クレヨン王国 幾山河を越えて (講談社青い鳥文庫)

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  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061486348

感想・レビュー・書評

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  • ようやくサードとまゆみが帰ってきた。みんな仲良く大円団の前ふりみたいな本ですが、彼らがわいわいやっているだけでうれしくなる。

  • まゆみと三郎の間には、赤ちゃんが生まれて。名前は、四人の頭文字を取って、サマース。
    愛の詩集としてつづられているんですが……まゆみの詩は、どれもこれも三郎への愛や、人のさびしさ悲しさなど書かれているんですが。これほど、ストレートにバカップル!と思った詩も初めて。
     クリの木の若葉が光る
     悲しみの目みたいにね
    とかなんとか、繊細な言葉がたくさんあったなあと、ソラで覚えているような、どきっとする詩を書いた子が

    天ぷらの油がとんで
    あたしが 目をおさえたって
    あなたが おろおろしちゃうのは
    どうかと 思うわ

    チチン プイプイ
    とんでけ とんでけ 愛のやけど

    これで もういいの
    もう すんだのよ

    カキフライに 見られてる あたしたち
    こっけい ですよ

    愛犬ポチじゃあるまいし
    他人(ひと)のまぶたを なめまわさないで


    ……新婚さん、ごちそうさまでした……



    修道尼オルガ=スチーワの説法が、重く染みる。
    p130から要約

    彼女は、鉢植えについていたツマグロオオヨコバイを指で潰したことがある。ツマグロオオヨコバイは、彼らのご飯を食べていただけなのに。
    でもそんな残酷なことをして、自分は平気でいる。
    魚や動物や植物や虫を殺して、平気でいる。
    それは、自分が以前にその罪を、自分の身で前払いしてきたから、忘れられる罪だ。
    生まれる前に、自分がそれをされてきたから、平気なんだ。
    それとは逆に、忘れられないのは、三日も四日も前に虫針で標本箱に刺したコメツキムシが、生きていて、もがいていたのを見たショック。自分がこんなむごいことをしたと、忘れられない。これは、この先に生きる来世で、自分が背負わなければならない体験だ。いつか自分はコメツキムシに生まれ変わって、背中に針を突き立てられる断末魔の苦しみを味わわなければいけない。
    次も人間に生まれるなんて、甘いことを考えてはいけない。
    「虫になり、草になり、魚になり、貝にならねばなりません。それをさとることが、わがクレヨン王国に生きる意味です。天国は、ありません。地獄も、ありません。別のいのちが、あるだけです。別のいのちを思ってください。その中に、われわれの父祖もいれば、親友もいるのです。」





    ストンストンがカメレオン別荘村の大村長として、びっくりするほどの手腕を発揮していた。はあ……

  • 三郎とまゆみに赤ちゃん誕生。クレヨン王国もしがらみとかいろいろあるんだね。綺麗事ばっかりの夢の国じゃないんだ。オルガのくだりが良かった。

    でも全体的に語り口、思想が完璧おじいちゃん。私は昔からのファンなので辛抱強く読む。

  • クレヨン王国シリーズ。
    読んでいなかったものを見かけたので、手を出してみました。

    たいへん癒されました……!
    懐かしさもあるし、
    たいへん豊かな自然描写がすごいです。

    この本は「月のたまご」の続編にあたるもので、次巻で完結ということらしく、
    ずーっと“道”って感じでした。山場がない。

  • 少しずつ、読んでいないものを読み足しているクレヨン王国。これも月のたまごシリーズの続編になるのかな。
    ストンストンとアラエッサを主軸にした、クレヨン王国のあれこれ。今回も、ぱらぱらとしたサイドストーリーをまとめたもの、という感じが強い。それが嫌に思えないのが、クレヨン王国の不思議なところだと思う。やっぱりアラエッサとストンストンのふたり組が良いんだろうな。
    あとがきによれば、次の一冊でとうとう月のたまごシリーズが完結だとか。どんなふうになるんだろう。

  • 0614

    話進まん…。
    おかげろうはどこ行った。

  • 道草物語もだけど、読んでからだいぶたって記録しているので、記憶がイマイチなのです。が、なんだかとても終焉に向かっている感じは凄いするよ。もうすぐ終わるのかーって感じです。

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著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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