詩経 (講談社学術文庫)

著者 :
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061589537

作品紹介・あらすじ

『詩経』は中国文学の母。『易経』『書経』『礼記』『春秋』と併称される「五経」の一として名高い古典。長らく儒教道徳弘布の経典として読みつがれてきたが、著者は伝来の解釈を牽強附会なものとして退ける。原典の詩句を虚心に誦するとき、そこに立ち出でるのは古代中国民衆の瑞々しい感情生活であり、真摯な祈り、痛切な訴えと諷刺である。感動溢れる古代歌謡としての『詩経』を正当に読み解いた画期的名著。

感想・レビュー・書評

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  • https://educ.titech.ac.jp/ila/news/2020_01/058558.html

    中国語は日本語に大きな影響を与えてきた言語です。四字熟語も中国最古の歌謡集「詩経」からたくさん取られています。そういうことも、学生からは「初めて知った」という感想が寄せられます。

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    切磋琢磨、一日千秋、鹿鳴、旱魃(かんばつ)

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    国風160,小雅80(うち6は歌詞がない)、大雅31, 頌40,あわせて311の詩。

    13大序より
    「されば一人の喜怒哀楽にもとづいて、一国のことを詠いあらわせるものを風という。
    天下のことを言い四方のありさまをあらわすもの、之を雅という。
    雅とは正、正とは政に通ずる。すなわち王政の荒廃する所以を述べたもの。かつ政にも大事あり小事あり、従って詩にもまた小雅
    があり大雅がある。
    頌とは祖先の盛徳功業をを称え神霊に告げるものである。この国風、大小雅、頌の4つを四始と言い、詩の至極を尽くしたものである。」

  • 四書五経の一つである詩経の解説書として著名な本。
    戦前に出された本だが、読みやすく、世評のとおり、詩経を知るために最高の本。

  • 中国の古代ポエム。
    日本の万葉集みたいなもの。
    古代人の息吹が感じられて、ロマンがあります。
    雨だの風だの、わりかし自然の機微に敏感で、そういう感情は日本独特のものかと思っていましたが、やはり古代の人にとっては自然の脅威は激しいものだからどこの国でも自然の変化に敏感なのかもしれません。
    あとは集落で土地を耕す歌や、お酒を飲む歌、求婚の歌などすごく牧歌的で、この辺も万葉集と通ずるものがあります。
    それから、編者さんの努力はものすごく、詩の原題訳が本当に素晴らしい!漢語漢語してなくて、和語のむかしことばを使っていて、すごく読みやすかったです。そうとう推敲されたのだと思います。感動です。

    P.137 周の始祖・后稷(こうしょく)の始祖は、まさに神話としてよく見られる「貴種流離譚」で、驚きました。
    「その初め姜原という女性が天帝の足跡をふんでみごもり、ここに生まれたのが后稷で、母はこの子を不詳として路に棄てたが、牛羊が父を与えて育て、林の中に棄てておくと木樵りに会って助けられ、氷の上に棄てると、鳥が来て之をかばうなど、様々の奇蹟があって遂に生育した。后稷の名を一説に棄(き)と呼ぶのも之による。所がこの子は幼い時から稼嗇のわざを好み、彼の播いた種は見事に繁殖した。やがて彼は台に家屋を営み、その収穫を以て天を祀り、周の始祖となって、永くその祭りを伝えたという、その伝説を語るのが「生民」の詩である。」

  • 読みやすい。

  • 「我が心 石にあらず」など

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著者プロフィール

1904~1994。山口県岩国市出身。九州大学名誉
教授。元早稲田大学教授。学士院会員。専門は
中国文学。その蔵書および研究ノート等の遺品
は、福岡県大野城市の「大野城心のふるさと館」
において「目加田文庫」として保存されている。
「平成」改元時、最終候補案となった「修文」
を提出したことでも知られる。

「2019年 『目加田誠「北平日記」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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