日本軍の敗因: 「勝てない軍隊」の組織論

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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054054240

作品紹介・あらすじ

太平洋戦争の敗北は、「日本軍」すなわち帝国陸海軍という「組織」、ひいては日本の「社会」そのものが抱えていた欠陥が原因だった。忘れられた「自存自衛」という戦争目的、独断専行と暴走の曖昧な境目、傷病兵を見捨てる体質など、日本軍は多くの問題と欠陥を抱える組織だった。本書では、「組織論」と「社会学」を駆使し、帝国陸海軍の集団としての、また、その構成員の問題点を検証することで、太平洋戦争における日本軍の敗因を考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 太平洋戦争は科学力と物量に負けた。 だが、この物量は戦う前からわかっていたことだ。 その科学力と物量以外に日本という国の組織における戦略性が未成熟であった。 また、組織力(ヒエラルキー)の完成されておらず、指揮系統も独断専行が横行した。 この間違いを正すにしても上位の組織力が弱すぎ、感情に流されすぎてしまっていた。

  • あくまで内向きの論理で始めた対外戦争だったということか。
    当時の陸海軍は、国民はおろか国家すら守ろうとしなかった、ただの武装集団に過ぎない。

  • 太平洋戦争における日本軍の敗因を組織論と社会学から見直す。日本民族は情緒に流されやすい。美徳の場合もあるが、最も過酷な社会現象(戦争)では客観性に欠け、悪徳でしかない。滅び行く者の美学。補給なしでよく頑張った。負けると知りながらよく立ち上がった。物量に負けた。これで総括していいのか?

  • 戦況の説明とマネージメントの考察を照らし合わせて説明する興味深い本。
    ただし読みづらい。
    戦況は図表が乏しく、戦後の世代にはイメージがつきづらい。
    その結果マネジメントへの話につながりにくい。

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著者プロフィール

軍事史研究家。1950年、神奈川県生まれ。
中央大学法学部法律学科卒業。国士舘大学大学院政治学研究科修士課程修了(朝鮮現代史専攻)。著書に「日本軍とドイツ軍」、「レアメタルの太平洋戦争」、「日本軍の敗因」(学研パブリッシング)、「二・二六帝都兵乱」、「日本の防衛10の怪」(草思社)、「陸海軍戦史に学ぶ負ける組織と日本人」(集英社新書)。「陸軍人事」、「陸軍派閥」、「なぜ日本陸海軍は共同して戦えなかったのか」(潮書房光人社)、「帝国陸軍師団変遷史」(国書刊行会)がある。

「2020年 『知られざる兵団 帝国陸軍独立混成旅団史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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