星降るシネマの恋人 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 53
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049152319

作品紹介・あらすじ

開館百周年を迎える映画館「六等星シネマ」で働く雪は、倉庫で見つけた不思議な懐中時計に触れた途端、気を失う。目覚めたのは、1945年の日本。ひょんなことから約80年前の映画館で働くことになった雪は、人気俳優・三峰恭介と出会い、二人は戦時を生きる観客たちとの交流を通じ心を通わせるが――。

感想・レビュー・書評

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  • タイムスリップものが好きな私にはとても面白く読める内容だった。
    千秋さんと雪の恋愛模様は何だか凄く落ち着いた関係のように思えて凄く好みでページをめくるたびに二人の関係が気になって仕方なかった。
    タイムスリップして千秋さんとの出会いで生きることに対して前向きになれた雪に本当に良かったね、と思えた。

    あとは戦時中の話でもあったので、何だか今の時代に感謝の気持ちを思い返した。
    日々感謝していると頭では思いながらもきっとまだまだ足りないのだろうな…と考えた。

  • 戦時中だけど、映画を通じて浪漫を感じる話。泣ける話が見たい人に。

  • 良いね、ハッピーエンド大歓迎。
    塚本さんも豊代ちゃんも魅力的なキャラだった。

  • あの人と私をつなぐのは、80年前の一本の映画。

    丘の上のミニシアター「六等星シネマ」で働くことが唯一の生き甲斐の22歳の雪。急な閉館が決まり失意に暮れていたある夜、倉庫で見つけた懐中時計に触れて気を失う。目覚めたのは1945年。しかも目の前には、推しの大スター三峰恭介が!
    彼の実家が営む映画館で働くことになった雪は、恭介の優しさと誠実さに惹かれていく。しかし、雪は知っていた。彼が近いうちに爆撃で亡くなる運命であることを――。
    号泣必至の恋物語と、その先に待ち受ける圧巻のラスト。
    『キミノ名ヲ。』著者が贈る、新たなるタイムスリップロマンス。

  • 結末が気になって気になって一気読みしてしまった。
    タイムスリップして1945年の熱海に、そして推しである映画俳優の目の前に辿り着いてしまった雪。
    まさか未来から来たとは言えないから、彼から完全に不審者扱いされてしまった彼女は記憶喪失として振る舞って何とか彼の元に置いてもらえることになったが……
    熱海に直接の空襲はないとはいえ戦時中。
    平和とは言い切れない中、何とか暮らしていこうとしても、当時の台所ひとつ取っても現代と勝手が違うからなかなか戦力になれない雪。
    しかも、あるトラウマも持っていたから、余計にややこしいことに。
    本職である映画館のスタッフの経験を活かして、タイムスリップ先でも映画館を手伝う雪は、この先どうなってしまうのか。

    タイムスリップもので先が気になる要素は多々ある。
    元の時代に戻れるのか。
    知っている悲劇を回避できるのか。
    この時代の人と恋仲になれたとしても、元の時代に帰るとなると別れは必須。
    その恋の結末はどうなってしまうのか。
    などなど。

    雪の場合、どうすれば戻れるのか分からない。
    推しである彼の悲劇を知ってはいるが、それが回避できるのかも分からない。
    そもそも彼の雪との出会いの第一印象が最悪なため、二人のロマンスとしても険しい道だ。
    結末が全く読めなくて、とにかく先へ先へと読み進めることに。

    前述通り、彼の好感度が寧ろマイナスからのスタートだったので、推しとどうにかなるとは思えなかった雪。
    雪自身も彼の態度があんまりなので、最初は推しのそっくりさんとして切り離して見ていたほど。
    なので、彼女はまず町の人たちとの交流や映画館を盛り上げることで信頼を勝ち取るところから始めなくてはいけたかったし、実際その点が丁寧に描かれていた。
    戦中なのに映画?と不思議ではあったけど、後書きを見る限り、実際に映画上映自体はされていた模様。
    プロパガンダ映画は上映するかと納得。

    日々のこつこつした積み重ねで徐々に、本当に徐々に近づいていく二人。
    それが中盤以降一気に急接近したのには驚いた。
    文章中にもあったけれども、脈絡なしに告白したので。
    しかも銃撃のあった直後に。
    最初はええ!?となったが、今から思うと二人に残されている時間が少なかったのも理由の一つだったのかもしれないと思った。
    何しろ彼は雪のいた時代にまでは伝わっていなかった秘密を抱えていたから。
    その秘密が明らかになってからの終盤の怒涛の展開は必見。
    気になっていた元の時代に帰れるのか、悲劇は回避できるのか、そして二人の恋の結末は、その答えは全て終章に。

    どうしてああいう結末になったのか、彼の抱えていた秘密を考えると納得の展開。
    あの状態で結ばれても、今回のような結末には辿り着けなかっただろう。
    長続きしない筈なので。
    あまり多くを言うとネタバレ過多になってしまうので詳細は避けるが、一つだけ。
    大スターがフィルムの中で確約したのは「ハッピーエンド」
    この物語は確実にハッピーエンドである。
    そして読み終わった後は、タイトルと表紙の二人の持つアイテムの意味を噛み締めて欲しい。
    気付いた時には本気で泣きそうになったので。

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著者プロフィール

魔法のiらんどより刊行した『キミノ名ヲ。』はコミカライズされ、大ヒットとなった。メディアワークス文庫からは『上倉家のあやかし同居人』シリーズ、『妖怪のご縁結びます』シリーズ、『平安かさね色草紙』シリーズを刊行。歴史をこよなく愛する。

「2022年 『天詠花譚 不滅の花をきみに捧ぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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