マネートラップ 三流詐欺師と謎の御曹司 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049121148

作品紹介・あらすじ

腕はいいが運のない三流詐欺師の大金満。神に愛された天性の金持ち御曹司・ムヨン。一見接点のない二人はある詐欺事件をきっかけに出会っ たことで――福岡を舞台に繰り広げる、痛快クライムコメディ!

感想・レビュー・書評

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  • 三流詐欺師の大金満と資産家で大金持ちのキム・ムヨンとの、詐欺犯罪者を詐欺で立ち向かう痛快クライムコメディ。
    それぞれ独立した短編集なので、内容もわかり易くサクサク読めました。
    満とムヨンのコンビも、なんだかんだ息が合ってきた感じで。
    ムヨンは上から命令する立場かと思いきや、満の考案した演技にも付き合って地道な事もちゃんとやってくれてます(笑)
    金使いがかなりぶっ飛んでるのもいい爽快感。
    ただのクズだった満が物語を追うに連れてどんどん人間的に変わっていく様がまたいい、そんな1冊でした。
    次作も読んでみます。

  • 万年金欠の詐欺師と、三千万くらいならポンと用意できるレベルの御曹司のバディもの。「悪を叩きのめす」とか「悪を裁く」とか帯や裏表紙に書かれていますが、勧善懲悪では全然ないです。そもそも主人公が金持ち相手限定とかではない普通の(?)詐欺師なので、主人公が犯罪者です。
    大金 満という景気の良い名前の主人公ですが、詐欺で稼いだ金は即ギャンブルにつぎ込む上に作中では必ず負けてるのでだいたい金欠。稼いだ金は酒と女とギャンブルにつぎ込み、詐欺行為も騙される方が悪いと開き直り、御曹司のムヨンを毛嫌いしているわりには金に困ると調子よく金を借りに行くという、基本スペックがクズです。クズなのですが、実はまっとうに生きたいと思っているとか、騙した相手に心の奥底では罪悪感を抱えているとか、そういうことは一切ないので読んでいて清々しい。詐欺の腕は確かでくよくよ悩むこともしないさっぱり明るい性格なので、好感度はものすごく高い主人公です。かなり好き。
    相方の韓国人御曹司のキム・ムヨンですが、こちらは金の使い方が清々しい。ほんの一時ターゲットを騙す演出として使うだけのレストランを、丸ごと買い上げてオーナーに収まったり、警官を装うためにパトカーを買ったり等々、規格外の金持ちっぷり。ボンボンであることは間違いないのですが、過去に家族内でそれなりに苦労をしてきたようで、世間知らずだったりおっとりした性格だったりはしていません。性格は作中では俺様と言われることもありますが、俺様というよりはこうすると決めたら絶対にやってのける頑固者ですね。大金持ちで、容姿に恵まれていて、詐欺師の満をなんやかんやコントロールできている頭のよさと強引さがありつつ、お人好しで困っている人を見過ごせず、慈善事業に精を出すというパーフェクトな男です。タイトルと表紙絵から裏があるように感じていたのですが、今のところ本当に善人であるところが個人的に最高でした。
    5話収録されているのですが、どの話も登場人物の心情はほどほどに描写しつつ、ムヨンから金に糸目を付けない援助を受けながら満が標的を騙す過程をテンポよくわかりやすく描いているのでものすごく読みやすい。個人の苦悩や葛藤にはそれほど焦点を当てないのでくどいところもなく、騙された側のその後にもほぼ触れないので読後感もよい。満とムヨンもベタベタすることはなく、しかし話が進むにつれて少しずつ親しくなっているのがわかるという気持ちの良い距離感です。
    総合すると、ものすごく面白かった。文句なく星5。続きが出るといいなぁと思っていたら25日に続刊が出るようなので、絶対に買います。

  • 「フェイク・ゴールドラッシュ」
    一人二役で奪った金は。
    同じ人物から他人を利用せず一人でこれだけの事をこなせるのは詐欺師として、かなりの強みではないだろうか。
    本物とは違った彼の正体は一体何者なのか、もう一度早くお目にかかりたいものだな。

    「株式会社MBM」
    騙す事に快感覚えたが最後。
    少しずつ弱ってしまうのは仕方ない事だが、年寄りといえどしっかりとしている人はいるからな。
    ただこの人の場合は、悪い方にしっかりし過ぎていたからこそ騙しを行ってしまったのだろうな。

    「裏カジノをぶっつぶせ」
    恩人が騙された報復に。
    当たり前の事だがちゃんと正規ルートでするのが一番だが、博打となってくると運だけで無く裏もあると見るべきでは。
    それにしても、昔の仲間たちを騙してまで儲けようとするなど詐欺師というのは本当に信用出来ないのだな。

    「色男、金も力もありけり」
    騙す前に本気になってしまい。
    結婚詐欺や色々と恋愛に関する詐欺はあるけれど騙す側の人間が本気になってしまった時、過去をどう精算擦るのだろうか。
    今回はお互いに騙し騙されだったから、Win・Winだったが違ったらそれこそ大惨事だったろうな。

    「いつまでもあると思うな親の金」
    再び騙された人物は。
    彼の知らないところで自分の聞かされた事とは違う真実があると分かっても、時間が経てば経つほど素直に受け入れ難いだろうな。
    自らの事を名乗らず去った今回だが、いつかまた出会えた時ちゃんと彼と向き合えたらいいな。

  • 詐欺の手口は考える間もなくわかるような内容だったけれど、すっごく面白かった!
    御曹司も詐欺師ものキャラが最高だわ笑
    続き出たら読みたいなぁ

  • 詐欺師が活躍。続編が楽しみ。

  • 【『博多豚骨ラーメンズ』著者が放つ、痛快クライムコメディ!】

     福岡市内でクズな日々を送る大金満は、腕はいいが運のない三流詐欺師。カモを探し求めて暗躍していたある日、過去の詐欺のせいでヤバい連中に拘束されてしまう。
     絶体絶命大ピンチ――だが、その窮地を見知らぬ男に救われる。それは、嫌味なくらい美男子な、謎の金持ち御曹司だった。助けた見返りにある協力を請われた満。意外にも、それは詐欺被害者を救うための詐欺の依頼で――。
     詐欺師×御曹司の凸凹コンビが、世に蔓延る悪を叩きのめす痛快クライムコメディ!

  • 読了。

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著者プロフィール

8月27日生まれ、福岡県福岡市在住。第20回電撃小説大賞<大賞>を受賞し本作でデビュー。趣味はプロ野球観戦と海外ドラマ鑑賞。明太子と猫と守備の上手い選手が大好き。2週間に1回はバッティングセンターに通い、いつかは100キロの球を打ち返せるようになるべく練習中。

「2023年 『博多豚骨ラーメンズ12』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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