家族を中心とした人間関係 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061581012

感想・レビュー・書評

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  • まだ読んでないの? と言われそうだが…。
    このたびやっと読むことができた。しかもこの著者の代表作『タテ社会の人間関係』ではなく。

    77年に出た本。
    それなのに、発見が多かった(どれだけ自分が不勉強だったかが分かるってものだ)。

    小家族は、むしろ世界的に見ても、普遍的にみられるものであること。
    大家族制は、理念としてあっても、経済的事情などから実現することがとても難しいものであること。
    核家族化と、職業が世襲制で亡くなったことにより、父権の弱体化は必ず招来されるものであること。
    日本の家族の特徴として、核家族の外(親族も、近隣も)とのつながりが薄いこと。

    繰り返すが、77年に、これまでの研究成果を一般向けにまとめなおした本なのに、現在の無縁社会の淵源まで説明できるような分析がある。
    もっと早くに読むべきだった。

  • 家族にまつわる社会学的な諸要素を、人類学的な広い視野のもとで捉えなおした本です。

    かつて、近代以降「核家族化が進んだ」という説は、かつては家族よりも大きな集団である氏族があり、それが大家族、小家族となっていったという進化論的な見方とセットになっていました。しかし、人類学的な研究によってこうした見方が誤りだということが明らかにされました。諸民族のどの社会においても、親子から成る小家族が基本単位となっており、その他さまざまな文化的背景の下で、家族のあり方に偏差が生じるという見方が生まれました。

    本書は、こうした観点から、諸民族のさまざまな家族のあり方について検討を加えています。それぞれの文化的・経済的・社会的背景と、結婚や離婚など家族内の関係、あるいは家族と家族の外の社会との関係などが、どのように関わっているのかが明らかにされます。

    近代における家族も、一つの文化的・経済的・社会的状況への適応として捉えられることになり、その固有の問題が見落とされてしまうのではないかと思ってしまいますが、むしろ本書は、そうした近代家族についての思い込みを相対化するような効果をねらったものではないかと思います。

  • 書名通りの内容。
    書かれたのはかなり前だが、今も充分に通じると思う。
    日本の家族における関係だけでなく、他の地域などの例も書かれていておもしろい。
    社会人類学を学んだような感じ。
    著者の他の本も読みたい。

  • 高校3年生、図書館にて
    361.4ナ
    2818

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