86―エイティシックス―Ep.6 ―明けねばこそ夜は永く― (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049124613

作品紹介・あらすじ

誇り高く戦い、そして死ぬ。
 それが我らのさだめ。生への執着など、とうの昔に、はるか彼方に置いてきた。
 ……そう思っていた。そう信じていた。
 だが戦場へ臨み、潰され、壊され、朽ちることを良しとする〈シリン〉達の姿は、「エイティシックス」である彼らの目指す生き方が、只の狂気であると蔑む。
 生きる意味とは何か。苦悩するシン。シンを理解しようと心を砕くレーナ。
 だがその想いは不格好にすれ違ったまま――連合王国の命運をかけた「竜牙大山攻略作戦」の火蓋が、無情にも切って落とされる……!
 『連合王国編』完結のEp.6!
 戦わねば、生き残れない。だが戦えば生きられるわけでは、ない。

感想・レビュー・書評

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  • 「おいていかないでください」
    この言葉が響いた…
    以前レーナが言った言葉でもあるし、シンにとってレーナはそういうことを言える相手になっているとわかったから…
     

  • シンエイの迷走っぷりがとにかく人間臭くて、年相応で……巻を追うごとに、どんどん魅力あるキャラクターになっていくなぁと惚れ惚れしてしまった。「三章後半のアレ」は、もう胸が痛くなってしまった……六巻かけてシンエイからあのセリフを引き出したのがレーナだと思うと……(なんなんだ、あの焦ったさは)。
    ところで、シンエイもかっこいいのだが、今回はファイドにMVPでも異論は出ないでしょう……。あれはもう惚れるしかない。

  • とうとう、シンが悩んでいたこれからの生き方を吐露した。
    ラストのフォニクス戦後の流れがとても良かった。

    レーナのツェンタウナーを利用しての殲滅作戦は中々面白かった。
    無慈悲なる女王も鹵獲したし、次はどんな展開になるのだろう?

  • 本書は、連合王国編の後編。
    レギオンとの戦いに従軍するシンを始めとする86達は、前巻の攻城戦でシリン達が見せた自らの身体を喜んで犠牲する戦い方にショックを隠しきれない。
    シリン達は人間ではないが、死者の脳を利用して作られた表情のある女性兵士型人造妖精だ。
    彼女たちは、「勝利の為の死こそ我が目的」とばかりに自らを犠牲にして味方の為に血路を開いた。シリン達のおびただしい数の屍を見た86達は、彼女達の姿を自分たちの将来の姿とダブらせてしまう。

    その影響を一番受けているのが、シンだ。
    シンはサンマグノリア共和国が崩壊し、ギアーデ連邦軍に編入された後、未来のあるはずが無かった自分たち86に急に未来はあるのかもしれないという、今まで考えたことも無かった事実を突きつけられ、逆に混乱する。
    そして、「自分を頼って欲しい」とシンに対して優しく笑顔を向け、無邪気に未来を語るレーナにも違和感を抱いてしまう。

    自分は彼女を幸せにしてやれる訳がない。自分は死ぬ運命しかない人間だ。そうやって生きてきたし、一緒に戦って死んでいった他の仲間の86達も同じだ。
    そう、自分は未来の無い、穢れた存在なのだ。自分にとって大事なレーナを自分のような存在が近づくことによって、汚してはいけない・・・。

    そう心の底で思うシンであったが、レギオンとの死闘のなかで、もう本当に死ぬかもしれないという場面に直面したシンに
    『死にたくない』
    という人間らしい心が初めて芽生える。それは、戦いの最中に、レーナに対して必ず生きて帰るという約束をした直後だった。

    本作は、シンたち86が、
    『死ぬ為だけに戦う、心の無いただのプロセッサー』
    から、
    『未来を切り開くために闘う、人を愛する心を持つことのできる人間』
    への変革を描いた心理劇だ。
    圧倒的な戦闘描写とレギオンとの戦争に翻弄される少年少女達の心理描写の対比が見事に調和する。

    この86シリーズも6作目が終了。
    86達は本当の人生を取り戻すことができるのか。そして、人間達はレギオンに勝利することができるのか。これからも86シリーズ、目が離せない。

  • 連合王国編の完結回。
    今回はさすがに前回ほどの衝撃はなかったなあ。
    いや、いいことだ。

    前回、死せる戦闘人形シリンたちの有様に衝撃を受けたエイティシックス達が、生きていることの意味自らに問うた今回。
    ようやく、彼らの中に生きる意味が見つかったのだなあ。

    戦闘場面は、今回は珍しくあまり心配しなかった。
    作戦がうまくいって人間側の死者が少なかったこともあるし、高機動型との戦いが3度目だったと言う事もあるのだろう。

    レーナとシンのまだ始まったばかりだという感慨がここまで読んできた身には少し驚きで、でも、そうだよなと気づかされた。
    個人的ハイライトはシンがレーナに「おいていかないで」と告げ、レーナが「帰ってきなさい」と返す場面。
    ようやく二人の気持ちが繋がった。
    いやしかし、これ、主人公じゃなきゃ、死亡フラグだよ^^

    さて、次巻は少しライトな展開だそうだけど、一気に二人の距離が縮まるといいね。

  • かつて、レーナが発した「おいていかないで」という言葉が見事に回収された、非常に読みごたえのある一冊でした!

    中盤までは、未来や希望に対して相変わらずじとじとしているシンと、頼って頼ってちゃんなレーナがメンドくさい(笑)

    そんな中、クレナの変わらなくてもいいという言葉は、シンにとっては楽になれるシーンのはずだった。
    でもそこで、シンが、希望は見出せなくても変わらないといけない、と押し切った所で、おや、流れが変わったな、と思わされました。

    からのー、結局、戦場を前にすると、戦術を変えられないシンとレーナに笑う。

    レーナが、高機動型の意図する所を察知し、自らシンの囮を演じようとするところも。
    シンが、それを知ってセオ達に場を任せて、行ってしまうところも。
    ファイドとセオ達が、孤立無援で〈無慈悲な女王〉に詰められたシンを華麗に救出するところも。
    あ。マジのネタバレになってますが、この一連の流れが、今までのシンが引っ張ってた展開とは違って、すごく楽しめます。

    変わることが良いことかは分からない。
    変わった結果、更に傷付くこともある。
    でも、自分にとって、それが必要なことだと思えたなら、それは成長なのでしょう。

    間違いなく成長したシンに、さて、他の86メンバーはどんな変化を見せるのかも楽しみです。

    (っていうか、シンに爺ちゃんがいるなら、会いに行ってあげなよ、がシメのツッコミでした)

  • 2023/11/09 読了。

    図書館から。

    連合王国編、完結。
    ヴィーカとレルヒェの組み合わせが好きだなぁ。

    〈シリン〉達のことをどこかで皆、引きづってる感じで重い。
    重なっている部分と異なる部分と。
    でも、リトの成長が見られて、『生きてるから考える』は確かに
    生者にしか言えないものね。

    シンとレーナはお互いに想いあってるくせに想いすぎてて進まねぇ…!
    同じこと思ってますよー。
    まぁ、シンがかなり頑張ってるー。望みを口にできて言えてよかった。

    ダスティンとアンジュも仲良くなるといいな。

  • 背ラベル:913.6-ア-6

  • 今回も素晴らしかったなぁ
    セオとライデンかっこよ過ぎ

  • ホント、戦闘シーンをアニメでみたい。

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著者プロフィール

第23回電撃小説大賞《大賞》を受賞し、受賞作『86‐エイティシックス‐』でデビュー。陸戦専用・高機動型・できれば多脚のメカを偏愛。スペックが化物なワンオフ機よりも量産機や旧世代機、ステータス一点張りの欠陥機を愛する。

「2023年 『86―エイティシックス―Ep.12 ねんどろいどヴラディレーナ・ミリーゼ ブラッディレジーナVer.付き特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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