阿片戦争(中) 風雷編 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (627ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061311893

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  • 林則徐を道光帝は親しくもてなし信頼篤さを示した。欽差大臣林則徐は、阿片厳禁は「元を断たなきゃダメ」英国商人に“阿片を売買した場合、死刑”の誓約書を求めた。米国商人は応じても良かったが…英国総督エリオットは「応じることを禁じる」断行すれば貿易を求めるだろうと思い上がり/エリオットが戻ったのを見澄まして商館包囲(兵糧攻め)。ついに提出した阿片も「もっとあるだろう」、売却するかとの期待も虚しく“公開焼却”痩せ細った老人が「ああ!一片でもくれないか」/英語を学ばない清外交官/大英帝国の海軍に対し勝ち目がないことはわかっていたが、不義は糺さないと

  • 中国近代化の闘い。漢族政権だったら、清朝勃興期だったら歴史は何か変わったのだろうか?

  • 非常におもしろかった。中央政治の腐敗、列強による国土侵略、文化の頽廃。中国のその後100年の道筋を決定づけることとなった歴史的な戦争、その不可逆的な時代のうねりの中にあって、波を利用しようと舵取りを試みる者、国を想い、未来に続く細い希望を見出し残そうとする者の物語。”疾風に勁草を知る”、決して現代では再現されない大局的物語を格調高い文章で追体験できる。

  •  英国艦隊との武力衝突で全面戦争になりそうな様相なのだが、英国側も艦隊を呼び寄せたのはあくまで中国を威圧するだけの見せ掛けのつもりだった。本格的な全面戦争は両国とも望んではいない。旧態前とした穏健派の欽差大臣の全くの無策には辟易するが、ここで満を持して強硬派の林則徐が帰ってくるのである。

     下巻は物語の舞台、広州にて読み始めるとしよう。15日から3泊で香港、マカオの旅を楽しむ予定である。

  • ~裏表紙より~

    阿片鬼と化す人々に亡国の明日をみた林則徐の阿片厳禁論は、
    動揺する道光帝の心を掴む。

    一地方官史から欽差大臣へ、
    積弊根絶に英国と対決すべく広東に乗りこむ彼の周囲に内外の敵。

    民族の誇りと将来のために”みごとに戦う”

    武力行使に移る英国艦隊の面前で、
    その威力を知りつつ林は阿片を焼き捨てる。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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