本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061158207
感想・レビュー・書評
-
神話に秘められた民族移動と文化伝播の記憶。日本文化は「吹溜まりの文化」である。文化混淆の痕跡を日本神話の中に探る。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岡正雄は、アマテラスの岩戸隠れの神話やイザナギ・イザナミ神話は、縄文末期に渡来した焼畑による陸稲栽培の文化によって、天孫降臨神話や神武の建国神話は、日本列島に国家的支配体制を持ち込んだユーラシア・ステップ地域の騎馬遊牧民の文化によって、日本にもたらされたと考えた。
海幸山幸を中心とした日向神話は特にインドネシアの神話と、イザナギ・イザナミ神話は特にポリネシアの神話と顕著な類似がある。縄文時代中期に出現し、新しい文化が渡来したと思われる渦巻文様、土偶、乳棒状石斧、棍棒王石頭などは、ニューギニアからメラネシアの文化と著しく類似している。土偶の胴体や手足がばらばらにされているのは、身体から作物を生じさせるオオゲツヒメ的女神格をかたどったものとの説がある。これらの神話は、中国の江南地方から日本に及ぶとともに、インドネシアを経由してポリネシアまで波及した結果と説明されるが、それを証明することに成功していない。大林は、海幸山幸は、海の原理の呉と山の代表の越の対決と考えた。天の岩戸神話は、中国南部の苗族、アッサムのカシ族、ナガ族の神話、インドシナの日食起源神話と類似している。
全2件中 1 - 2件を表示