- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061882232
作品紹介・あらすじ
パパが思い出の記を書きました。捨て子だった子ども時代。マッシュかぼちゃ1かんと、大きな希望を道づれに家出した夜。すばらしいなかまとの出会い、そして若き日のママの登場。
感想・レビュー・書評
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ムーミンママ(と彼女の黒いハンドバック)は板切れにつかまって海に漂ってたのか…
ヨクサルによると「わるいくらし」とは、人のうちの野菜畑を踏み荒らしたりビールを飲んだりすることじゃないか、とのこと、気をつけたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
風邪を引いてしまったムーミンパパは、若かった頃の思い出の記の執筆を開始する。スニフやスナフキンのパパも登場する。
執筆を進めながら子どもたちに読み聞かせるパパ。普段はすかした感じなのに、自分のパパのことをもっと聞きたいとせがむスナフキンはかわいい。そしてスナフキンのパパのヨクサルのだらっとしたところ、すごく好き。
ムーミンパパのように天真爛漫に自由に生きられたらいいのに。 -
いやー、面白かった。
パパ世代の若い頃の話。
身勝手でもいい加減でも、それを断罪するでも美化するでもなく、ポーンと書けるのはすごいことだと思う。
ムーミンパパが自分について、
「どんなことをしてでも、まわりのものたちにつよい印象をあたえたいというのが、わたしの性分なんです。尊敬でもいいし、同情でもいいし、恐怖でもいい。とにかく、人にわたしというものを印象づけることです。」
と書いていたのが衝撃で、それ以上に納得した。
なるほどね!
ムーミンパパのあの性格は、そういう組み立てなのね!
フレドリクソンとの関係は胸に沁みるなぁ…。 -
やっとミイが出てきた。ヨクサル達はパパの創作だと思っていたからエンディングに驚いた。
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原作ムーミンの性格が、パパゆずりなのを感じる作品である。
ママに勧められ、パパは自分の半生の記を書くことになるのだが、パパの子ども時代は、ムーミンの冒険よりもっと刺激的である。
捨て子ホームに新聞紙に包まれ捨てられてたパパ。
パパがちょっと見栄っ張りなのは、実はコンプレックスがかなり強いのかもしれない。
あと一部の友達に対して憧れが強くて、友達より偉業をなしとげたい気持ちも、人々をあっと言わせたいのも、そんな事実が増殖させてる気がする。
子ども故の気持ち、漠然としてはいるけど立派なムーミントロールになりたいという気持ちがよく出てくる。
捨て子ホームに捨てられ、そこから逃げ出したパパは、このシリーズに欠かせないスニフやスナフキン、ミムラ達の父母や兄弟に出会い、色々な試練を経て、青年になる。
その過程と、ムーミンママと出会うまでがあります。
どうもパパの良いようにかかれている節はある。
でもそれも味の一つだ。
パパが記を書くのに、行き詰まったり、挫けそうになったとき、必ずママがパをやる気にさせます。
ママはムーミン家で一番冷静で寛容で優しいように感じます。彼女はムーミンシリーズの良心だと思います。
一時はパパのようになりたいと思ってましたが、私はやっぱりムーミンママやスナフキンのようになりたい。
自由で呑気で、でもやるときはやる。
ムーミンパパの話なのに、ママの魅力に魅せられた話でした。 -
2019.12.31読了。
今年43冊目。 -
ムーミンパパがムーミントロールたちに自分の書いたお話を聞かせるお話を読者が読む、という入れ子構造。
自分のいいところを伝えたいパパの書きぶりと、それにたいするムーミントロールや仲間たち、ママの反応におかしみがある。
人の、ちょっとなあ、というところにたいしても、トーベ・ヤンソンの優しい眼差しがそそがれていてほっこりしました。