春夏秋冬代行者 秋の舞 上 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.13
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本棚登録 : 375
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049150766

作品紹介・あらすじ

「汝の名は『秋』、夏に続く者」―― かつて、神々たる四季は人間の一部に自らの力を与えた。春夏秋冬の季節を顕現する者は“四季の代行者”と呼ばれ、権能を得た彼彼女らは、人の身でありながら季節そのもの、つまり現人神となった。 時は移り変わり黎明二十一年仲春。 大和国の秋の代行者、祝月撫子は春を満喫していた。傍らに控えるのは護衛犬の花桐、侍従頭の真葛美夜日、若き側近の白萩今宵。そして撫子の初恋の人であり、代行者護衛官でもある阿左美竜胆の姿があった。彼らの和やかな日々は、ある外交問題によって突如霧散していく。 彼の国の名は橋国。海を挟み、大和から遠く離れた場所にある異郷の地。 陰謀蠢く橋国からの要求は、秋陣営をかつてない窮地へと追い込んでいく……。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。今回、春の顕現中なので、春の代行者の除いた秋冬夏代行者たちが外交のために”橋国”にいく。橋国(ブリッジという国らしい)のイメージはアメリカ合衆国っぽいので、アメリカと南米が混じった感じのイメージ(超個人的イメージ)で読み進めた。そして、まあ、また秋がトラブルになるんかと思ったら、やっぱり秋がキッドナップされる。キッドナップの理由がかなりの話になっていそう。まいどの暁本の定番で、上巻はカードが配られていくだけっぽい感じ。下巻でどないにまとまるのか、非常に楽しみである。秋の神様が幼女とはいえ、めんどくさいなと思っていたら、非常に凄まじい育ちであるのが描かれる。
    面白いんだが、非常に辛気臭いので、読了感がしんどい上巻。下巻ではウルトラハッピーエンドになってほしい。

  • 今作は大和の可愛らしい小さな秋の神様の物語
    その子にこんなにも苦悩があったことに気付かされる今巻
    従者へ愛を乞う「りんどう」と呼ぶ神様
    そんな少女の神様になる前は、両親から愛されない独りぼっちの女の子
    普通の子供のように無邪気さを知らないその理由は苦しくて、苦しいと思うのに幼子はその言葉を知らなくて
    だからこそ、従者である竜胆様の存在は彼女にとって本当に素敵な出会いだったんだなと思う
    だから今作では、少女神と従者近くて遠いすれ違いが…もどかしい!
    少女神の撫子ちゃんの、愛されるために、嫌われないためにという気持ちの描写で…正直に言うと泣きました…
    大人びた小さな神様は愛を知らなくて、1人で枯葉を抱き続ける姿が切なくて愛おしくて抱きしめてあげたい
    他の現人神の環境もそうだけれど…民のために頑張る神様に対しみんな言うことが勝手すぎる

    そんな少女神を守る従者である私の推し竜胆様
    すっかり撫子ちゃんに絆されてるのが微笑ましい
    愛を伝え愛情を注ぐ…けれども時に愛は壁に阻まれる
    立場的にも色々頑張ってる彼を、2人の幸せを祈る
    仲直り?というか、2人の愛を育んでもらいたい下巻へ!


    そして今作のもう1人の秋の神様
    今巻は大和から海外進出!
    ほかのお国の代行者事情とかも明かされて、凄く面白い
    大和物騒…とか思っていたが、他の国はその比ではないぐらい物騒!
    大和とは違う現人神についての問題点も多く見受けられる
    そこの神様は少年神のリアムくん(仮名)!
    ツンデレな猫ちゃんみたいな印象の男の子
    上巻ではそこまで出てこなかったけど…好きよ!
    その従者は大人な感じのジュードさん
    まだ彼に関しては良い人なのかどうか…だっていろいろやっちまったので衝撃展開(ここはネタバレしないよ!)
    理由とか今後の2人の関係とか下巻…どうなるの!?
    少年神も愛らしくて痛々しくて抱きしめたい!


    今作の凄く素敵だなーと思ったのは、途中途中黒い背景になる文章中の挿絵、紅葉が折り重なるイラストも入っていて撫子ちゃんの感情にリンクしている部分
    彼女の言葉に、気持ちを溜め込む、枯葉が積もるという描写があり、それにリンクさせてるんだなぁと
    凄く素敵なのに、物語を読みながらだと凄く重く悲しい気持ちになる

  • 色々な事件があったその後の秋が中心。
    大和とは基本的な宗教観の違いから季節の代行者がさほど敬われにくい橋国(多分アメリカ)。その国から希望あり、渡航するか問題となる。橋国は広く、代行者も複数いるが、交流するのは佳州の7歳の秋。8歳の撫子の個人的な成育環境や、神という特殊な立場と能力の人間が対面する危険、孤独などが語られつつ橋国との交流の問題が進んでいく。
    秋...問題抱えすぎ。なんだか暗かったのと、状況説明が多くて少し読むのにてこずりました。しかし、この極限の設定こそが感情の揺さぶりを生むのも確か。後半、いろいろ事件も起きて話が動くので、下巻を楽しみにします。ていうか、下巻続けて読まないとめちゃくちゃ気になる終わりかた~。
    人を撃ったりとかあるけど、小学校でもギリギリセーフかな。ちょっと難しめなので中学からが無難。エロは挿絵含めないです。

  • ファンタジーという仮面を被せて語られるネグレクトと宗教問題。
    その被害者は幼き子供たち。
    深く深く傷ついた彼らがきっとこの先救われると思いつつも、胸が痛むことには変わりない。
    展開がわかっていつつも訪れた絶望に彼女の心が壊れてしまわないかすごく心配なのでそのまま下巻へ行きます。

    海外、の代行者という新しい設定もだけど、そこに赴く代行者一行、アベンジャーズ感満載。

    凍蝶の、飾りなきストレートなメールにキュン死させられました。

    2024.2.23
    31

  • 舞台が大和から移り世界観が広がるぶん説明が多くなりながらも、些細な仕草なども含め心情が丁寧に描写されることで展開が気になる展開になっていて面白かった。

  • 異国の地、橋国へ向かった撫子、竜胆、狼星、凍蝶、瑠璃、雷鳥。橋国の秋の代行者リアムから告げられたのは撫子への求婚だった、という話。
    不穏な橋国に不信感が募り、大和の神々が無事に帰ってこられるようにと祈る。
    そして撫子の良い子で優しい所に泣きそうになる。神様になる前から親に虐げられた子供が揺れ動く様がいじらしく、どうかこの優しい神様が、撫子が、安心して息ができる場所を確保してあげたい。既にある竜胆達護衛陣の温かさに気付いてほしい。
    にしても瑠璃と狼星が徐々に仲良くなっていくのが嬉しい。瑠璃のこの眩しさが羨ましく煌めきに目を細める。2人の共闘シーンはめちゃくちゃ熱くなる。
    と大和陣営に胸を締め付けられ心を踊らされ、ってしてるところをぶち壊しにする上巻ラスト。なぜお前が裏切りだした?うちの秋陣営に何しやがった!?と大和の民としてブチ切れる。これはもう下巻を即読まないと。
    春夏暁でハードル上がりまくってるのに今作もめちゃくちゃ良くてほんまに大好きなシリーズ。この世界にずっと浸りたい。

  • 星5!5だけど本棚を揃えるために星4……。そんな不甲斐ない私を許しておくれ。
    ジュードさんと、リアムくんまじで何者!?大和の秋主従と橋国の秋主従の色合いが好き。
    秋主従は、「秋」の撫子が明るい白い肌で(普通の日本人の肌)「従者」の竜胆が少し黄褐色っていうのかな? 黒人とまではいかないけど、少し黒いというか……。そこがいいんだよね。
    ちなみに春夏秋冬代行者秋の舞上の表紙の人はジュードさんとリアムくんですね。
    リアムくんが小さい男の子で、ジュードさんが大人の人。リアムくんは秋の代行者。ジュードさんが代行者護衛官だね。橋国では大和とは違ってジュードさんが白い肌、リアムくんが少し黒い肌なの! この違いが尊い……。作者様のご意向かな? 並べるとすごい感動する。

  • 上下巻まとめて読了。
    黎明二十一年仲春。秋の神様をメインに橋国との外交編です。
    いやー、今回も読みごたえあって面白かった。これ絶対上下巻セットで並べて読まんとだめなやつ…!展開読めそうで読めない上巻、展開予想しつつも誘われる涙腺な下巻。主従のすれ違いっぷりがよい…。ここ最近、秋の権能を使いすぎてるな、という節があったから、ここで秋について深められたのはいいタイミングかと。あと秋は基本的に言葉が足りてない気がします…!ラストの撫子と竜胆がどうなるのか気になるけど、絶対うまくいくやつだよね。秋主従は相思相愛傾向が高いのかな、恋愛的な意味で。
    今までの物語・関係性を踏まえた上で、それぞれの神様と護衛官たちみんなが共同して動いてるの読めるとウワァー!///ってなります。微笑ましいし嬉しい。狼星と瑠璃のやりとりも可愛かったな。
    橋国側のの神様もたくさん出てきたので、これからさらに物語のスケールが大きくなりそうな予感がします。続刊も楽しみ。

  • 2024/03/09 読了。

    図書館から。

    秋主従~。
    こうもまた秋の災難がすごい…。
    撫子の過去がもう言葉にならなくて、なのに
    こんなに真っ直ぐ優しい子に育っていて。
    竜胆君、頑張った。
    撫子に対しての仕事の部分が取り払われて、
    更に真面目に撫子の為の行動が従者感増してるけれど
    それもまた撫子にとっては良くも悪くも・・・もどかしい!

    他国(橋国)の秋との交流でしたが、またも誘拐事件に…。

  • ついに舞台は外国へ

    今回の主役はどの巻でも活躍してきた秋主従。
    橋国からの外交問題により、夏、秋、冬主従たちが共に向かうことに。
    秋の代行者、祝月撫子の過去が提示されたり、橋国の秋の代行者、リアムから婚約されたりと新たな仲間(犬の花桐)なども増え、展開されていった。

    特に面白かったフレーズは、
    「どう考えても、肉体言語で語る男二人と仲睦まじい娘二人を比較してはいけない。」
    →春主従を見ている冬の護衛陣たちの場面のこの言葉がものすごく面白かった。

    あとがきの暁佳奈さんの
    「『あの日傷ついていた貴方』に贈る物語です。」
    という言葉にはぐっとした。作中の人物の感情に共感でき、自分と重ねた箇所があったから。

    人の愚かさや美しさを抉るように緻密に表現された物語だと、私は思う。

    追記:世界観をもっと感じたいのならば、漫画がオススメ。

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著者プロフィール

KAエスマ文庫『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』でデビュー。

「2023年 『春夏秋冬代行者 暁の射手』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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