黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826298

感想・レビュー・書評

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  • 主人公がバカに見えるお話は出来が悪い、物語の構造上に不備があるというのが持論だ。愚かならまだしも、主人公がマヌケやトンマに見えるのは、筋の運びに無理があって、作者がその無理を主人公に押し付けた場合にありがちだからだ。その観点からすると、このお話は決して出来がいいとは言えないことになる。如何にワトソン役の宿命とは言え、神代氏の阿呆ぶりは念が入りすぎだ。所謂「脳内お花畑」という形容がぴったりの、ふわふわした愚行の連発はほとんど幼児並で、後に大学で教鞭を執ろうという三十男のすることとはとても思えない。思えば、京介氏の周囲はこんなのばっかりで、「心配してる」を口実に、当の相手の脚を引っ張りかねない行為を繰り返す。「甘ったれるんっじゃない! そんなのは愛情でも、思いやりでもない。単なるおまえの我が儘だ!」なんて雷でも落としたくなる。けれども問題は、この雷撃が明らかに男性原理に基づいていると言うことだ。元より、著者には「少女マンガ」という非難がついて回った。このことは、著者自身が語るところだ。一見、華やかな見てくれのところを指しているとおぼしい、この難癖だが、案外と深いところ、反男性原理的なところを指しているのかも知れない。そう思えば、この「脳内お花畑」たちもあながち否定は出来ないか。
    ミステリとしては、(もはや誰も期待してないにも関わらず)案外とちゃんとしている。謎の提示と、ごく真っ当なロジックがあって、それなりに意外な犯人が現れる。けれども、この意外なはずの犯人が、意外でも何でもなくなってるのが、もうなんだか。

  • 建築探偵シリーズを全て読んでいないのに、いきなり最終巻ブービーを読むというのは無謀としか思えない仕儀だったと後悔(ーー )だけれど、最終巻に向かっての「作者の覚悟」というものが良く分かった一冊だということは間違いない。栗本薫さんが亡くなって未完に終わった「グイン」。建築探偵シリーズも「ずっと続けて」という声が多くあるようだけれど、作者は「クライマックスからラストにかけてを力いっぱい描き、そして完結した作品の世界観を読者の心に残したい(田野倉要約)」と言っているので、最終巻が出てからこのシリーズは手に取ろうと思っている。

  • 散々気をひきながら全然でてこないグレゴリ父ちゃん。最後にちらっと出た~~~。いよいよ大詰め、これからラスト一巻に突入したします。

  • ■封印されていた過去、神代と桜井京介の出会い――

    1980年秋、突然の養父の死。神代宗は傷付いた心を埋めるため訪れた北の町で、謂れなき殺人の罪をきせられてしまう。疑惑が晴れぬまま土地を支配する久遠家の「館」に軟禁され、血塗られた過去を目撃することに。謎の美少年・アレクセイが悲劇の真相を語り始めたとき、銃声が轟く!ついに物語はクライマックスへ加速する!!

  • 桜井京介のなぞ、ますます深まって。
    このシリーズもいよいよ佳境です。
    いい男って、何をどうしても許します。ほかのキャラもみんな好き。

  • 面白かった…!
    あと1冊でシリーズ完結。
    早く読みたいが、寂しくもあり複雑。

    京介も蒼ちゃんと同じだったんだね。

  • シリーズ第14弾にして最終話前編。
    若かりし頃の神代さんと、京介の出会いの物語。
    このシリーズ、桜井京介の事件簿とは言え、京介だけでなく、蒼の物語であり、神代さんの物語でもあるんだなと今更ながら思った。

    カバーデザイン / 岩郷 重力
    カバー写真 / 半沢 清次
    ブックデザイン / 熊谷博人・釜津 典之

  • えー!!こんなところで終わるなんて・・・
    桜井京介の謎があきらかになると思って、一生懸命読んだのに・・・

    正直、話は若干くどめ、何よりうそつきだらけで、読んでて疲れてきました。
    これ、次の最終巻でちゃんと完結つかなかったら、これまで読んできた建築探偵シリーズ全部嫌いになりそうです。

  • なんだか… ファンタジーめいてきて読み終わるのがしんどかった。
    最終巻に向けての前章というか、無理矢理説明をつけた感じかな。。。

  • 壮大な物語だったんですね~
    この作品は読むべし!

    すっかりお気に入りの作家になりました

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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