魔法の夜 (講談社の翻訳絵本)

  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (26ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061892187

作品紹介・あらすじ

家もない1人の老人と、小さな白い犬の出会い。それは、特別な夜のおとぎ話。1匹の犬とともに南フランスを放浪した男の物語が、フランスの歌手、ドミニク・マルシャンによって歌になり、多くの人の心を捉えた。彼の没後、その死を悼む声に応え、絵本としてよみがえる。

感想・レビュー・書評

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  • 凍てつくクリスマスの夜、あてもなく歩く一人の老人。彼には家がなく、人々は老人が通り過ぎるのを見送るだけ。雪が、はらはらと、彼の白い髭につもっていく・・・。彼の足跡を追って、小さな犬がついてきた。犬の首輪には金色の星が輝いていた。「おや、どこから来たんだい?」「お前もひとりなのかい?」老人は、犬とパンを分けあって、子どもの頃から知っている物語を語り、歌をうたってあげました・・・。 老人と子犬の心あたたまる友情物語のエンディングでは、静かな感動シーンの高まりに、思わず溜め息がもれます。

  • 老人と子犬の話ですが、フランスの歌手、ドミニク・マルシャンがこの物語を歌にして、彼の死後、絵本として語り継がれことに。絵も柔らかでした。

  • クリスマスのよる、行くあてのない老人、同じく行くあてのない犬、老人は犬にパンを分けて、昔から知っている話をして、歌い、一緒に古い小屋で眠る、実は犬は魔法使いで親切にしてくれたお礼に願いを叶えてくれると言う、老人は犬が欲しかったという、魔法使いは星の首輪を外して魔法を捨て老人の犬になる

    勿体ないと思ってしまうけれど、まだまだなんだよな、きっと。

  • 絵がとても柔らかく、なんて優しいお話なんだと心奪われました。

  • Xmasに向け再読。クリスマス絵本は数が多いだけあって、優秀な作品も多いです。欲のない選択をすることが勇気のいることだと思ってしまう私は、やっぱり強欲なんだろうなー(^^;;

  • 【絵本】魔法の夜 クリスマス 大人にもおすすめ。

  • アルブレヒト・ルスラーの絵がやさしくて。。。。
    魔法使いは、老人の一番大切な者になるために魔法を捨てます。
    いとも簡単に。

  • クリスマスの夜、帰る家のないおじいさんの後ろを小さな白い犬がついてくる。
    なんにもないながらもおじいさんは白犬に親切に優しく接した。
    すると白犬は実は魔法使いであり、望みを叶えてくれるという。
    おじいさんは「ともだちの犬がほしかった、一緒にいてほしい」という。
    魔法使いは長く考えた後、魔法使いの証であるような光る星の首輪を外し、おじいさんの友達として寄り添い生きる。

    ※クリスマスの小さな小さな、そしてとても神
    聖なお話
    読み終わり、なんともいえない気持ちになる。
    魔法使いに犬でいることを選択させるおじいさんはちょっと嫌だなあとも思ったのだけれど、きっと冬の厳しい寒さとクリスマスであることがおじさんをいつもより寂しくさせていたのだろうと想像できるし、孤独を癒せる存在がほしいというのもわからないではない。
    色んな気持ちが生じて混じるお話だなあ

  • あるクリスマスの夜のこと。ひとりぼっちのおじいさんはホームレスでお金も食べるものもなく寒さに凍えながらも、道で同じように震えている不思議な首輪をつけた犬を見かけると、なけなしのパンを与えたり、無人の小屋に連れて行ったりしてやった。すると、犬は自分は本当は魔法使いで親切にしてくれたお礼に何かひとつ願いを叶えてあげようと言った。おじいさんはお金や地位や名誉を求めるのではなく、ずっと犬の友達が欲しかったのだと言う。魔法使いの犬はその願いを聞き届け、魔法の力を捨ててただの一匹の犬として生きることを決め、おじいさんの友達になるのだった。

    なんでもひとつ願いが叶うとしたら、自分ならばいったい何を願うだろうかと考えると、きっと煩悩にまみれた俗世間の範疇から抜け出せないような自己中心的で傲慢な願い事しか言えないのではなかろうかと思い、おじいさんの純粋さとその心映えの美しさに感嘆せざるを得ない気持ちになった。魔法の力を捨てて犬として生きる決心をした魔法使いも、きっとおじいさんの言葉に心を打たれたからこそ、ただの一匹の犬としておじいさんのそばにいることを選んだのではないだろうか。
    魔法はとても便利な力に見えるが、そんなものがなくても友達になることはできる。お金や地位や名誉がなくても、人種や言語や信仰が違っても、友達になることができるのと同じように。おじいさんはもともと犬が魔法使いだから助けたわけじゃないし、何かの見返りを期待して犬に親切にしたわけでもない。たぶん、ひとりぼっちで寂しかったというのもあるだろうし、本当に犬のことが好きで犬の友達が欲しかったのだろうし、自分のそばに寄り添ってくれる何らかの存在を求めていたのだろうと思う。それはあくまで私の想像に過ぎないのだけれども。
    何の見返りも求めず、何の力も介在せず、ただの一己の存在として友達になることができるという事実が、実は魔法よりも奇跡的で素晴らしいことなのだということを、この物語は伝えてくれているのではないだろうか。

  • 幼稚園のお泊り会の夜、先生が子供達に読んで下さった、とっておきの本。

    ラストの決断のシーンでは子供達は本当に驚いて、「どうして?」と考え込む子もいたそうです。

    美しい絵、そして簡潔な文章。
    だからこそ、余計な説明に惑わされることなく、幼いこころが物語の奥底にあるものに辿り着く。
    そんな本だと思います。

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