熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則 (星海社新書)
- 星海社 (2015年10月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385788
作品紹介・あらすじ
「サイバーさんはめんどくさい」
『.hack』シリーズで名を上げ、『NARUTO -ナルト-』・『ジョジョの奇妙な冒険』で「キャラゲー」=「クソゲー」の常識を覆し、その異常とも言える働きぶりも相まって、業界内外から注目を集める福岡のゲーム開発会社サイバーコネクトツー。関係企業に「サイバーさんはめんどくさい」とまで言われてしまう妥協なき開発姿勢の源泉はなんなのか。世界累計約1300万本を売り上げる『ナルティメット』シリーズに見出した「成功の方程式」とは? 希代の経営者でありゲームクリエイターである著者が明かす、「熱狂する」現場と、「熱狂させる」ゲームの作り方。「誰でもできるけど誰もやらないことをやる。それだけ」。
感想・レビュー・書評
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2018年8月17日読了。
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熱い、とても良い本でした。人は誰しも一度はゲームクリエイターに憧れるものです。私もそうでした。そうして、わざわざそれっぽい大学に入ったものの、そこで文学やら読書欲に出会い、西垣通の基礎情報学だの、松岡正剛を読んで「すげー」って思ってみるだの、小林秀雄や芥川全集全てを読むだのして、本の世界のほうに踏み出して、プログラミングの勉強もせずに、小説を書いたり、卒論・卒制発表会のリーダーになったり、なんかこう、別の方向に行ってしまったわけです。でも、ずっと、「なんで俺はあきらめたんだ?」と引っかかってました。でもこれを読んで思いました。
「この人ぐらい、ゲームを好きじゃなかったから」です。
目から鱗でした。「ああ、そうなんだ」と思いながら読みました。そして、「自分は本を読んで、文章を書いていくのが何よりも好き。何かを一からやり始めたり、組織をコントロールする事務仕事が好き。頭全部白髪になって、白髪染めして書いた作品を、メールで送信する瞬間が最高」ということを自覚できました。
自分が本当は何が好きなのか? 得意なのか? それを気づかせてくれる本です。 -
ゲーム会社であるサイバーコネクトツーの社長、松山氏の半生と言葉
特別を実現するために自らと周囲を盛り立てる
そのスタンスと言葉には覚悟を感じる
・作るだけじゃ駄目なんだ。足りないんだ。それを伝える努力をする必要がある。
・内容をひとつひとつ説明しないといけない、というのはやはり違う。それこそお互いの信頼関係と役割分担だ。
・先に考えるべきことは自分たちの"都合や事情"じゃあない。そんなことはお客様には関係ない。最初に必要なのは"勝利のビジョン"だ。 -
著者の体験談から気づきを得る観点での学びと感想
・突き詰めるとはこういうことを言うのだと思った
・努力を「継続」するのことの重要性を改めて認識
・何に一番お金と時間を使っているか、それがあなたの一番好きなことである -
「休むな、戦え」という、ワークライフバランスの対義語みたいな帯文に引き付けられて手に取った本です。こういう極端なことを声高に言われると、何だか清々しさすら感じます。ビジネス書のようなタイトルですが、実際はテレビ番組「情熱大陸」のようなドキュメンタリーに近いです。そして、著者はサイバーコネクトツーというゲーム会社の社長、松山 洋さん。趣味は仕事!休みの日は仕事!南の島でバカンスするよりも仕事!の異常な働きぶりで業界内外で知られているそうです。この人、仕事禁止されたらどうなるんでしょう。