豆腐屋の四季 (講談社文庫 ま 10-2)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061830585

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  • 病気がちな自分を支えてくれた亡き母。子どもたちが離散するなかで老いていく父。そして、小さないのちの誕生を待ちわびて、千羽鶴を折る若き妻…。
    あらためて人生とは、子を産み育て、そして死んでゆくことの繰り返しにほかならないということを、気づかせてくれる。若き日の松下竜一はそれを「人の世の愛しさ(かなしさ)」と日記に綴った。

  • 昭和40年代のとある生活を綴った、心洗われるような真っ直ぐな歌。タイトルぴたりそのまま。

  • 1965年刊の随筆。緒方拳主演でドラマ化もされたベストセラー。
    作者は豆腐屋を父から継いで、生来虚弱な身体に鞭打ちながら働きつつ、作歌を重ねて朝日新聞に投稿する。その四季を綴る、それだけのお話。

    豆腐屋としてと言うよりは、一労働者、一表現者としての思索・発言が目に付きます。「労働」を愛し、「人」を愛そう、「モノ」を愛そうと一生懸命詠む歌の数々。僕には良し悪しはわからねど、心に響くというか、身につまされます。奥さんを題材に詠む歌のなんと美しいこと。作者が愛するものが、人が、なんと美しく優しく感じられること。

    とりあげられる歌には、朝日歌壇の選者による評もついているのでわかりやすいです。だから内容が濃い。とにかく濃い。

    作者のエゴや、他を省みない頑固さに幻滅する場面もあります。そりゃそうです、読む人を喜ばせよう、楽しませようとして書いたものでは無いので。そういうのをひっくるめて綴られた青春の記録。

    僕は涙無しには読めませんでした。

  • 未読

  • amazonリストマニア <a href="http://www.amazon.co.jp/gp/richpub/listmania/fullview/3K7C7LCDIYPG3/250-1975420-5893857?%5Fencoding=UTF8 " target="_blank">"読むたび泣く本"</a>by下山
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著者プロフィール

歌文集『豆腐屋の四季』でデビュー。豆腐屋を14年間続けた後、1970年、"模範青年"を脱皮して、作家宣言。生活(いのちき)の中の小さな詩を書き綴ったエッセイと、重厚な記録文学を書き続ける。「暗闇の思想」を提唱して豊前火力反対運動・環境権裁判を闘い、『草の根通信』を31年間発行、反戦・反核・反原発の闘いに邁進する。その闘いの原点は『豆腐屋の四季』にある。弱い人間の闘い方とは、局面負けたとしても、自分を信じ、仲間を信じ、未来を信じることである。3.11福島原発事故以後、若い世代にも「暗闇の思想」が読み直されている。「だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬ」

「2012年 『暗闇に耐える思想 松下竜一講演録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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