ダルタニャン物語 3 我は王軍、友は叛軍 (講談社文庫 て 3-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061330733

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  • 前作から20年の月日が流れた。先の王とリシュリュー枢機官は世を去り、10歳のルイ14世の世となっていた。王太后となったマリー・ドートリッシュは幼い王を支える摂政となるが、実質上政務を担っているのはマザラン枢機官だった。王太后と枢機官は恋仲ではないかと噂され、スペイン人の王太后とイタリア人の枢機官は国民から疎まれていた。

    ダルタニャンは銃士隊の副隊長になっていたが、他の三銃士は除隊していた。奇しくも反政府運動が高まる中、自分の味方を得たい枢機官はダルタニャンに出世をちらつかせて甘言し、頼りになる仲間を集めて来るよう促す。

    一旗揚げたいダルタニャンは早速アラミスを尋ねるが、もともと希望していた僧侶になったのだから今更軍隊に戻る気はないと断られる。アラミスは相変わらずモテモテで聖職者のくせに女性関係は盛んな様子。

    ポルトスとアトスは自分の領地で領主として暮らしていた。田舎暮らしに退屈していたポルトスは二つ返事で了解したが、アトスは養子の教育に心血を注いでいて、マザランを批判したので誘うのを諦めた。

    こうしてダルタニャンとポルトスは枢機官の下で働く事になった。ところがアラミスとアトスは裏でフロンド派=反政府軍に加担していた。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    ダルタニャン物語は3つの物語に分かれていて、若き日の活躍を描いた『三銃士』、その20年後を描いた『二十年後』、その続きの『ブランジュロン子爵』となっていて、この巻から二十年後に突入する。

    内容は前作よりも面白い!
    ダルタニャンはじめ登場人物が結構クセありで狡賢くて抜け目なくて…悪人ではないけれど…なんだかなぁ?と感じる。特にダルタニャンの女あしらいは女目線で見るとちょっとイラッ!

    どうも彼は人妻を好きになる傾向のようで、好きになっても相手に誠実ならいいけど、釣った魚に餌をやらず扱いも荒い。まだ女たらしのアラミスのほうがまし。

    歴史上の実在の人物とフィクションが絡む、いわばベルばらのような話。事実かどうかはわからないが、マザランはケチでセコい奴として描かれ、フロンド派が旗印として掲げるボーフォール公爵は人はいいけど大間抜け。そういったデフォルメの描写も面白くしている要因かもしれない。

  • ダルタニャン物語は三部からなり、第一部が「三銃士」、第二部が「二十年後」。第三部『ブラジュロンヌ子爵』。

    本書は第二部の一冊目。
    前作から二十年後後、40歳になったダルタニャンが、アトス、アラミス、ポルトスの三銃士とともに、フロンドの乱とイングランド内戦を背景に活躍する。

    ダルタニャンの境遇には、サラリーマン的な悲哀も感じられて、なかなか味わい深い。

    金とか地位といった現世的な欲が肯定的に描かれていて、すくなくともストイックなヒーロー像というイメージは、ここにはないようだ。

  • 「ダルタニャン物語 3」
    あの「三銃士物語」完結から20年後の物語です。

    少々古めのエンタテインメントですが
    前編の「三銃士物語」つまり「ダルタニャン物語 1 2」が
    面白かったので、引き続き購入して、でも
    もうかれこれ30年近く放ってあった本なんですよ。
    きっと、完結しているのになんだ?という気持ちがあったのですね。

    物語は
    40代(今の60代ね、たぶん)になった三銃士たちはそれぞれが悠々自適に暮らしていて
    ひとりダルタニャンだけが宮仕えしている。

    再び一旗揚げたいダルタニャンはみな(三銃士たち)をいっしょにと誘うが・・・なんだか変、
    それぞれ、考えも違うし方向が違ってしまっているのですね。
    当たり前です、そう、定年後の一旗揚げは若いころとは違うのです。

  • 講談社文庫版1~2にあたる三銃士上・下を岩波文庫版で読んでいたので、翻訳変わるしどうかなーと読み始めたのだけど、無用な心配でした。サクサク!

    三銃士から20年後、道が分かれた4人だったけれど…歳を取っても変わらない絆にじんわり暖かい気分に。
    多少のごたつきはしょうがないかな…。
    国王陛下もルイ13世が亡くなってルイ14世。後の太陽王だけどまだお子さま。
    宰相もリシュリューが亡くなり小者臭漂いまくりなマザランに。
    アンヌ王妃が意外とよろしくない方向に行っちゃってあらら~。

    4人もその従者達も過去のようにはいかないけれど、今の立場でもできるだけ力を合わせて困難を乗り越えていく様は、やっぱり格好いいと思う。
    ムースクトンはちょっとかわいそうだけど(笑。
    またお尻に名誉の負傷ですよ…。

  • ダルタニャン物語の第3巻。
    ここから第二部の「二十年後」が始まります。
    ルイ14世幼少期のフロンドの乱とイギリスの清教徒革命が舞台だよ。
    まずは若き頃の親友たちが王党派のダルタニャンとポルトス、フロンド派のアトスとアラミスに分かれてしまったところからでした。
    主人公たちのアラフォー世代も面白いなぁ♪
    でも、三銃士で良い人はアトスだけっぽいよね。

  • 3巻にしてすでに40歳ということで、展開が早すぎる。

  • 前巻より二十年後。ルイ十三世、リシュリュー枢機官すでになく、イタリア人のマザランか宰相の地位に。しかし人心をつかみえず、フロンドの乱が起こり、マザラン派とフロンド派がしのぎを削りあう。四銃士の奇しき運命を躍動的に描き、興趣ますます横溢する大デュマの傑作ロマン。

  • 副題「我は王軍、友は叛軍」。

  • いわゆる「三銃士」時代から20年後。いまや銃士隊副隊長のダルタニャンの悩みは出世。一方アトス・アラミス・ポルトスは銃士隊をやめてそれぞれ別の人生を送っていた。ダルタニャンは宰相マザランと王妃の要請で一旗揚げることを計画。3人に一緒に働こうと誘いかけるが、ダルタニャンについたのはポルトス一人。アトス・アラミスはなんとダルタニャンの敵方にまわってしまったのです。中年で働き盛りの4人。若い頃とは違って立場も複雑だけど、でも敵同士であっても4人の友情はかわっていませんでした。任務や命令より友情と人情を優先する彼ら。なんとたくましく勇気ある中年でしょう!

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