神楽坂・悉皆屋ものがたり 着物のお直し、引き受けます。 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049125757

作品紹介・あらすじ

鎌倉にある呉服屋の長女・紬は、どうしても着物に興味をもてず、店の経営に腐心する日々を送っていた。そんな様子を見かねた両親の強引な指示によって、彼女は神楽坂の路地裏に建つ悉皆屋で修業することになる。
 仕立て直しや洗い張りなど、着物のメンテナンスを一手に引き受ける悉皆屋。飄々とした店主や軟派な大学生らと共にこの店で働くうち、紬はこれまで気づかなかった着物の魅力にはまっていく――。
 瀟洒な街・神楽坂には、日本伝統の美が、よく似合う。

感想・レビュー・書評

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  •  鎌倉にある呉服屋の長女・紬は、どうしても着物に興味をもてず、店の経営に腐心する日々を送っていた。そんな様子を見かねた両親の強引な指示によって、彼女は神楽坂の路地裏に建つ悉皆屋で修業することになる。
     仕立て直しや洗い張りなど、着物のメンテナンスを一手に引き受ける悉皆屋。飄々とした店主や軟派な大学生らと共にこの店で働くうち、紬はこれまで気づかなかった着物の魅力にはまっていく――。
     瀟洒な街・神楽坂には、日本伝統の美が、よく似合う。

  • 悉皆屋、という職業を初めて知った。着物のことを色々知ることができて勉強になった。もう少し神楽坂の街並みを感じられたらさらによかったかなぁ。

  • 「紬の記憶」
    足りないものを探しに。
    自分自身で気付かなければならない事だったとしても、いきなり追い出すのは少し酷すぎやしないか。
    祖母が危惧した通りになってしまったからこそ、経理一筋の目線になってしまったのではないか。

    「恋の嵐」
    好きな人のためならば。
    長年着用していなくとも想い出に残る品は大切に扱い、ふとした瞬間に当時の事を思い出すのかもな。
    理由も教えてもらえず怒られたまま依頼していたら、自分が悪くとも納得できなかっただろうな。

    「受け継ぐもの」
    初めて知った祖父の事。
    自分の家には関係のない紋を見つけてしまったら、嫌な想像ばかりしてしまうのも無理はないだろう。
    生きているうちに話を聞くことが出来たら、最期の願いを聞いた時に違う反応をしていただろう。

    「淡い色の依頼」
    襖越しに語られた言葉。
    血の繋がりが全てではないが、何の前触れもなく告げられたら今までと同じようには出来ないかもな。
    周りに居る者たちが離れていかなかったからこそ、前に進むための一歩を踏み出せたのだろうな。

  • 祖母が亡くなり、経営下手な両親に代わり呉服屋の経営に奔走をする主人公の紬。でもある日、経営手腕以外にも必要なものがあると両親に言われ、悉皆屋(しっかいや)で着物について、学ぶことになり…。

    シリーズ化しそうな予感。

    悉皆屋さんって、初めて聞く言葉。
    着物を洗ったり、解いて反物に戻したり、仕立て直したりとメンテナンスをするお仕事をしいているところ。

  • 着物のお話に惹かれて読んでみました。
    千秋や紬が変わっていく心の過程がよくわかりませんでしたが着物はただの高い服じゃないんだ、と思わせられました。

  • 話自体は悪くないんだけど、なんで彼が動くのかがわからなかった。

  • キャラがそれぞれしっかり立っていて(丁寧にキャラ作りがされている印象)読んでいるとそれぞれにのめり込んでしまって、いい意味で大変でした。
    紬ちゃんの思いも分かるし、千明くんの葛藤も分かるし。
    この二人が恋愛的パートナーではなく、仕事面でのパートナーで居続けたのも好印象でした。
    まあ千明くんには押しかけ女房がいますしね。
    彼女の思いもまた素敵でした。
    そりゃ敵うまい。
    紬ちゃんは寧ろ別キャラとのフラグが立っていたのに、見事にスルーしていて笑いましたけど。
    彼はもうちょっと真面目になるべきか。
    まあ本命が決まれば落ち着くタイプと見た。
    着物を通じて人との絆や想いが感じられるエピソードばかりで、どれも胸に来るのは流石だなと思いました。
    特に祖父から託された着物の話よかったなあ。
    千明くんの師匠との話も本当に泣けました。
    お互いがお互いの傷やトラウマを克服するきっかけになっていたのも素敵で羨ましく、心惹かれるエピソードでした。
    皆本当にキャラがしっかり練られていて、これからいくらでも話が膨らませられそうな気配がプンプンしますので、個人的にはこれからの彼らの話を読んでみたいと思います。
    それぞれ成長の余地を残していますし。
    もっとこの作品の世界が広がっていってほしいと願います。
    続編待ってます。

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、『路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店』でデビュー。

「2021年 『午後十一時のごちそう ~三ツ星ゲストハウスの夜食~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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