言語と人間 (講談社学術文庫 858)

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061588585

作品紹介・あらすじ

親や先輩から習った言葉をただオウム返しに発語するだけで、私たちは真に「ロゴスをもった動物」といえるのか。自分で新しい言葉の組合せを考え、独自の新しい思想風景を創る、それでこそ価値ある文化の創造も可能となる。そう考える著者は、まず人間の言葉を起源に遡って考察し、「心」の形成と進化を跡づける。次に理性の構造を分析し行為に至る筋道と諸問題を考える。文明の更に前方へと歩む人間の生き方と倫理を問い直す根源的思索の書。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉と思考のズレみたいなことをついている本なのかなぁ・・・ってこれ俺むちゃくちゃ適当なこと言っているな(笑)でもひとつのセンテンスから、言語というものを考えていく感じはなんか好きだった。タイミングあったらもう一回読んでみたい!

  • 言語と人間というテーマと著者に関心を抱いていたので読んだ。後半から少し読みづらくて、全体像が維持できなくなってしまった。第2部に関しては関心のあるところを読むだけでも良さそうだった。
    1980年代の思索ということもあり、沢田先生の言語観や人間観そして科学哲学は特にその時代の思想や学問のながれを文章の奥に感じさせるものだった。

  • 「人間は言葉を持っている」。「人間は意識を持っている」。「人間には創造性がある」。

    一般的にはよく言われることではあるが、人間がこれらの点で他の生物やコンピューターとどのように異なっているのか、本質的なところにまで深く考察を行った本というものは、多くはないのではないか。

    この本では、言語学や生物学、哲学などの幅広い観点から、人間が言語を使うことで持つようになった特徴を分析している。しかも、それぞれの議論は非常に具体的かつ分かりやすい形で論じられている。

    たとえば、人間の言語が論理や物語(ストーリー)を作りだすという点で、ハチやイルカやチンパンジーが使っている言語的コミュニケーションとは異なっている。
    人間の意識は世界を総体的に捉えることで、一般的な動物の意識とは異なっている。
    人間の持っている創造性は、その創作過程が自発的に発動されるという点で、コンピューターによるプログラムが作りだすコミュニケーションとは異なっている。

    こういったことを整理していくことで、たとえば人工知能と人間とのかかわり方、自然保護や生命倫理といった、科学技術がもたらす新たな状況に対してどのように考えればよいか、確かな出発点、足がかりが得られるのではないかと感じた。

    このような本が、現在の人工知能やICTなどの技術が二とのコミュニケーションの在り方を大きく変え始めるより前の、1980年代後半に描かれていたということに、驚きを感じた。

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