村山槐多耽美怪奇全集 (学研M文庫 む 3-1 伝奇ノ匣 4)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784059002017

感想・レビュー・書評

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  • 槐多の短編と、その短編のイメージに近い詩が交互に収録されている形式(※下記の収録作品は小説のみ書き出しました)後半は、手紙や雑文なども。序文的に乱歩の書いた槐多の絵(乱歩所持)についてのエッセイと、巻末には津原泰水の書いた槐多伝記風創作作品も収録。

    未完のものも多かったけど、戯曲の「酒顛童子」は続きが読みたかったな。特徴としてはやはり本職が画家だけに、文章でも色彩表現がとても豊か。あと時代のせいか本人の好みか、やたらと山賊系のものが出てくる。そしてやっぱり血みどろ系。有名な「悪魔の舌」がやっぱり完成度は抜群だと思う。

    ※収録
    江戸川乱歩 槐多「二少年図」
    美少年サライノの首/悪魔の舌/魔童子伝/魔猿伝/殺人行者/居合抜き/鉄の童子(未完)/廃邑の少女(未完)/太古の舞姫/童話「五つの夢」/金色と紫色との循環せる眼/電気燈の感覚/孔雀の薄目
    悪女時代/酒顛童子(未完)
    信州日記/画具と世界/人の世界/レオナルドに告ぐる辞/錦田先生へ/山本鼎氏へ/テング 非天狗 壮快旅行記
    津原泰水 音の連続と無窮変奏(槐多カプリチオ)

  • 村山槐多、火だるま槐多と呼ばれる画家、詩人、物書き。夭折の天才画家で、彼の作品を見て何か惹かれるものを感じて調べてみたらその短い生涯にもかかわらず濃い人生をおくっていたようで…

    「悪魔の舌」悪食者の遺書から明らかになるおぞましい事件。最後の真実に彼は絶望し死を選ぶが、人間と悪魔の境界線がそこで区切られてしまったことに疑問を感じた。しかし当時中学生?の作者がこれを想像し執筆したということが一番畏怖をおぼえた。実際作者も少年に狂おしい恋をしていたことを思えば…。

  • 悪魔の舌は何度読んでも凄まじいが、他の短編は、未完も含め珠玉。
    くだらない奉仕精神がないために純粋なのだと思う。
    生存がそのまま詩人という憧憬の人。

    小説と詩を交互に並べる構成は若干首を傾げる。

    津原泰水の創作もまたよい。

  • 以前他のアンソロジーで「悪魔の舌」を読んで、ずっと気になってた村山槐多の作品集。小説や詩や戯曲など、未完の物も多く収録されています。
    美少年とか人肉食とか、耽美で怪しげな世界。やっぱり「悪魔の舌」が好きだ。津原泰水さんの「槐多カプリチオ」も読みごたえがありました。
    「火だるま槐多」とは彼の赤を基調とした絵から名づけられたそうですが、彼の生き様もまさにそんな感じだと思いました。不安や孤独にさいなまれながらも激しく燃えて散った22年の生涯。絵も一緒に載ってたらもっとよかったのにな。

  • 村山 槐多(むらやま かいた、1896年9月15日 - 1919年2月20日)は日本の洋画家。
    悪食の主人公が最後に行き着いたのは人肉。本当に人肉が美味しそうに描写されている。

  • 4686.初.カバスレ、帯なし。
    2010.12.20.鈴鹿ベルシティBF

  • 作者の感性がそのまま読み取ることができそうな話ばかりの短編集である。未完のものもあるので、きちんと落ちのある話を希望する人は気をつけたほうがいいかもしれない。
    怪奇、とあり内容も気持ちの悪いものであるが、表現するなら上品な気持ち悪さだと思う。

  • 美少年サライノの首という話が耽美オブ耽美。主人公=筆者が、サライノの恋人ダヴィンチの恋敵となる

  • もっと評価されなくてはならない作家+画家の選集

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