天正遣欧使節 (講談社学術文庫 1362)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061593626

作品紹介・あらすじ

秀吉の時代、十三歳の少年たちが、日本で初めて、ルネサンス華咲くヨーロッパを訪れた。ローマ教皇やスペイン国王に拝謁し、市民らの熱狂的な歓迎を受ける。八年半の旅の後、帰国した日本はキリシタン禁制の世。はたして、少年たちの行く末は?日欧交渉史の第一人者が、使節行の足跡を辿り、豊富な史料を駆使し、その歴史的真相を解明する。

感想・レビュー・書評

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  • 教科書に載っていた程度の知識しかなかったので、これは本当に面白かった!

  • 興味のある人にオススメ。天正遣欧少年使節とは誰だったのか、その目的は何かということがきちんと検証された史料を元に解説されている。

  • これの前に読んだ「巡察師ヴァリニャーノと日本」よりも、
    ヨーロッパでの旅の様子が詳しく書かれていて面白かった。
    著者が実際に訪れたヨーロッパおよび日本の紀行文が織り込まれているのも、
    少年たちの動向を身近に感じられて良かった。

    この本の児童向け版「天正の少年使節」が課題図書となり、
    十万に届かない数の感想文が書かれたとのくだりには驚いた。
    恐るべし、課題図書。

    その感想文のほとんどが、
    帰国後棄教した千々石ミゲルについて書かれていたらしいが、
    彼は何か旅の中で見てしまったのだろうな。
    カソリックかヨーロッパの真実を。

    知性的で冷静なヴァリニャーノが少年使節たちを心配する様子に心打たれた、
    と記した著者自身の心の温かさが全体的ににじみでている作品だと思う。

  • 天正遣欧使節をざっと知るにはこの本。
    使節の旅立ちから、帰国後のことまで、松田先生の紀行の記録も交えて書かれています。
    少し難しい言葉が多いかもしれませんが、まさに教科書とも言える一冊です。
    私も最初はこれを読みました。

  • 天正遣欧使節に関する研究書。
    遣欧使節の旅先を追う、著者の精力的な研究姿勢に圧倒される。

    研究の成果を一般読者に自身の旅行記を絡めてわかりやすく紹介してくれていて、物語のように読みやすい。

    あの時代に、欧州各所で熱狂的な歓迎を受けながらローマまでたどり着き、教皇に拝謁し、しかも無事帰国しているという非常にセンセーショナルな出来事だが、意外とその旅程や足跡が知られていない天正遣欧使節。

    発案者ヴァリニャーノの思惑、イエズス会の内紛、帰国した4少年のその後など
    非常に知的好奇心をくすぐられる一冊。

    フェリペ2世との会談やローマ教皇との公式謁見などのシーンは胸熱。

    でも研究書であるためどうしても途中ダレてしまうことと、テーマはニッチだと思うので★3つ。

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著者プロフィール

一九二一年(大正十年)、高松市生まれ。上智大学文学部史学科卒業。元京都外国語大学名誉教授。『完訳フロイス日本史』全十二巻(共編訳)にて第二十九回菊池寛賞と毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書『南蛮史料の研究』『在南欧日本関係文書探訪録』『南蛮史料の発見』『黄金のゴア盛衰記』など。九七年(平成九年)没。

「2020年 『回想の織田信長 フロイス「日本史」より』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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