三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826687

感想・レビュー・書評

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  • 最初からバカミスと知って読みましたが…なによりも変態的、偏執的なこだわりに圧倒されましたわ。それをふまえて星四つ。いやー、これ書くの大変だっただろうなぁ。いちいち伏線を解説してくのも、はいはいσ(^_^;)って気分で読んでましたが。

  • 三崎黒鳥館白鳥館―― 
    黒と白の二つの館には大きな隔たりが見えていた。 黒く蠢く犯人は如何に殺人を、瞬間移動を行ったのか・・・。

    「五色沼」と並んで倉阪ミステリ最高傑作。
    倉阪氏に許された唯一無二、特権的な作品。

  • マジでやられたミステリ リスト作品

    倉阪鬼一郎のノベルス版ミステリ小説は入手困難なイメージ
    というわけで著者初読み

    〜ざっくりあらすじ〜
    隣接する2つの館で行われる不可能犯罪復讐劇

    〜感想〜
    特徴的な文章に違和感があったが、なにぶん初めて読む作家なので作風なのかと

    やたらと「この表現は〇〇トリックではない」の注釈が入る。フェア精神に徹底していると捉えておこう

    やらミスと分かっているので警戒しながら読み進めるが、ストーリーに没入

    80pあたりで、不意に1つの伏線に気づいてしまう
    泡坂妻夫?いちばん透き通った?
    だがその時点で本ネタとの関係は分からず、逆に中途半端に見つけたことで半分見逃してしまっていた事を解決編で知る

    これは気持ちよくやられた
    やっぱり文体の違和感も伏線かよ

    いい意味でタイトルの第一印象との乖離、物語の構成、出しすぎない自虐的メタ要素、フェアな手法で特盛りの伏線とトリックおまけ付き、サービス良すぎの優良店に言うことなし

    バカミスと評されているようだが(著者も言っている)絶対に読む価値のあるバカミス

    点数 5点

  • 初めてのバカミス。
    「バカミス」というジャンルがあることも最近知りました。
    紙の本ならではの楽しみ方ができる本でした。
    白鳥 黒鳥 死ね
    と全ページにレイアウトしてるバカバカしさ(笑)
    確かに無理やりな感じの連続する文章がひたすら続き、読むほうも大変だったけど、書く方もどれだけ大変だったかと想像に難くない。
    館のふりした銭湯の男湯と女湯というオチも、なんとも脱力系。ウェルカムドリンクは牛乳かよ(笑)
    しかも、素晴らしい独特の遠近法技術が用いられた絵に紛れて犯人が身を隠していたって。いくらなんでも…。
    なんとも言えない読後感‥‥苦笑いするしかない。

    子育てと仕事と忙しいさなか、貴重な時間と体力をとんでもないものに注いでしまいました(笑)

  • なんというか…技巧派の推理小説、とでもいうのか。よく書きましたね。こんなの。どうりで読みにくい文章だと思いました。面白い試みではあるけど、話が面白いかはまた別の話だな。

  • バカミス。作者が著作リストで☆はバカミスと指定しているから、そうなのだろう。黒鳥館と白鳥館で交互に行われる密室殺人。手の込んだバカミスであることは間違いない。真相が三段構えなのだから。

  • バカミス上等!これはすごい。黒鳥館と白鳥館の秘密だけでも面白すぎるのに、二重三重に仕掛けが。この話にこんな労力をかけるなんて、無駄とも思えるほどで、そこがまた良い。久しぶりにこんな驚かされ方をした。労力という点では、泡坂妻夫のあの傑作や筒井康隆のあの傑作にも通じるものがあるかも。ダイイングメッセージの「ロリン」と、「ウエルカムドリンク」の正体に爆笑。

  • 次々と客人を招く黒鳥館と白鳥館は並び建つ双子の館。
    そこは復讐のために建てられた館。
    この物語は殺人鬼 鳥海翔の戦闘の記録である。
    抽象的で曖昧な表現を多用した文章の迷彩。
    謎が解けたとき、自分の立っている場所に気づき目眩に頭を抱える。

  • バカミスと知らずに読みました。始めからフェアに話を進めている、読みやすいな、と思っていましたが、何か違和感。ネタばらしもガクッと脱力しました。しかし、本の仕掛けは驚きです。何たる執念!しかも二の丸、本丸だってー?ミステリーの謎解きとはまた違った快感を感じました(笑)「幸せの書」の後であれすごい!

  •  この人のバカミスは2作目。こっちの方がぶっ飛んでいて、しかもからくりだらけで楽しめるというか呆れてしまう。遠く海越しに富士山を望む三崎に建つ黒鳥館・白鳥館という一対の洋館。その孤絶したロケーションへ一人ずつ招待される大学美術サークルの面々たちが、奥の部屋でくつろいでいるところを次々に殺害される。状況設定はともかくストーリー自体には奥行きも深みもなく、稚拙ともいえる筆致でどんどん話が進行する。いくらバカミスでも中身が薄すぎでは、薄らバカミスかと読んでいくと、半分過ぎでもう謎解きにはいってしまう。いやしかし、この謎解きが圧巻だった。黒鳥館・白鳥館の脱力の正体は、ぼくは気づかなかったけど、こんなのに唯々諾々と大学生がだまされるかね。それはともかくその後がすごい。伏線とよんでいいのかどうかだが、読者に向けた作者渾身のメッセージ。そのすさまじいからくりには仰天した。それは文体も表現も稚拙にもなるだろうさ。よくもやった、えらい。バカミス努力賞敢闘賞間違いなし。

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著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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