ムーミンパパの思い出 (ムーミン童話全集 3)

  • 講談社
3.78
  • (41)
  • (31)
  • (57)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 338
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061882232

作品紹介・あらすじ

パパが思い出の記を書きました。捨て子だった子ども時代。マッシュかぼちゃ1かんと、大きな希望を道づれに家出した夜。すばらしいなかまとの出会い、そして若き日のママの登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ムーミンママ(と彼女の黒いハンドバック)は板切れにつかまって海に漂ってたのか…

    ヨクサルによると「わるいくらし」とは、人のうちの野菜畑を踏み荒らしたりビールを飲んだりすることじゃないか、とのこと、気をつけたい。

  • 風邪を引いてしまったムーミンパパは、若かった頃の思い出の記の執筆を開始する。スニフやスナフキンのパパも登場する。
    執筆を進めながら子どもたちに読み聞かせるパパ。普段はすかした感じなのに、自分のパパのことをもっと聞きたいとせがむスナフキンはかわいい。そしてスナフキンのパパのヨクサルのだらっとしたところ、すごく好き。
    ムーミンパパのように天真爛漫に自由に生きられたらいいのに。

  • いやー、面白かった。
    パパ世代の若い頃の話。
    身勝手でもいい加減でも、それを断罪するでも美化するでもなく、ポーンと書けるのはすごいことだと思う。
    ムーミンパパが自分について、
    「どんなことをしてでも、まわりのものたちにつよい印象をあたえたいというのが、わたしの性分なんです。尊敬でもいいし、同情でもいいし、恐怖でもいい。とにかく、人にわたしというものを印象づけることです。」
    と書いていたのが衝撃で、それ以上に納得した。
    なるほどね!
    ムーミンパパのあの性格は、そういう組み立てなのね!
    フレドリクソンとの関係は胸に沁みるなぁ…。

  • やっとミイが出てきた。ヨクサル達はパパの創作だと思っていたからエンディングに驚いた。

  • 原作ムーミンの性格が、パパゆずりなのを感じる作品である。

    ママに勧められ、パパは自分の半生の記を書くことになるのだが、パパの子ども時代は、ムーミンの冒険よりもっと刺激的である。

    捨て子ホームに新聞紙に包まれ捨てられてたパパ。

    パパがちょっと見栄っ張りなのは、実はコンプレックスがかなり強いのかもしれない。

    あと一部の友達に対して憧れが強くて、友達より偉業をなしとげたい気持ちも、人々をあっと言わせたいのも、そんな事実が増殖させてる気がする。

    子ども故の気持ち、漠然としてはいるけど立派なムーミントロールになりたいという気持ちがよく出てくる。

    捨て子ホームに捨てられ、そこから逃げ出したパパは、このシリーズに欠かせないスニフやスナフキン、ミムラ達の父母や兄弟に出会い、色々な試練を経て、青年になる。
    その過程と、ムーミンママと出会うまでがあります。

    どうもパパの良いようにかかれている節はある。
    でもそれも味の一つだ。

    パパが記を書くのに、行き詰まったり、挫けそうになったとき、必ずママがパをやる気にさせます。

    ママはムーミン家で一番冷静で寛容で優しいように感じます。彼女はムーミンシリーズの良心だと思います。

    一時はパパのようになりたいと思ってましたが、私はやっぱりムーミンママやスナフキンのようになりたい。

    自由で呑気で、でもやるときはやる。

    ムーミンパパの話なのに、ママの魅力に魅せられた話でした。

  • 4-04-06-188223-6
    C8397¥1600E(1)

    ムーミン童話全集 ③
    ムーミンパパの思い出

    1990年8月24日 第1刷発行
    2013年1月11日 第26刷発行

    著者:トーベ・ヤンソン
    訳者:小野寺百合子(おのでら ゆりこ)
    発行所:株式会社 講談社
    ---------------------------------------
    パパが思い出の記を書きました。
    捨て子だった子ども時代
    マッシュカボチャ1かんと、大きな希望を道連れに家出した夜。すばらしいなかまとの出会い、そして若き日のママの登場。
    ----------------------
    とりあえず、ムーミンシリーズも読んでいるので、手にしてみましたが、今のところあまり気のりしていません…。
    ----------------------
    ムーミンパパ
    フレドリクソン: すごい発明家、海のオーケストラ号を作りパパと冒険の旅に出る
    ロッドユール: コーヒー缶の中に住んでいて色々ながらくたを集めるのが趣味。スニフの父親。
    ヨクサル: スナフキンの父親 船に住み着く
    ヘムレンさん: ムーミン捨て子ホームの経営者。
    ムーミンママ:嵐の夜、海でパパに助けられる
    ニブリング:だいたいがおとなしいが、なんでもかじってしまう。足に吸盤があり船べりを上ることができる。目は青く集団でヘムレンさんを連れさる。
    竜のエドワード:海のオーケストラ号の進水に一役買う。濃いコーヒーが好き。
    モラン:怪物、ヘムレンさんが襲われていた。
    ミムラ一家:ミムラのお母さん、どこもかしこも丸く19人の子どもの世話をしている
    王さま:100歳の誕生祝いでびっくりパーティーを催す
    ミムラのおじさん:石垣づくりが趣味、赤ひげにくるまって眠る
    おばけ:夜に音を立てて王国民を眠らせない。話し合いの末ムーミンパパの家に同居する 編み物をする
    ミイ:ミムラの末娘(20番目?)
    ニョロニョロ:沖を通り過ぎる。
    ソースユール:ロッドユールの結婚相手。(二人の結婚式にはニブリングが7千匹も招待された。ボタンのコレクター、巻貝やガラス真珠も集める。



    『ヨクサルはミムラの娘のことが好きだったようで、二人はいつも一緒にかけまわり、声をあわせて笑ったりしていた。』スナフキンが父親のヨクサルについてパパに聞いた時の応え。スナフキンはサメの歯をムーミンパパから譲り受ける。父親のヨクサルが気に入っていたんだと聞く。

    フレドリクソンの船の除幕式の時にはバラと共に日本真珠の雨が降り注いだ。(1924年パリ真珠裁判で日本の養殖真珠の価値が認められている)

    ラストが怒涛の展開(たくさんの出来事が急激に展開されました)になりました。
    ムーミン屋敷に居ついている同居人たちが、どのようにして、出会ったのかがわかりました。

    お国柄なのか、人柄なのか、時代(著者は戦争経験している)なのか、家族以外の人たちと一緒に暮らすことが当たり前に描かれている。ムーミンの登場人物の不思議な関係性が(まぁ、色々あったのね)という理解につながった。

    空を飛び、海に潜る船は他の物語での登場はあったのだろうか?(多分私が知らないだけだろうけど)RPGでは当たり前に有るものがここにも出ていると嬉しくなった。読み始めは、ズルズル読んだけど、途中からそれなりに読めた感じでした。
    解説はフィンランド文学研究家の方が書かれていました。他にフィンランドのお話は読んだことがあったかな?ニルスのふしぎな旅はスウェーデンの作家さんでやはり旅というか冒険のお話ですね。

  • 2019.12.31読了。
    今年43冊目。

  • ムーミンパパがムーミントロールたちに自分の書いたお話を聞かせるお話を読者が読む、という入れ子構造。
    自分のいいところを伝えたいパパの書きぶりと、それにたいするムーミントロールや仲間たち、ママの反応におかしみがある。
    人の、ちょっとなあ、というところにたいしても、トーベ・ヤンソンの優しい眼差しがそそがれていてほっこりしました。

  •  パパの生い立ちが幸せとはいえない、ということは前巻で少し触れられていた。
     本書で、その生い立ちが明らかになる。

     ムーミンというトロールの種族があって、そのうち一人がムーミンと呼ばれているらしい。
     この法則が他のキャラクターにあてはまるかというと、そうでもない。
     スナフキンの父はヨクサルだし、スニフの父はロッドユール。後者にいたっては顔かたちまで違う(その謎は終りの方で解ける)。

     スナフキンは昔のヒッピーのような雰囲気だが、ムーミン谷そのものが、ヒッピーの理想的コミューンなのだろう。
     
     特撮ファンとして驚いたのは、発明家フレドリクソンが、人を怖がらせる小細工をオバケに教えるセリフ、
    「さいほう用の糸をつかうのさ。ちょっとふとめの、まあ20番までのかな。それをまどの外にとりつけて、糸をまつやにでこする。するとおそろしいさけび声がでるんだ。」

     ゴジラの鳴き声づくり(緩めたコントラバスの弦を松ヤニを付けた手袋でこすり、テープを逆回転)とほぼ同じだ。
     作曲家 伊福部昭がスタッフに伝授したと言われているが、伊福部先生はムーミンを読んでいた?
     
     先生はもともとバイオリニストだから、上記の音づくりは弦楽器演奏者の間で常識なのかもしれない。

  • 読んだことなかったかも。
    ムーミンパパ、捨て子だったのねー。
    なんか結構心傷ついてる感じ?少々人格形成に問題あり、な感じ。正直、パパと友達になれる気がしなかった。
    スナフキンって、ミムラママとヨクサルの子どもってこと?ミイが手に負えなくてミムラママは出てった、とゆー話だったように思ったのだけれど、ミムラママ、ミイそっくりじゃん!?
    なんか改めてムーミンの世界って血縁関係って、意味ないっとゆーわけじゃないんだけど、べったりしてない、とゆーか、大事だけど、あなたはあなた、私は私、みたいな、
    なんかそれぞれな感じがする。

全49件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

トーベ・ヤンソンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アーシュラ・K・...
コルネーリア フ...
冲方 丁
トミー=アンゲラ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×