座敷童子の代理人8 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.71
  • (8)
  • (11)
  • (13)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 130
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049132229

作品紹介・あらすじ

迷家荘の蔵から謎の絵画が発見され、手にした和紗が倒れてしまう事態に。どうやら謎の亡霊に憑りつかれた様子。 司貴たちは亡霊の正体を暴くべく調査を始めるが、遠野全体を巻き込む大騒動に発展してしまい――!?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 件である荒神権現に振り回された1冊でした。未来が見通せる件だけに、始まりから終わりまですべて荒神権現の掌の上なんでしょうね。

  • 八月下旬。ようやく暑さが和らいできたある日、迷家荘の蔵から謎の絵画が発見された。ふと手にした和紗だったが、突然倒れてしまう事態に。どうやら霊に取り憑かれてしまった様子。
     司貴たちが霊の正体を暴くべく調査を始めると、発見された絵画が“供養絵額”と呼ばれる死者の鎮魂のために描かれたものだと判明する。その絵に込められた想いを紐解くとき、事態は遠野全体を巻き込む大騒動に発展し――!?
     司貴と和紗の関係も気になる、大人気シリーズ第8巻! 

  • 迷家荘や遠野を巻き込んだ大騒動が起き、あわや危機一髪かと思いきや、後半であっさり解決。
    悪い奴と思われたのも実は…、消えてしまったと思われたものも…、というのはパターン化されてしまったのだろうか。
    その性もあり、登場人物もてんこ盛り。

    作中で書かれてあったような司貴が紡ぐホッコリとした妖話には戻らないのだろうか。

  • 今回の妖怪は件(くだん)
    未来を予言するものです
    座敷童子を含め、妖って甘いものと漫画が好きって笑えるww
    土蜘蛛の一族と遠野妖怪のバトル、
    八幡権現と六角牛王の正体&バトル
    安倍晴明も出てきて一気に読みました!

  • 「柳の下にたたずむ影は」
    何もかも嘘ばかりの者の正体は。
    最初から本来の名を知っていたら対応は違っていたかもしれないが、どう足掻いても変えることの出来ない未来に苦しむ事になるかもしれないな。
    誰にも信じてもらう事が出来ず苦しい思いをしたのだろうが、学生本来の仕事を放棄する理由にはならないよな。

    「件来たりなば、幸遠からじ」
    幸せな物語の結末に待つものは。
    過去の辛い出来事と偶然見えた姿が最悪の結果を生むなんて誰も想像していなかっただろうが、先を見通せた彼女だけは全て知っていたのかもな。
    彼の遺作である作品に込められた本来の意味を理解した日から、自らの最期を決めて日々過ごしていたのかもな。

    「迷家荘の一番長い日」
    全ては筋書き通りに行われた事。
    この様に手のひらの上で踊らされ続けては御用人の仕事だけでなく、人助けとして関わる出来事すら心労の一つとして心身を蝕んでいきそうだな。
    神域に住む者達にとっては茶番に感じるような事柄ですら、人間にとっては一大事だと少しは分かってほしいな。

  • くだ子のキャラが濃い。いつもながらキャラ付けが上手いなー。神様たちもあちこちの顔をたてなくちゃいけなくて大変。

  • 司貴と和沙の可愛いすれ違いが可愛いかった。

  • 安倍晴明登場以降のサスペンス性を考えると、今回は比較的穏やかな話であったような気がする。安倍晴明を「気まぐれな行動によって優位を引き寄せる=実は計画性や裏がない=策を練ってから動く座敷童子コンビの対極」として描くことで、今までの彼の描写から出ていた不気味さや殺伐としたオーラにフォローを入れようとしたのではないか、と思った。

    外川氏と健吾の関係性、荒神神社を継いだトイレの花子さんの話など、明確に描かれなかった部分が気になる。
    健吾と神になったくだ子は次巻以降登場するだろうか。
    静香と健吾のやり取りも個性が出ていたので、今後も2人の掛け合いが見れることに期待したい。

    座敷童子も、土蜘蛛も、百鬼夜行も。劣悪な環境を生き抜いた人々の歴史や思いに起源があることを、妖怪が引き起こす事件の解決を通して描きつつ、最後は平穏な大団円を迎える。
    先人たちへの思いの寄せ方が丁寧である一方、悲劇ばかりで覆うのではなく、のびのびと現代を生きる妖怪たちの姿のやわらかな心地よさ。
    いっしょに悲しむだけでなく、幸運を祈り次に託すのも寄り添い方の一つなのだと思う。人の世界で幸せになれなかったら、せめて妖怪の世界で幸せであるように。生きているうちに達せられなかったら、せめて供養額絵の中で。現実が悲しかったら、物語の中くらいは明るくあるように。それは本当に気休めにしかならないのだろうか。そんな願いの痛切さが、明るい描写の影に、ふと顔を出す。
    過去の巻のあとがきや参考文献リストを見るに、作者が妖怪の起源について丹念に調べて描いているからこそ、コミカルな小説に仕上げるのは実は大変なことなんじゃなかろうか、と想像する。

    次も楽しみにしています。安倍晴明との因縁、和紗さんとの関係、座敷童子の今後、キャラクター同士の掛け合い。話が広がりそうなものをたくさん残しているから...

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

広島県在住。第19回電撃小説大賞応募を経てデビュー。元警察官という異色の経歴を武器に、精緻を極めた文体と温かい人物描写を得意とする。

「2023年 『後宮の夜叉姫5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

仁科裕貴の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×