謎とき日本経済50の真相: 俗説・タテマエ一刀両断 (講談社現代新書 1671)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496712

作品紹介・あらすじ

インフレ目標は無謀な賭け?デフレ退治の必要はない!?一見もっともらしい情報も、一皮めくれば間違いだらけ。これが本当の本当だ。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、表題は「謎解き日本経済50の真相」となっているが、内容は「インフレターゲット推進」の書であると思った。驚くのは、この書が2003年6月発行の書であることだ。日本銀行は、この当時から10年近く何をやっていたのだろうかと思った。2012年の現在において、日銀は事実上のインフレターゲット政策に踏み込んだように思える。2003年当時にも本書のような議論がされていたのなら、なんと日銀のフットワークの遅いことかと痛感する思いがした。
     すでに「失われた20年」と言われて久しい。日本経済のデフレもいっこうに脱却する気配がない。これは、日銀が無能なのか、財務省が無能なのか、本書を読んでも回答は判明しないが、みな有能であるとはいえないと思った。
     本書では「良いデフレと悪いデフレ」と言う議論もとりあげていることから、この時点ではこのような意見もあったことがわかる。現在では、デフレが様々な諸悪の根源になっていることへの広い合意がなされていると思う。
     本書では、デフレの2大原因として「総需要不足と総供給拡大の同時進行」と「通貨供給の不足」をあげている。原因がわかっていながら、なぜ20年近くデフレ脱却ができないのだろうという疑問を拭い去ることができない。できれば、この疑問に答えてくれる本は無いものかと本書を読んで思った

  • 小泉改革真っ只中の2003年の、日本のデフレや日本が抱える金融の問題を1問ずつ取り上げている。

    扱われている内容は少し古いが、デフレに対する日銀の金融政策や政府の財政政策の解説は今の自分にちょうどいい難易度だった。
    武藤副総裁、福井総裁の考え方、通貨供給量をあげようとしてもそれが銀行止まりで市中に流れて行かない、等はよく分かった。
    外圧による変革の必要性なんかは、今のTPPに通じるところがある議論だった。

    ただあえて50のサブタイトルに分けたり、各サブタイトルごとに3人のキャラクターの小話はいらないと思う。
    むしろ、金融政策、小泉改革、今後の日本の3章に分けて、著者の考えを連続的に論じるほうが論点がぶれず分かりやすかった。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1953年、千葉県に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒、1977年に中日新聞社入社、2018年3月、東京新聞・中日新聞論説委員を最後に退社。ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で国際公共政策修士。財政制度等審議会臨時委員、政府税制調査会委員などを歴任。規制改革推進会議委員。『日本国の正体 政治家・官僚・メディア---本当の権力者は誰か』(講談社)で第18回山本七平賞。『2020年新聞は生き残れるか』『官僚との死闘700日』(以上、講談社)、「ケント&幸洋の大放言!」(ビジネス社)など著書多数。テレビ朝日「朝まで生テレビ!」、BS朝日「激論!クロスファイア」、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」など、テレビ・ラジオ出演多数。


「2018年 『明日の日本を予測する技術 「権力者の絶対法則」を知ると未来が見える!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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