<じぶん>を愛するということ (講談社現代新書)

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  • 講談社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494565

感想・レビュー・書評

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  • 初版時に読了。恋や仕事で失意のどん底にいる時は
    「自分のしてきたことはすべて無意味だった」と全否定しがちだが、
    そこを著者は「うまくいかなかった所だけちょっと変える。
    急激な変身をしない。心のテーブルをひっくり返さないように」と
    ゆるやかにアドバイス。
    解りやすく納得しやすい。
    マスコミでコメントすることの多い著者だが、
    この本によって香山リカという精神科医のイメージが変わり、
    とても受け入れやすくなった。
    苦しい時ちょっとお世話になった本。ありがとう。。。

  • 90年代に誕生した「私探し」という現象について人間心理やサブカルチャーの視点から考察した本。

    「私(自分)探し」をしようとする心理的背景や「私探し」の迷路にはまらないための考え方などが書かれています。

    「自分」は少しずつ変わっていくものであって、スイッチを入れて突然に変わるものではありません。

  • みなさんは、今の自分が好きですか?自分ってどんな人ですか?自分のことをじっくり考えたことがありますか?自分の長所や短所をすっと言えますか?自分が生きている意味はなんですか?(存在意義-レゾンデートル)目指しているものはありますか?今の自分に満足していますか?何か違うとか思いませんか?もっとこんなふうになりたい、と考えたりしますか?どんなふうになりたいですか?きっともっとほかに、本当の自分がいるんだ、なんて考えたりしますか?著者は精神科医です。現代思想(という雑誌)などにも執筆していて、テレビにもときどき顔を出します。けっこうきれいで、けっこうかっこいいです。本書は、1980年代後半から90年代にかけての世の中の動きを、多重人格、ストーカー、アダルトチルドレンなどのキーワードを通して考えていきます。後半はちょっとだらだらして読みにくいけど、自分について考えるときのヒントにはなると思います。どんな自分がいいですか?何か世の中の役に立ちたいですか?何か違う、もっとすてきな自分が見つかるはずだ、と前向きに自分探しをするのはいいです。でも、自分なりに納得のいく生き方をしたいですね。そして自分のことを好きだと言えるようになりたいですね。

  •  読んでいてずいぶん前の本だと言うことにびっくりしました(今は,2014年1月1日)。もう10年以上も前の指摘なのだけど,内容は,たいへん濃いです。
     「私探し」をする風潮は,依然根強いものがあります。そのままの自分でいい…とはなかなか思えないですからね。
     アダルトチルドレンの本来の意味なんて,本書で初めて知りました。また,「秘密の自己愛者」と「陽性の自己愛者」に絡んだ話は,なんとなくドキッとしました。

  • 自分を愛することとは?

    →誇大自己の温存は、親側の失敗によって起こる、つまり子供が要求してくる写し返しや理想イメージに応えらないため
    ここにいる自分が本当の私ではないという自己否定の感情を見つめ直す
    本当の自分はいまの自分と地続きなもの
    誇大自己に向かうエネルギーをコントロールしているうちにしっかりした等身大の自己イメージがつくられていく
    全部を変えるのではなく、うまくいかないとこだけをちょっと変える

  • 思ったよりカタい中身。
    上から目線でなく、読者と同じ立ち位置から、個々の自我の存在を肯定する。そういうスタンスが好きです。

  • 自分さがしの本質を極める。
    わたしがいかにもろいものか分かる。

  •  なぜ「じぶん」を探さねばならないのか。
     著者が自分の過去を振り返りながら、時代と自分とのかかわりを紐解いていく一冊。

  • [ 内容 ]
    「アイ・ラブ・ミー?」だれも自分がわからない……
    多重人格、癒し等、こころをめぐる現象に映るほんとうの私とは?
    臨床的・私的体験から考える。

    [ 目次 ]
    ●「ほんとうの私」はどこにある?──「私探し」の時代
    ●「もうひとりの私」を求めて──サブカルチャーとしての多重人格
    ●「かわいそうな私」の物語──ストーカーとアダルト・チルドレンを考える
    ●「癒し」の正しい選び方
    ●「アイ・ラブ・ミー?」──〈じぶん〉を愛するとはどういうことか?
    ●その後の私の「私探し」

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 自分がよく分からなくて買ってみた。

    自分探しが流行るまでの、社会の流れが分かった。
    多重人格、オタク、ストーカー、アダルトチルドレン、癒し、ニューエイジ、マインドコントロール、などなど。
    一人旅して人生観が変わるとかいうのは一時の流行だったんだと、
    今の自分とは違う自分がいると思うの現実逃避なんだと、
    流行に流されてたんだ自分とか、
    誇大自己を持ちがちなんだとか、
    素晴らしい自分を探す、私探しはストレスじゃんとか
    ここにいるのが私なんだと、今の自分を優しく受け入れようと思う。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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