完璧な小説ができるまで (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 342
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049151107

作品紹介・あらすじ

人気作家・柊木逸歌の監禁容疑で捕まった月村荘一は柊木の高校時代の友人であった。仲の良かった二人の間に何があったのか。取調室の一席で月村は全ての始まりである高校時代の出会いから語り始めた。文芸同好会での活動と執筆への目覚め。人気作家となった友人からの突然のSOS。5年ぶりの再会から徐々に狂い始めた歯車は、やがて高校時代に起こった同好会メンバーの死へと繋がっていき――。
全てが明らかになった時、月村が辿り着いた驚きの真実とは? 二転三転する展開から目が離せない衝撃サスペンス!

感想・レビュー・書評

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  • 本作『完璧な小説ができるまで』の感想になります。

    印象は斜線堂有紀さんの『私が大好きな小説家を殺すまで』に似ていますが、サスペンス感が強い作品でした。

    高校生になっても孤独感から抜け出せない主人公の壮一は、入学してまもなく文芸研究同好会の部屋を訪れる。そこで自分と同じ一年生の二人の男女と出会い、3人は次第に小説家を目指して執筆活動を進める。

    だが、ある日の出来事を境にすべてが狂っていく。
    完璧な小説の条件とは?
    小説家に求められる作品とは?

    すべての真相が分かった後、最後の一行に読者は絶望する。

    冒頭にも書きましたが、斜線堂有紀さんの『私が大好きな小説家を殺すまで』の作風がお好きな方に合うかと思います。

  • Amazonの紹介より
    二転三転の衝撃! 最高傑作を求めた男の驚愕の計画とは――。
    人気小説家・相崎一歌の監禁事件。暴走したファンによる犯行かと思われたが、逮捕された月村荘一は高校時代の友人だった。
    取調室で「ぜんぶ小説のせいだ」と何かにとりつかれたように訴える月村。彼は相崎一歌になりすまして執筆していたという。二人の間に一体何があったのか。問いただす刑事を前に、月村は驚くべき告白を始めた――。
    すべてを語り終えた先に待ち受けていた驚愕の真相とは? 二転三転する展開に一気読み必至の衝撃サスペンス!



    完璧さを求めるがゆえの狂気を越える狂気の数々に衝撃の連続でした。
    冒頭では、逮捕された後の取調室から始まり、過去を振り返る形で話は始まります。この段階では「異常」という言葉は頭になかったでのすが、読み進めるにつれて、「異常」なことが次々と起こるので、まぁ暴走する2人の行動には唖然とするばかりでした。

    やられてはやり返すといった言葉が似合うように、度を超えたやり返し合戦がある一方で、一つの小説に対する執着心もどちらも凄かったです。なぜ、そこまで執着するのか?
    そういった部分も描かれていますが、想像を上回る狂気さ
    でした。

    ちなみに帯で紹介されている「一つの願い」ですが、それに込められた最後の一文は、ゾワっと背筋が凍りました。全てが計算されていて面白かったですが、全てが異常すぎて、むしろ現実的というよりは、ちょっとファンタジーにも思ってしまいましたし、ちょっと冷めてしまいました。

    なぜそこまで執着するのか?この作品では、月村の視点だけでしたので、もう一人の相崎視点では、随所随所どう思っていたのか気になりました。

    • マメムさん
      初コメです。
      最後の一文にゾワッとしますよね。
      初コメです。
      最後の一文にゾワッとしますよね。
      2023/08/03
    • robin1101さん
      色んな意味で狂気を感じましたね。
      色んな意味で狂気を感じましたね。
      2023/08/05
  • 読み終わった瞬間「怖っ」と呟いてしまった。
    二転三転する展開はイッキ読み必至。
    誰しもが自分の内側に獣を宿していて、何かを本気で成し遂げようとするときには、支配され、狂いだす瞬間があるのかもしれない。

  • 帯に書いてあるように予想外のラストでした。
    途中から読んでいて斜線堂有紀さんの「私が大好きな小説家を殺すまで」と似ていて、この本が好きな人は好きだと思います。
    読んでいて楽しかったです。

  • 確かにラストは一転二転三転、自分の想像を越えてた。
    完璧な小説に対する執着がすごすぎる、誰の執着が一番凄かったのかは、最後にわかる。

  • 人気作家・柊木逸歌の監禁容疑で捕まった月村荘一は柊木の高校時代の友人であった。仲の良かった二人の間に何があったのか。取調室の一席で月村は全ての始まりである高校時代の出会いから語り始めた。文芸同好会での活動と執筆への目覚め。人気作家となった友人からの突然のSOS。5年ぶりの再会から徐々に狂い始めた歯車は、やがて高校時代に起こった同好会メンバーの死へと繋がっていき――。
    全てが明らかになった時、月村が辿り着いた驚きの真実とは? 二転三転する展開から目が離せない衝撃サスペンス!


  • 良い感じに狂ってて良かったです。グロゴアに逃げるんじゃなく、奇抜なやり方でなく、ただ目的があり、それを遂げるだけ。終わり方の余韻、絶望感、けれど青春を永遠にする様な甘美な匂いもする。270頁ほど(だったと思う)で読みやすい。

  • 初めて読む作家さんでした。
    現在闘病中のため、集中力が保たないので、ちまちま読みになってしまいましたが、真相が気になって気になって……
    全快時なら一気読みしていたことでしょう!
    じわりじわりと忍び寄るダークサイドな想いと他の方も述べている執着心、月村がずっと語るのが特徴的。
    最後の一文には恐るべき歪んだ想いが詰まっています。
    最後の一文を読むだけでは分からない、そこまでを読み切った者だけが分かる感情があの一文にはありました。
    大変面白かったです。
    他の方が述べられている斜線堂先生の某作品は積んでいるので、そちらも楽しみになりました。

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著者プロフィール

『モーンガータのささやき』で、第27回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞し、デビュー。

「2023年 『完璧な小説ができるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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