大蔵省: 官僚機構の頂点 (講談社現代新書 932)

著者 :
  • 講談社
3.50
  • (0)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 20
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061489325

作品紹介・あらすじ

60兆円にのぼる国家予算をにぎり官界の頂点に君臨する大蔵省。主計局のパワー、主税局の頭脳、そして巧妙な他省庁コントロール。自民党とのすさまじい確執をくりかえすエリートたちの権力の城を内部から克明にえがく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 105円購入2012-03-13

  • 60兆円にのぼる国家予算をにぎり官界の頂点に君臨する 大蔵省。主計局のパワー、主税局の頭脳、そして巧妙な他省庁のコントロール。自民党とのすさまじい確執をくりかえすエリートたちの権力の城を内部から克明にえがく。1989年の刊。
     1 大蔵官僚の二四時
     2 主計局のパワー
     3 頭脳の主税局
     4 大蔵省の組織
     5 大蔵支配体制
     6 大蔵省の戦後史
     7 地盤沈下する官庁の中の官庁
     8 復権への執念

    かつて大蔵官僚には、「われら富士山、ほかは並びの山」という意識があったという。他省庁とは違うという自意識である。現代においても、財務省支配なる言葉がマスコミを賑わす。本書でも大蔵支配なる言葉が出てくるが、この本を素直に読めば、日本においていかに政治主導が行われてきたのかがわかる。本書で著者は一方において「大蔵支配」を叫び一方において「政治に従属して来た」と相反する主張をしている。特に第8章の「復権への執念」は、妄想に近く論理破
    綻しているように読めた。だからといって、本書が悪書という訳ではない。いかにして大蔵省が負けて来たか、自民党による政治主導を知るうえではなかなかの良書といえる。

    では、なぜ内容がねじれてしまうのか。私にはマスコミには官僚支配という幻想があるのではないだろうかという気がしてならない。(あるいは政治が、都合の悪い事を官僚に押し付けているせいか)
    1989年の刊ではあるが、戦後史を知るうえでなかなか面白い本でありおススメである。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

川北隆雄(かわきた たかお)
1948年、大阪市に生まれる。東京大学法学部卒業後、中日新聞社入社。同東京本社(東京新聞)経済部記者、同デスク、編集委員、論説委員、政府税制調査会専門委員などを務める。現在、ジャーナリスト、専修大学非常勤講師。著書に『日本国はいくら借金できるのか』(文春新書)、『財界の正体』『通産省』『大蔵省』(以上講談社現代新書)、『経済論戦』『日本銀行』(以上岩波新書)、『図解でカンタン!日本経済100のキーワード』(講談社+α文庫)、『「財務省」で何が変わるか』(講談社+α新書)、『国売りたまふことなかれ』(新潮社)、『官僚たちの縄張り』(新潮選書)『データベース早わかり』『通産・郵政戦争』(以上教育社)

「2014年 『「失敗」の経済政策史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川北隆雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×