- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061818217
感想・レビュー・書評
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一尺屋シリーズのこれまでの作風とは変わって、いわゆるミステリらしいミステリ、遊び心にあふれた作品になっている。まあ一尺屋の推理は推理というより物語に近い気がするが、楽しいからいいや。
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八追純平の代わりに一尺屋が待つ湯布院へ赴く八木司朗。一尺屋に依頼されたのは、
帽子の盗難、ワープロ内の小説原稿の消去、グラスの破壊、絵画の切り裂きという最近狭霧荘で起こっている妙な事件の解明だった。狭霧荘のキッチンから木綿(ゆう)によって発見されたナイフ。それはまさしく絵画を切り裂かれたナイフだった。奇妙な事件と奇妙な下宿人達。やがてそこの下宿人である画家の奈良岡が金鱗湖で死体となって発見された。
油断すると、こういう展開モノにぶち当たる。従って思いっきり作者にハメられました(笑)
久しくこういうオチを読んで(当たら)なかったからなぁ。ちぇっ。
ある視点から捉えた奇抜なシーンから始まる。摩訶不思議といった感じに見せる。というような始まり方がこの作家には多い(特徴)かな。よって今回もそういう感じで始まる。
話の展開というか解明は大風呂敷的な感じにも取れる気な。それも狙いの一貫なんだろうが、ちょっと浮いた感じに見えてしまう。そこまで広げますか!?わかんねぇーよ!てな感じ(笑)
でもいいや。一尺屋だから。しかし、今回もしっかり食ってますねぇ。そんなことだから、八木に「相手が容疑者であろうとも、据膳をしっかり食ってしまう男」などとひそかに思われるんですよ。
どうでもいいが、半年後になってやっと純平の見合いがどうなったか聞くなよ。仮にも親友だろーが。いいのかそんなんで……でも一尺屋だもんな……アリか。
あー。でもこれで、一尺屋シリーズは読破したんだよなぁ。寂しい……。