地獄に祈れ。天に堕ちろ。 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 60
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049126662

作品紹介・あらすじ

イカしたDJが今回のお話を大紹介ダ!
 ミソギ、死者。嫌いなものは聖職者。犯罪亡者をぶっ飛ばし、地獄の閻魔に引き渡す荒事屋にして……シスコン(妹)!
 アッシュ、聖職者。嫌いなものは死者。聖なる銃をぶっ放し、死者を殺しまくる某機関の最終兵器にして……シスコン(姉)!!
 こんなチョイとオカしな二人が、何の因果か亡者の街『東凶』で、「魂」に効くヤバーいおくすりを大捜索! 聖職者嫌いの死者と死者嫌いの神父が!? ハッ、まったく上手くいく気がしてこないね!
 しっかーし! 困ったことにこいつら実力は折り紙付き。おいおい頼むから『東凶』を壊滅させちまったりすんなよ!? 電撃小説大賞《大賞》受賞作家・九岡望が贈る、ダークヒーロー・アクション!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれたら読んで損をしない、間違いない面白さ。
    地獄につながる眼を持ったシスコン刀使い、元大量殺人者の金髪碧眼シスコンガンスリンガー、己の規則に忠実なペスト医師マスクの殺し屋。設定だけで、その趣味の人にはぞくぞくするでしょ?
    影を負う男二人のバディもの、技名を叫んで殴るタイプの異能バトル、死者が跋扈するハチャメチャな都市。と、中二心を刺激する要素満載。

    前作「ニアデッドNo.7」に続く、B級映画的な匂いの派手なアクションラノベ。
    前作が再殺部隊+バイオハザードなら、今回は凍京necro+血界戦線だろうか。
    傑作「エスケヱプ・スピヰド」の作者だけあって、心躍る圧巻の戦闘描写は言うまでもなく、敵も味方も己の死と喪失と向き合い答えを求めるどこか高潔な姿が美しい。

    久しぶりにシリーズ化、7月には2巻が出るので、今後も要チェック。

  • 地獄の亡者(シスコン)と聖職者的エージェント(シスコン)のコンビもの。亡者がうろつく無法地帯「東凶」でおこるホラーアクション。地獄とつながった武器や、救済兵器なる物騒な武器など、中2心をくすぐる設定がかっこいい。亡者ミソギの強さやお人好しさ、エージェントアッシュの抱えたトラウマの解放、ラストの展開はアクション映画一本見たような爽快感。 

    イラストのアッシュ(姉に固執する美青年)、にひかれて読んだのだけど、彼の弟ぶりと、対等な相方のミソギのコンビはまさにバディものの楽しさがあった。

    戦闘シーンはたまにクランチ文体が入り、もろライトノベル的なケレン味あふれる感じがたまらなく楽しかった。

  • ちょっと変わった世界観の話。
    地獄から死者があふれ出す、ってたまに見るネタを
    うまい具合に使っているな、と。

  • 死者が(すなわちゾンビが)あふれる幽離都市・東凶で、特殊金属の身体を持つ亡者専門殺し屋・ミソギが出合ったのは、イギリスから来た対ゾンビ専門のエージェント・アナテマに所属するアッシュ姉弟と、コンテナで密輸されたラリった少女。不本意ながらアナテマと共闘することになったミソギは亡者の麻薬・通称Asの出本を探るうちに、生死をひっくり返すようなどでかい災厄が東凶に降りかからんとしているのを知る――

    と、書くとお行儀が良いのは重々承知の上で、

    あふれるゾンビ! 変幻自在の四肢ついでに滅茶苦茶カッケー車を乗り回す主人公属性男子! 金髪碧眼トラウマ持ちでついでに頭も回るエージェント! 犬猿の仲バディに、ふわふわ描写がキレッキレの少女に、正統派ヒロインに妙齢眼鏡閻魔にハッキンドローンJKにフランケン女児に地獄からよみがえる名刀!! あ、それとミサイルも追加で! ミサイル! 宇宙から発射されるチョーでかいやつ! こんな要素てんこ盛りでどうするんですか。てんこ盛りなのに書ききっているぞすごい。

    キャラクター描写は毎度のことながら秀で、きちんと使い切っているのが非常に良い。累氏も良い。名前から当初、随分辛気臭いしゃべりをする女性だな……と思った(それが良い)ら、挿絵を見るとナイス中年男性で累ちゃんどこ行ったんだとしょ気たのも事実だが、非常に良い味が出ていたなと思った。ハッキンドローンJKと合わせて終盤まで非常に良かった。生かし切れていないのが残っているのは誰だ、と考えたところ約一名思い当たるキャラクターがいたが、想定されているエピソードに対して実際に開披されたものが少なかったせいだと思われるため続編に向けての布石なのだろう。

    描写に関しては先述の累氏のミスリード(勝手に誤読しただけかもしれないが)等、やや偏りがあるか? と思われたが支障が出るほどではない。戦闘描写は相変わらず優だがやや嵩を減らしたか。
    今回、九岡作品の特色だと思っていた長目のタメ(停滞)があまり感じられなかった。タメに相当する展開はあるのだが、タメつつタメの長さを上手く掻い摘んでいる印象だった。

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著者プロフィール

『エスケヱプ・スピヰド』にて第18回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、作家デビュー。他の著作に「サムライ・オーヴァドライブ ‐桜花の殺陣‐ 」「ニアデッドNo.7」(電撃文庫)、「言鯨【イサナ】16号 」(ハヤカワ文庫JA)などがある。

「2020年 『地獄に祈れ。天に堕ちろ。2 東凶聖餐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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