教養としてのキリスト教 (講談社現代新書 34)

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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061154346

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  • タイトル通り、教養としてのキリスト教
    平易でわかりやすい

  • 1965年刊行。

     キリスト教史ではなく、新約聖書を基礎テキストとして、イエスの誕生、言行、死、そして復活というプロセスを、ユダヤ教(ないしは旧約聖書)との対比をしつつ、解説したものである。
    ① 砂漠の宗教たるユダヤ教を、農耕神的要素を加味して継受したキリスト教。聖母マリアにその片鱗。偶像の肯定へ。あるいは超民族主義への転換。
    ② 悪魔の意味合いがユダヤとキリストでは異なる。また、キリスト内部でもカトリックとプロテスタントでは異なる。
    ③ 旧約は歴史書としての意味を内包するが、新約はあくまでも宗教書と理解すべき。

  •  キリスト教の成立と、新旧両方の聖書、後世(特にヨーロッパ)への影響について簡単にまとめられた本。

     中世以降、キリスト教が世俗の政治と大いに結びついたのにイエス本人は「(ローマ)皇帝のものは皇帝のものに、神のものは神に」と政治と宗教を峻別したこと、旧約聖書が「神との契約の書」をコンセプトとした現世的な内容だった一方で新約聖書は神話的な本であったこと、といった記述は興味深い。

     ヨーロッパ文化を理解するためなら、読んでおきたいところ。

  • 一級の研究者が一般の読者のために書いた本、のお手本のようです。
    内容はしっかりとしているのに、読みやすい。
    教義ではなく、思想として知りたいキリスト教ついて、
    「そう、ここが知りたかったの!」という部分を解説してあります。

    本文中に引用される、文語体の聖書の言葉がとても美しい。
    文語体の聖書を読みたくなりました。

  • 西洋の歴史・文化を理解するカギとして、キリスト教精神のもつ重さはあまりにも大きい。本書は、キリスト教を知るための基点の書として、聖書の成り立ちから、人間キリストの愛と苦悩、キリスト教精神の本質とその歴史的軌跡までを解き明かした。

  • ちょっとキリスト教のことを知っていないと読んでもわからない。かじった人が感じる疑問に答えてくれてるが、明確な答えはない、自分の信じる答えでいいというオチ。

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著者プロフィール

評論家。筑波大学名誉教授。1929年生。東京大学大学院文学研究科仏語仏文学専攻〔59年〕博士課程修了。94年没。大学院在学中から文芸評論家として活躍。58年には遠藤周作らと『批評』を創刊する。ナチズムに対する関心から、61年アイヒマン裁判傍聴のためイスラエルへ赴く。62年にはアルジェリア独立戦争に従軍取材。立教大学教授などを務めたのち、74年筑波大学教授。著書に『アルジェリア戦争従軍記』『死の日本文学史』『評伝アンドレ・マルロオ』『帝王後醍醐 「中世」の光と影』『三島由紀夫の世界』など。

「2018年 『新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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