獣の樹 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 458
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827271

感想・レビュー・書評

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  • 久々に「成雄」の話で心がときめきます。今回の成雄は、最初っから奇妙なカタチで登場。最後まで面白かったです。牛山好き過ぎる!

  • あいかわらずの疾走感が心地よい。終わり方は賛否両論あると思うけど、私は余韻のある良い終わり方なんじゃないかと思う。

    • tomimimiさん
      いいよね~。終わり方は確かにねぇ。私も良いと思うよ。この続きがあったら凄いだろうなぁとも思う。
      いいよね~。終わり方は確かにねぇ。私も良いと思うよ。この続きがあったら凄いだろうなぁとも思う。
      2010/07/31
  • 5。

    久々の舞城の長編小説。
    長い長い。そして終わりもちょっと中途半端。
    それでも大満足な出来でした。
    自己同一性とは何かと煩悶し、自分を見つけ出すことの意味を考え、そして畳み掛けるような、急き立てるような会話と行動のが繰り返される。
    今作ではいつも以上に超飛躍した世界設定がなされていますが、それでも軸にあるものはまるでぶれることはありませんでした。
    疾走感あふれる文体にのり、拡散と収斂、構築と破壊を繰り返し、物語は終末までトップスピードで走り抜けます。
    いやはやおもしろかったなあ。

  • 最近の舞城王太郎のなかではいちばん好きかも。
    キャラのよさとと勢いがあっていいかんじ。

  • "僕"が、「"僕"って何者なんだ」と、"僕"を探していく話。
    成雄シリーズらしく、成雄が走りまくるシーンが爽快。特に「ジンロウクン」。
    理解できていない部分が多いから、時間を見つけてもっかい読みたい。

    MVP:楠くん

  • 背中に鬣を生やした、疾風怒濤に音速で駆け抜ける脚力を持った成雄を主人公とした3作目ですが、今までと同様、成雄の特徴と氏名だけを継承した、まったく異なる物語。

    自己同一性について悶々と自己問答を繰り返すのは、舞上作品の特徴なので相変わらずですが、現実から乖離してファンタジー世界に入り込んだときの突き抜け振りも相変わらずで圧巻だ。

    それにしても、今までよりも改行や句読点が多いためか、やけに読み易い文章でした。あの次から次へと休む間も無く畳み掛けてくる文字の坩堝に翻弄される文体では書かないのかな。

  • やっぱり舞城はすごいなあw。主人公は馬から生まれるし、ヒロインは蛇の口に入って移動するしで相変わらずの舞城節。主人公のアイデンティティ探求の物語は中盤から怒涛の展開へ。そのカオスっぷりと文圧にただただ圧倒されました。

    • うろぐぐさん
      おーこれまた知らなかった!情報ありがとう。
      舞城ノベルスは毎度装丁もいいし、ノベルス苦手でも躊躇なく手が出せる。よって手を出します。
      おーこれまた知らなかった!情報ありがとう。
      舞城ノベルスは毎度装丁もいいし、ノベルス苦手でも躊躇なく手が出せる。よって手を出します。
      2010/07/14
  • 鬣、ナルオと聞けば舞城ファンなら「おぉっ」となります、新しいナルオ。
    疾走する青春小説。文章に乗ってスピードの上がる感じがたまらない。
    願わくばもっと書いてほしい。

  • 舞城さんらしい悪趣味なファンタジー。成雄つながりの獅見朋成雄とは、無垢な主人公を通して常識とかへの疑問を浮き上がらせる辺りが通じてるのかな。設定とかキャラクターの共通点は忘れてて分からない。後半はむしろSPEEDBOYだった。

    読んでるうちに堂々と異常な設定が入り込んでくるのはいつものことなんだけど、最後の辺りはちょっと乗り切れなかった。なんかアメリカ軍が、とか天皇が、とか出されると下品なC級モノに感じちゃう。まあ単なる荒唐無稽設定の一部だから、気しなければどうでもいいかもしれない。
    ともあれ、舞城さんの好きなとこは健在でよかった。文章がスムーズに入ってきて感覚の壁が溶かされていく感じと、思考の飛躍と疾走感。この夏の連続刊行に期待する。

  • 集中していい仕事をしているときのような気持ちよさ。
    久方ぶりに身の丈にあった小説を読んだ感じで楽しめた。
    舞城王太郎の著作を楽しめなかったことは一度もないけれど。

    極めて私的な感想だけど、すごく安心できた。
    “本を読む”ことによるバカらしさみたいなものがこみあげてきて、2ヶ月くらいまともに小説が読めなかったことで不安になっていた。小説にうんざりしていたというよりも、本を読み解くことに飽いてしまっていた。この文章は私にとって汲むべき事柄なんだろうか、なんてことを思ってしまって。でもこれですっきりした。また本が読めるかもしれん。

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著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』など著書多数。2012年『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳、短編映画『BREAK』や短編アニメ『龍の歯医者』『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などを手掛けている。

「2015年 『深夜百太郎 入口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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