死都日本 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 68
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061825611

作品紹介・あらすじ

20XX年、天孫降臨伝説で有名な宮崎県の霧島火山に噴火兆候が現れる。普通の火山活動と思われたそれは、やがて驚くべき霧島の正体をあばきはじめた。高まる緊張。募る不安。そして迎えたXデー…。多くの人々の災害観を圧倒的な筆力と、怒涛の論理展開で覆し、火山学者に激賛された第一級のクライシスノベル誕生!第26回メフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞、日本地質学会表彰受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 災害ものだと大体の政治家はボンクラの集まりだったりするが、今回の首相はかなり頑張ってる。こんな人が現実に居てくれたらいいのに。

    早い段階で噴火するので物語はスピーディーに進んでいく。途中の説明や伝説の話は退屈だが、噴火から逃げ惑う辺りは面白い。

    個人的な好みとしては、避難する人達の話や救助にきた自衛隊の話など、ハラハラ・ドキドキするような展開をもっと入れて欲しかったな。

  • ダイナミックなスケールで圧倒される、噴火発生前から後にかけての物語。舞台は鹿児島だけに留まらず、東日本、全世界へと発展していく。様々な視点から描かれた噴火影響に、神話の解釈もプラスされて、納得というか理解というか、ストーリーはスムーズに読める。

  • なかなか緊迫感があってよかった。地震や火山の説明が少し退屈であった

  • 火山噴火が起きた場合の混乱を描いたクライシスノベル。地学的に実際起こりうることらしいというのが恐ろしい。
    特に舞台となった宮崎など、火山周辺で生活している人や地学の知識がある人は興味深く読めそう。
    ただ超のつくほど文系な自分…。物語としては文の稚拙さやコレはないわーな設定、話し言葉が気になって入り込めず、読んでて辛かった。個人的には物語の形を取らず、筆者の想定をまとめた災害シミュレーション本として読みたかった。

    終盤何もかも失った後の日本の復興プランを描くシーンでやっと共感できた。このあたりが筆者が一番言いたかったことではないかなと思う。

  • 火山の大噴火を、巨大地震と大津波に置き換えれば、そのまま3.11の悲劇に繋がりそうなリアリティが迫ってくる。ただし、完全なる人災である原子力発電所から放射能がダダ漏れ、という描写はさすがに小説にはありません。

    和製災害パニックものとしては「日本沈没」が筆頭と思いますが、こちらもちゃんとエンタメしていながらも、科学検証など緻密な描写でグイグイ惹きつけてくる、一気読み出来る作品。
    科学シミュレーション、パニック、災害 というキーワードに興味を引かれたら、読む価値ありです♪
    賞も取ってるのに意外と知名度低いのはなぜだろう?

  • 日本で巨大噴火が起こったら…というif小説
    主人公が噴火現場から生還し大混乱の現場で再開する等
    出来すぎだっ!と思うところも多々ありましたが
    噴火の恐ろしさやどういったことが起こるのか
    またその際どのような行動や蓄えが有れば良いか等
    参考になる部分も多々有りました。

  • ブログにも書きました:
    http://zuruzuru-ikiru.blogspot.com/2011/11/blog-post.html

    クライシス部分はやや冗長。阿鼻叫喚の地獄絵図をもっと克明に筆圧込めて書けば楽しかったはず。
    ポリティカルフィクションの部分は途中までは良くできているけど、むりやり総理大臣の演説で良い方向に丸め込むラストはいかがなモノか。

    とはいえ、東日本大震災以降の日本をバックグラウンドにして読むと、民主党政権の成立、原発の大量建設の危険性、土建屋国家の危うさなどをきちんと指摘しているところが身にしみる。

  • 私たちはこんなにも恐ろしい国に住んでいるのか、と感じる一冊。
    数万年前に起きた、今の日本の地形を作った火山の破局的大噴火。
    そんな大規模な噴火が現代の日本に起これば、日本はどうなるのか。世界は、人間は、、、、

    その発生メカニズムや被害、混乱、影響・・・
    実際に起こるのではないか、また起こったことがあるのだろうかと感じるほど生き生きと、リアルに、精密に描かれている。

    地学に関する知識がなくてもわかりやすく解説されており、ぐいぐいと引き込まれ、読み進めていってしまう。
    並大抵のホラーよりよっぽど怖い!

  • 宮崎などを舞台とした作品です。

  • 怖いのは東海地震だけじゃなかったのね〜。エンタテーメントしてるし説得力ある内容でございます。

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著者プロフィール

1954年、広島県生まれ。医師、小説家。阪神淡路大震災に遭遇したことを契機に執筆を開始。地変国日本のあり方を問うた処女作『死都日本』(第26回メフィスト賞受賞作)でデビューし、その科学的根拠に基づいた緻密な構成力と、圧倒的なスケール感で、読者に異例の反響を呼ぶ。他の著書に、『昼は雲の柱』『樹の上の忠臣蔵』(ともに講談社)がある。

「2010年 『震災列島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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