力学または物理学を勉強する人が、壁にぶつかった場合に、読むとよい本かもしれない。
自分が何のために物理学を勉強しようと思ったのか。その初心に返り、何を解明するとよいかを考え直す機会としてこの本は含意が多い。
伏見康治の末尾の解説にある文章がこの本の読み方と物理学の勉強の仕方を示唆している。
「ひとりの学者の評価を行なうにあたっては、次のアインシュタインの言葉を思い出そう。
「理論物理学者が使う方法について何か探り出したいのなら、彼のいうことばに惑わされてはいならない、彼が何をしたかに注意すればよいのだ。
しかし、マッハの場合は、彼は批判者なのだからこの文句を少し変える必要があるかもしれない。
マッハについてあれこれ言われていることに気をとられる必要はない。マッハ本人が本当に言おうとしていることを理解していなければならない。」」