エントロピーとは何か―でたらめの効用 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061179967

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  • 私のブルーバックス積読シリーズの一つ。
    情報理論でも、熱統計力学でも出てきた用語「エントロピー」これに関する解説書。
    (少なくとも私は、)それぞれの分野で、「~という式をエントロピーとする」と定義されて、結局エントロピーって何なの?というモヤモヤがあった。そのアンサーブック。
    この本の最大の特徴は、エントロピーに対する概要を解説した上で、それぞれの分野で「この分野では~」と繋げていくので、文字通り「エントロピーとは何か」の理解が深まる。

  • フォトリーディング。エントロピーを「でたらめさ加減」として説明。数式が多い。でも文化的なエントロピーの増え方など、面白そうな話題もある。

    高速リーディング。数式がやたら多くて、論理的だが理解できず難解であった。

    下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:

    18:エントロピーとはでたらめさ、複雑さ、情報量の尺度。

    41-42:出てくる情報量がでたらめであるほど情報量が大きい。予測できる情報はエントロピーは小さい。

    118:熱力学第二の法則。エントロピー増大の法則。ある物質のエントロピーが増えると言うことは、その物質を構成している分子や原子の配置や運動が、よりでたらめになると言うこと。

    228:第二法則のエントロピーは閉じた系において増えると言うこと。外から手を加えることができるのなら、エントロピーの増大を押さえることができる。しかしエントロピーはやはり増大する。

    240-242:文明のエントロピーも増大する。著者はいずれ宇宙人が人類の廃墟を見るのだろうかと疑問を呈する。しかしそれを押さえることができるとも言っている。それはたとえばスピードや能率、便利さにたいする信仰を捨てることによって可能であるという。希望的観測。
    エントロピー増大の法則からやはり、進化論は肯定できないと思わされた。

  • エントロピーは,熱力学ではつかみどころのない抽象的な説明で片付けられていて,難しくて聞きなれない変な響きの言葉のまま終わっていた.そんな難しい概念をここまでわかりやすく説明してくれる本には初めて出会った.むしろ,本書のように身近なところからスタートしたほうが分かりやすいし,エントロピー自体はすごく簡単だということに気付いた.生命,環境問題,社会組織,音楽と,あらゆることはエントロピーを結びつけて考えることができるということに気付かされ,物事を見る新しい視点が得られた.

  • 配置場所】工大新書B【請求記号】426.55||H【資料ID】19303625

  • 情報のエントロピーと熱力学のエントロピーは、しばしば混同して用いることがある。
    そういう自分でも、厳密に区分して説明することがうまくできないことがある。
    連続量と離散量の違いとか、物質の場合と概念だけの場合の違いについて。

    本書では、でたらめさ加減という比喩で、理解を促そうとしてうる。
    大事な勉強の仕方だと思うので、大変参考になります。

  • 統計力学の話かとおもったら、そうでもないし。
    でも、若干統計力学みたいな話もでてきたし。

    他のブルーバックスで『「エントロピーとは何か」で語られているエントロピーは正しくない』みたいなことを書かれたらしく、最後10行くらいで、むきになって反論しているのが、理系のおじいちゃんだな、って思えて声だして笑った。

  • [ 内容 ]
    エントロピー的な力とは何か?

    [ 目次 ]
    0 でたらめさと複雑さとおもしろさ――ちょっと長い導入部
    1 でたらめさとは何か?
    2 でたらめさを測る――でたらめさと情報量とエントロピー
    3 パターンのエントロピー
    4 物質系のエントロピー
    5 熱力学の第2法則とエントロピー的な力
    6 エネルギー的な力とエントロピー的な力とのせり合い
    7 秩序から無秩序へ――相転移とエントロピー
    8 情報理論とエントロピー
    9 文明・生命・環境とエントロピー

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著者プロフィール

1926年、京都府に生まれ、1935年、札幌に移住。北海道大学理学部卒業後、同大学低温科学研究所助手等を経て、物性物理学・統計力学・数理物理学を専攻。理学博士。1980年まで同大学理学部教授として主に物理の研究・教育に従事。同年、人生二毛作に向けて大学を退職し、エッセイストに転向。1990年、建設省(現国土交通省)国土地理院長表彰を受賞。
小学生のころから地図の美しさに魅せられ、放浪を趣味とする。1960年代より地形図を手に全国の旧道、廃線跡、産業遺産などを歩く旅をスタート。地図と旅の愛好者の集まり「コンターサークルS」を主宰。現在も各地を精力的に歩き続ける。1972年、『地図のたのしみ』(河出書房新社)で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。北海道大学名誉教授。
『地図を歩く』(河出書房新社)、『地図のワンダーランド』(小学館)、『地図で歩く古代から現代まで』(JTB)、『消えた街道・鉄道を歩く地図の旅』『にっぽん地図歩きの旅 古道、旧道、旧街道』(ともに講談社+α新書)、『忘れられた道 完』(北海道新聞社)、『サッポロこぼれある記―北の街の空のひろがり』(そしえて)、『エントロピーとは何か―でたらめの効用』(講談社ブルーバックス)、『地図の中の札幌』『北海道 地図の中の鉄路』(ともに亜璃西社)など、地図・鉄道・旅行・物理学に関する著書が多数ある。

「2017年 『北海道 地図の中の廃線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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