- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049150766
作品紹介・あらすじ
「汝の名は『秋』、夏に続く者」―― かつて、神々たる四季は人間の一部に自らの力を与えた。春夏秋冬の季節を顕現する者は“四季の代行者”と呼ばれ、権能を得た彼彼女らは、人の身でありながら季節そのもの、つまり現人神となった。 時は移り変わり黎明二十一年仲春。 大和国の秋の代行者、祝月撫子は春を満喫していた。傍らに控えるのは護衛犬の花桐、侍従頭の真葛美夜日、若き側近の白萩今宵。そして撫子の初恋の人であり、代行者護衛官でもある阿左美竜胆の姿があった。彼らの和やかな日々は、ある外交問題によって突如霧散していく。 彼の国の名は橋国。海を挟み、大和から遠く離れた場所にある異郷の地。 陰謀蠢く橋国からの要求は、秋陣営をかつてない窮地へと追い込んでいく……。
感想・レビュー・書評
-
面白かった。今回、春の顕現中なので、春の代行者の除いた秋冬夏代行者たちが外交のために”橋国”にいく。橋国(ブリッジという国らしい)のイメージはアメリカ合衆国っぽいので、アメリカと南米が混じった感じのイメージ(超個人的イメージ)で読み進めた。そして、まあ、また秋がトラブルになるんかと思ったら、やっぱり秋がキッドナップされる。キッドナップの理由がかなりの話になっていそう。まいどの暁本の定番で、上巻はカードが配られていくだけっぽい感じ。下巻でどないにまとまるのか、非常に楽しみである。秋の神様が幼女とはいえ、めんどくさいなと思っていたら、非常に凄まじい育ちであるのが描かれる。
面白いんだが、非常に辛気臭いので、読了感がしんどい上巻。下巻ではウルトラハッピーエンドになってほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色々な事件があったその後の秋が中心。
大和とは基本的な宗教観の違いから季節の代行者がさほど敬われにくい橋国(多分アメリカ)。その国から希望あり、渡航するか問題となる。橋国は広く、代行者も複数いるが、交流するのは佳州の7歳の秋。8歳の撫子の個人的な成育環境や、神という特殊な立場と能力の人間が対面する危険、孤独などが語られつつ橋国との交流の問題が進んでいく。
秋...問題抱えすぎ。なんだか暗かったのと、状況説明が多くて少し読むのにてこずりました。しかし、この極限の設定こそが感情の揺さぶりを生むのも確か。後半、いろいろ事件も起きて話が動くので、下巻を楽しみにします。ていうか、下巻続けて読まないとめちゃくちゃ気になる終わりかた~。
人を撃ったりとかあるけど、小学校でもギリギリセーフかな。ちょっと難しめなので中学からが無難。エロは挿絵含めないです。 -
ファンタジーという仮面を被せて語られるネグレクトと宗教問題。
その被害者は幼き子供たち。
深く深く傷ついた彼らがきっとこの先救われると思いつつも、胸が痛むことには変わりない。
展開がわかっていつつも訪れた絶望に彼女の心が壊れてしまわないかすごく心配なのでそのまま下巻へ行きます。
海外、の代行者という新しい設定もだけど、そこに赴く代行者一行、アベンジャーズ感満載。
凍蝶の、飾りなきストレートなメールにキュン死させられました。
2024.2.23
31
-
舞台が大和から移り世界観が広がるぶん説明が多くなりながらも、些細な仕草なども含め心情が丁寧に描写されることで展開が気になる展開になっていて面白かった。
-
上下巻まとめて読了。
黎明二十一年仲春。秋の神様をメインに橋国との外交編です。
いやー、今回も読みごたえあって面白かった。これ絶対上下巻セットで並べて読まんとだめなやつ…!展開読めそうで読めない上巻、展開予想しつつも誘われる涙腺な下巻。主従のすれ違いっぷりがよい…。ここ最近、秋の権能を使いすぎてるな、という節があったから、ここで秋について深められたのはいいタイミングかと。あと秋は基本的に言葉が足りてない気がします…!ラストの撫子と竜胆がどうなるのか気になるけど、絶対うまくいくやつだよね。秋主従は相思相愛傾向が高いのかな、恋愛的な意味で。
今までの物語・関係性を踏まえた上で、それぞれの神様と護衛官たちみんなが共同して動いてるの読めるとウワァー!///ってなります。微笑ましいし嬉しい。狼星と瑠璃のやりとりも可愛かったな。
橋国側のの神様もたくさん出てきたので、これからさらに物語のスケールが大きくなりそうな予感がします。続刊も楽しみ。 -
2024/03/09 読了。
図書館から。
秋主従~。
こうもまた秋の災難がすごい…。
撫子の過去がもう言葉にならなくて、なのに
こんなに真っ直ぐ優しい子に育っていて。
竜胆君、頑張った。
撫子に対しての仕事の部分が取り払われて、
更に真面目に撫子の為の行動が従者感増してるけれど
それもまた撫子にとっては良くも悪くも・・・もどかしい!
他国(橋国)の秋との交流でしたが、またも誘拐事件に…。 -
ついに舞台は外国へ
今回の主役はどの巻でも活躍してきた秋主従。
橋国からの外交問題により、夏、秋、冬主従たちが共に向かうことに。
秋の代行者、祝月撫子の過去が提示されたり、橋国の秋の代行者、リアムから婚約されたりと新たな仲間(犬の花桐)なども増え、展開されていった。
特に面白かったフレーズは、
「どう考えても、肉体言語で語る男二人と仲睦まじい娘二人を比較してはいけない。」
→春主従を見ている冬の護衛陣たちの場面のこの言葉がものすごく面白かった。
あとがきの暁佳奈さんの
「『あの日傷ついていた貴方』に贈る物語です。」
という言葉にはぐっとした。作中の人物の感情に共感でき、自分と重ねた箇所があったから。
人の愚かさや美しさを抉るように緻密に表現された物語だと、私は思う。
追記:世界観をもっと感じたいのならば、漫画がオススメ。