西由比ヶ浜駅の神様 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1409
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049127362

作品紹介・あらすじ

多くの死傷者を出した脱線事故。嘆き悲しむ遺族は、ある噂を耳にする。西由比ヶ浜駅に現れる幽霊に頼むと、過去に戻って事故の電車に乗れるという。愛する人に再会した彼らがとる行動とは? 涙が涸れ果てる感動作。

感想・レビュー・書評

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  • 心が痛くて読み終えるのが辛すぎました。

    『西由比ヶ浜駅の神様』の概要と感想になります。

    概要です。
    快速電車の脱線事故により多くの乗客と運転士が亡くなった西由比ヶ浜駅で、深夜に幽霊電車の目撃情報が相次ぐ。事故で亡くなった方々と強い繋がりを持つ人は4つのルールを守る限り、深夜の幽霊電車でその人と再会できる話を信じた四人の物語。

    感想です。
    辻村深月さんの『ツナグ』も死者との再会を描く作品ですが、本作の4つのエピソードはどれも心を深くえぐられたような余韻が残ります。ただ大切な人を突然失ってしまうことは起こり得る現実で、もし作中に自分が立っていたら幽霊電車に乗るかもしれません。止まってしまった時間を再び動かすために…。

    • Russian Blueさん
      こんにちは、読み終えたのですね(^-^)
      やっぱり読んでみたいです!
      こんにちは、読み終えたのですね(^-^)
      やっぱり読んでみたいです!
      2024/05/17
    • マメムさん
      Russian Blueさん、コメントありがとうございます。

      はい、読み終えました!!
      タイトルから想像していたイメージよりも重たい話で抉...
      Russian Blueさん、コメントありがとうございます。

      はい、読み終えました!!
      タイトルから想像していたイメージよりも重たい話で抉られましたが、最後は心救われた読後でした♪感想を楽しみに待ってますね^_^
      2024/05/17
  •  皆さんご存知の『ツナグ』『コーヒーが冷めないうちに』に似た、過去に戻れる、故人と会えるという設定の物語です。ありきたりかなぁと思いながらも、結構楽しめました。
     こうして似たような作品が登場するのは、それだけ「人は過去に執着する」ものだからでしょうか? 記憶が少しずつ薄れていく(特に悲しい出来事など)というのは、生きていく上で必要なことだと思いますが、どうしても未練が邪魔して…、というのが人間なのでしょうね。(お、ついに悟ったか!)

     本作は、電車の脱線事故の最寄駅に幽霊が現れ、依頼すると事故当日の電車に乗ることが可能という。「(婚約者の)彼へ」「(反面教師の)父へ」「(初恋の)あなたへ」「(運転士の)お父さんへ」の四話構成です。
     展開がやや予想できる部分もありましたが、あーそうきたかぁ、と読みが外れる楽しさ(?)もありました。また、各話が独立した物語と思っていたら、前の話の人物が登場し、リンクさせる工夫もありました。

     著者はプロローグで、「あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?」と問いかけていますが、正直、困ってしまいます。年齢的な要素、自分にとってどんな立場の人かという要素などが絡み、難しい気がします。
     でも、私たちは物語に救われることもあるんですね。江ノ電から眺める海のイメージが浮かび、素直な気持ちで人に優しくなれるような一冊でした。

  • 涙の土砂降り、の一冊。

    脱線事故で大切な人を喪った人達が一度だけ死者と再会できる物語。

    婚約者、父、片思いの女性、愛する夫を…と、四話読み進めるに連れて涙は溢れて止まらない。

    特に 「父へ。」が、親と子のどちらの立場にも心を重ね合わせ、涙の土砂降り。

    父の言葉はものすごいパワーで心と涙腺を刺激した。

    生前は見えなかった見ようとしなかった姿、喪ってからわかる深い愛、受け取る大切な想いを乗せたレールはきっと明日へと繋がるレールに姿を変えて永遠に…。

    大切な人を喪くした人はもちろん、誰の心もそっと包んでくれる素敵な作品。

    おススメ。

  • 突然、愛する人を失った遺族の悲しみや苦しみが、ひしひしと伝わってきます。生きていくのが辛くて仕方がないだろうな。自分も同じような立場になったら、これこら先、生きたくないって思うかもしれない。
    でもこの小説を読み終えて、やっぱり、突然亡くなってしまう事になった人の方が、悔しくて、やるせないに決まってると、感じました。遺されたもの達は、どんなに辛くても、前を向いて幸せにならないといけない。その幸せが、不幸にも死ぬことになってしまった人達の幸せなんだということを、おそわりました。
    電車の脱線事故で、愛する人を突然失うことになった4人の遺族のお話ですが、それぞれに愛する人との人生があった。そして事故当日の電車に乗り、愛する人と再開することで、前を向いて人生を歩んで行く。どれも深くて、胸に熱いモノが込み上げてくるエピソードでした。
    深夜、幻想的に現れる事故当日の列車、その列車に乗っている被害者たちは、もうすぐ自分たちが死ぬことを知っているとわかった時、「あ、そういうことなのか」と納得したと同時に、もうすぐ自分が死ぬということを知っていて告げた言葉、その会話をもう一度読み、改めて心に深く響き、泣きそうになりました。
    また、この事故当日の列車に乗る方向やルールをおしえてくれる、西由比ヶ浜駅に現れる「雪穂」という名の幽霊が、最終話で、「全員が愛する人達に、生き続けることを選ばせた」というセリフや、自殺した事を後悔する会話が、凄く大事な素晴らしいメッセージのように思えて、とても印象的でした。

  • ある日、脱線事故が発生。多くの死傷者を出す大惨事に。
    2ヶ月後、ある噂が飛び交う。深夜になると、事故現場の最寄り駅で、事故当日の電車が現れるという。しかも乗ることができるという。最後に死んだ人とどんな会話をするのか?4組の遺族に焦点を当てながら、遺された人たちはどう向き合っていくのかが描かれています。

    全4話で、それぞれに事故で亡くなった人とその関係者の会話を中心にそれまでどのようにして今に至ったのかが描かれています。プロローグでは、ストーリーテラーのような語り口で、物語の世界へと誘ってくれます。
    突然婚約者を失ったり、親を失ったりと様々なシチュエーションで失うことの哀しみを味わうことになります。亡くなった人と密に接した分、見ていられないくらい、胸を打たれました。

    電車でのシーンは幻想的であり、読み手側もその電車に乗っているような雰囲気にさせてくれるので、電車好きとしてはとても楽しめました。

    後半になると、前半に出てきた登場人物も登場するので、全てが繋がれている感覚があって、より世界観に浸れました。事故の詳細や女の幽霊の正体は、最後の話で明らかになります。全ての真相が分かった瞬間、スペクタクルファンタジーのような作品を読んでいるようで、大きな感動がありました。
    それぞれの対話も感動があり、思いの丈を喋るシーンは、涙を誘うばかりでした。真夜中に読むと、どこかで電車の音が聞こえるのでは・・・と想像を掻き立てるので、夜がおすすめです。

    ‪亡くなった人ともう一度最後に会えるとしたら、何を話そうかな・・・。

  • 「止まらない涙」という帯に、
    そんな大袈裟なぁと読み始めました。

    疑ってゴメンなさい。
    帯の通りでした。

    突然の脱線事故で
    親しい人を突然失われた人達

    2話目、3話目は、
    主人公に少しイライラしましたが、
    それぞれのラストは改心(?)したのでよかった

    1話、4話目は、本当に感情移入してしまいました。

    雪穂の正体もわかったし、
    運転手さんが悪くないこともわかって
    少しは報われました。

  • 多くの死傷者を出した脱線事故。嘆き悲しむ遺族は、ある噂を耳にする。西由比ヶ浜駅に現れる幽霊に頼むと、過去に戻って事故の電車に乗れるという。愛する人に再会した彼らがとる行動とは? 涙が涸れ果てる感動作。

  • 分かってる、きっとそうなるだろうと…と覚悟しているのに涙腺が緩む…。脱線事故で亡くなった人にもう一度会う奇跡で、遺された人が生きる力をもらう…。父親のお話が一番グッときたなぁ。でもさ…良い人が死にすぎるよ…理不尽だなぁ…と胸が苦しくなるよ。

  • 凄惨な電車事故現場近くに現れる幽霊の正体は…? 亡くした人にもう一度会える電車をめぐる群像劇 | ダ・ヴィンチニュース
    https://ddnavi.com/review/637304/a/

    西由比ヶ浜駅の神様 | 書籍情報 | メディアワークス文庫
    https://mwbunko.com/product/321905000123.html

  • 設定とか、あんまり好きではなかったけど、泣けた。同じ列車に乗り合わせた人達の一人一人の物語。父親の話、旦那さんの話しは号泣しました。

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著者プロフィール

第24回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞。同受賞作『噺家ものがたり~浅草は今日もにぎやかです~』でデビュー。『西由比ヶ浜駅の神様』(メディアワークス文庫)で高い評価を得る。

「2022年 『神様の絆創膏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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