- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049142587
作品紹介・あらすじ
美古都が部長、蓮が顧問という体制で絶賛(?)運営中の有頂天部。
部員は個性あふれるメンバーばかり!
病弱だけどいつだって前向きな熊倉タクヤと、身体は元気でも心はダウナーな兎田夜空も
有頂天部で毎日楽しく過ごしています。
おんなじ部活に所属していること以外、何もかも正反対なふたりは幼馴染で、そして……恋人どうし。
「わーって、血液が体中を巡るのを感じる!」
「たっくんが楽しいと――わたしも100倍楽しい!!」
愛し合うふたりは関係を深めてゆくけれど、有頂天高校はトラブルだらけ!?
シロ先生の隠しごとに気づいた椿がとった行動は、
美古都と蓮の関係が行き着く先は――?
とある島のとある女子校で青春の日々を送る少女たちの友情と愛情、
心の交歓を描く百合恋愛群像劇『雨でも晴れでも』あらた伊里熱筆の完結巻がついにリリース!!
感想・レビュー・書評
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キスをして告白の言葉も投げかけられたのに淡白な反応を返せる蓮って……
まあ、彼女は彼女で相手の好意に応えるという行為そのものに強い忌避感を覚えているからそうなってしまうんだよね。ただ、その感覚は蓮の中だけで完結している感情だから美古都に通じるわけがない。結果、美古都は蓮の対応を不安に感じてしまう…
そういったもどかしい状況に、既に夜空と付き合うようになって長いタクヤは良いアシストをしたね
蓮が意識すべきなのは自分が美古都の好意に応えて良い人間かという点ではなく、自分がどれだけ美古都を大切に感じているかという点。だから美古都に告げてしまったような「なかったことにできない?」はアウト。ていうか、むしろどこをどうやったらその発言が受け容れて貰えると思っていたんだ蓮は……
そりゃ最近行動力が増してきた美古都が猛反発するのは当たり前というもの。でも、その何時にない反発が蓮が本当に必要とした想いを引き出すきっかけとなったのは良かったね
そうして逃げる事を止めた蓮を筆頭として遂に物語は核心へ
過去の蓮に何か深刻な問題が生じていた、という点は前作から示唆されていたけど、明かされてみれば現実的に取り返しのつかない問題が生じていたというわけではなく、本人の感情の問題といった感じか
ただ、感情の問題ならそれこそ一人では解決なんて出来るわけがない。だから蓮はずっと一人で苦しんできたし、母親も蓮にアプローチ取れずにいたわけだ
それを蓮と深い繋がりを持つ美古都と椿が協力して解決に向かうとは以前は想像もしなかったけど
踏み出してしまえばあっさりと思えてしまうくらい簡単に和解できてしまった猫崎母娘。でも、この下地になったのは美古都の夢のお陰なんだろうなぁ
自分を無価値と思っていた蓮と一緒に暮らしたいと思っていた美古都はそこにこそ幸福を見出していた。なら、その夢を共有できる蓮が無価値な訳がない。自分に価値があるなら、何もないと思っていた母娘の間にだって確かな何かが存在できる
そうして和解できた猫崎母が蓮とそっくりなすっとぼけなタイプであった点はちょっと微笑ましかったな(笑)
最終話は後日談ですか。というか普通に致してる……!
ラストページは気不味いのか賑やかなのかよく判らないコメディ調。つまりはいつも通りということで。
『とどのつまりの有頂天』から始まった有頂天部の恋模様。こうしてきちんと完結まで本当に嬉しいものですよ詳細をみるコメント0件をすべて表示