聖地巡礼 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827660

感想・レビュー・書評

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  • 今日の午後に届いた真梨幸子作品。判型は新書。
    女史お得意の連携型連作短篇集で、それなりのボリュームがあるのだけど、
    読み始めたら全く止められず、数時間で読了。読んじゃうんだよなぁ、この作家。

    ここでいう聖地は、海外も含めたパワースポットを指す。
    本来、人にパワーを与える筈の場所で起こる何らかの不幸・災難。
    実にとんでもない設定ではあるのだけど、それが逆に圧倒的なリアリティを
    醸し出しちゃうところが凄い。

    ・・・しかし、この作品も本当に後味が悪い(^^;)。
    やはり真梨幸子の作品で知った「イヤミス」という新語は、この人にこそ
    相応しいんじゃないかと本気で思う。
    ただ、このイヤ~な感覚が、かなり病みつきになって来ちゃってる(^^;)。

    気が付けば著作完全読破ももうすぐ。ハマるなぁ、これは。

  • 最初の方は良かったんだけれど、最後の2編はなあ。特に、ラストの一編はいらないんじゃないの?

  • 真梨さんにしては胸糞度低めで読みやすかった。

  • パワースポットをキーワードにした連作短編集。
    各話微妙に人物がリンクしているのですが、最後の話だけ突然作風がSFになって少し戸惑った。読み終わった後に前の話に登場した人物が書いた小説という設定の作中作だったのだと気づいたのですが、テーマからも外れてるし、流れぶった切りで浮いてる気がしました。話自体は面白かったけど、別にこの本に収録しなくてもよかったのでは…と思いました。
    全体的に毒素は薄め。しかし「カンタベリー・テイルズ」の後味の悪さはさすが。偽警官やTV放送後の「ご冥福をお祈りします」などの有名な都市伝説が織り込まれているのも面白かった。

  • 5話の短編からなる物語。それぞれが少しずつ繋がっています。微かなつながりですが、さっき読んだのになんだっけと前の話が思い出せないのは、年のせいか。いろんな伏線が張られ、ミスリードさせて混乱させる。
    カンタベリーテイルズという編もあるように、カンタベリー物語のような仕立てになっている。

  • 5話が収録された短編集。
    各話は完全に独立した話でなく、ある話にちらっと出てきた人物が他の話に出てきたり、意味ありげに似たような事件が出て来たりしていて、見えにくい程度のつながりがある、という風になっています。
    そして全ての話に出てくるキーワードが「パワースポット」。
    ただ、それもそこに行って何かある、という話ばかりでなく、ちらっとその名称が出る程度の話もあります。

    あまり頭に入ってこない話でした。
    読んでいる内にポロポロ内容が抜け落ちていく感じ。
    それなのに、何となく以前見たような名前が出てきたり、他の話で見たのと関係あるような話があったりするので、何度も何度も遡って読み返してしまう。
    それでも忘れてしまう、そんな本でした。

    その中でまあ、印象に残ったというのは最初の話。
    ただ、最初の話だから印象に残った、というのもあるかも知れないけど・・・。
    他の話よりキッチリ書いてあるという印象を受けました。

    「グリーンスリーブス」
    女子高時代、美少女だった同級生の少女は残酷なくらい醜く老けていた。
    彼女は20歳年下の内縁の夫を殺害しようとして逮捕される。
    そんな女性に興味をもった主人公の女性は彼女の公判に出席し、美少女時代の彼女の事を回想する。

    ざっと書くとこんな感じの話ですが、ラストは意外性のあるものだったものの、それがまるでとってつけたような印象を受けました。
    個人的にはこれは間違いなく、記憶から抜け落ちる本になると思います。

  • パワースポットを題材にした連作短編集。そしてイヤミス系です(笑)
    タイトルで惹かれなかったのであまり期待してなかった分かもしれないけど面白かった!!!ちょっとこんがらかるけどそれがまた真梨さんらしくてよかった(笑)また読み返したい作品♪

  • (収録作品)グリーンスリーブス/カンタベリー・テイルズ/ドッペルゲンガー/ジョン・ドゥ/シップ・オブ・セテウス

  • 短編それぞれ独立したストーリーになっているが、登場人物がリンクしていて、うすら恐ろしい話がとっても読みやすい文章で語られている。
    パワースポットがパワーをもらえる場所なのか、パワーを奪われる場所なのか。

  • 短編集でも、少しずつ登場人物がつながっているのがいい。パワースポットは必ずしもいいパワーをくれるのではないのかもね。「カンタベリー・テイルズ」が一番後味が悪くて良かった。それにしてもイヤーな感じの女性を書くのが本当にうまい。

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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