法句経講義 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061585331

作品紹介・あらすじ

本書は、昭和九年に刊行されるや、一世を風靡し、戦雲たれこめる暗く不安な時代にあった人びとに一筋の光明をもたらした名著であり、原始仏教のもっているみずみずしい生命力を復興し、法句経の名を天下に知らしめたのである。仏教再認識の機運を盛り上げ、昭和の仏教革新運動の起点となった本書は、いまなおわれわれに、仏教の真髄が何であるかを教えてくれるとともに、人生というものは豊かな意義深いものであると認識させてくれる。

感想・レビュー・書評

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  • 阿含経の古い仏典のひとつ、法句経について宗教家である著者が全423詩から15詩を選んでラジオに乗せて講義したものを再編した本書。

    少林寺拳法の教えの大切な部分が本書から引用されていると知り、読んでみた。

    ラジオ放送自体は昭和9年(80年以上前!)に実施され、当時でも感謝激励の手紙が数百も舞い込んだとか。
    (書籍化は昭和27年)

    そんな名講義だったようだが、中身を読めば納得。
    戦前の話をされているとは思えないほど、現代にも通じるお話ばかりだった。
    講義もただ句の解説をするのでなく、それが著者の実体験や社会を見回したうえでの言葉になっているから、実学として入ってくる。

    本を通じて心を分かち合う友を見つけたり、ついて行きたくなる師を見出すことは稀にあるが、私にとってはまさしくそのような本だった。
    生涯の一冊になるかもしれない。

    法句経自体はパラりとでも読んだことはあるが、読みこみ方やそこから広がる深み、拡がりに自分が一切気づけていなかったを痛感し、己の未熟さを理解した。
    簡単な事でも容易にわかったような気持ちになってはいけない。。

    全400ページの3/4程度のページに赤線引いてあるので、気になるキーワードは割愛。

    講義名のみ示す。
    1. うらみは熄む

    2. 本味をたずさえて去る

    3. 死の領土にあり

    4. 有ること難し

    5. 愛するものに会うことなかれ

    6. 足跡を知るに由なし

    7. 萎えたる花びらは散る

    8. 眠れえぬものに夜はながし

    9. 自己を措きて、誰に寄るべぞ

    10. 太陽は昼に輝き月は夜に照る

    11. 我に子等あり、我に財あり

    12. 水鳥は池を捨て去る

    13. 心けがれて何ぞ袈裟をまとわん

    14. 三宝に帰名したてまつる

    15. 四つの真理と八つの道


    はじめに。で示された話がなんとも心揺さぶられる。
    「怨みは怨みをもっては熄まず、愛をもって熄む」

    昭和26年、サンフランシスコ平和条約締結時に
    スリランカ代表が敗戦国である日本に対する賠償請求権を放棄したときに本経からこの句を引用し、世界平和を願ったという。

  • 『法句経』も紹介しました。
    原文を訳した、詩のようなのが『法句経』。

    この本は、一つを選んで友松先生が講釈を書いておられます。
    もともとは爆発的人気だったラジオの講義だとか。。
    今はない。ないなぁ・・・。

    分かりやすい話ばかり。
    実践が難しいことも、仏陀の例を挙げて解説してくれます。

    日常生活に溶け込んだ仏教で、神通力も何も出てきません。
    日々の精進が書かれています。
    助けられてきた本。

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