- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061489325
作品紹介・あらすじ
60兆円にのぼる国家予算をにぎり官界の頂点に君臨する大蔵省。主計局のパワー、主税局の頭脳、そして巧妙な他省庁コントロール。自民党とのすさまじい確執をくりかえすエリートたちの権力の城を内部から克明にえがく。
感想・レビュー・書評
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105円購入2012-03-13
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60兆円にのぼる国家予算をにぎり官界の頂点に君臨する 大蔵省。主計局のパワー、主税局の頭脳、そして巧妙な他省庁のコントロール。自民党とのすさまじい確執をくりかえすエリートたちの権力の城を内部から克明にえがく。1989年の刊。
1 大蔵官僚の二四時
2 主計局のパワー
3 頭脳の主税局
4 大蔵省の組織
5 大蔵支配体制
6 大蔵省の戦後史
7 地盤沈下する官庁の中の官庁
8 復権への執念
かつて大蔵官僚には、「われら富士山、ほかは並びの山」という意識があったという。他省庁とは違うという自意識である。現代においても、財務省支配なる言葉がマスコミを賑わす。本書でも大蔵支配なる言葉が出てくるが、この本を素直に読めば、日本においていかに政治主導が行われてきたのかがわかる。本書で著者は一方において「大蔵支配」を叫び一方において「政治に従属して来た」と相反する主張をしている。特に第8章の「復権への執念」は、妄想に近く論理破
綻しているように読めた。だからといって、本書が悪書という訳ではない。いかにして大蔵省が負けて来たか、自民党による政治主導を知るうえではなかなかの良書といえる。
では、なぜ内容がねじれてしまうのか。私にはマスコミには官僚支配という幻想があるのではないだろうかという気がしてならない。(あるいは政治が、都合の悪い事を官僚に押し付けているせいか)
1989年の刊ではあるが、戦後史を知るうえでなかなか面白い本でありおススメである。