第3回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞。翌年、受賞作を表題とした短篇集『枯骨の恋』でデビュー。14年7月に刊行された『残花繚乱』がTBS木曜ドラマ劇場で「美しき罠〜残花繚乱」として連続ドラマ化される。17年公開の映画『嘘を愛する女』の小説版がベストセラーに。著書に『気がつけば地獄』『生き直し』『パパ』『フリー!』などがある。

「2024年 『母をさがす GIベビー、ベルさんの戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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