- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061957749
作品紹介・あらすじ
本棚の下に落ちている桃色のボタンが、クリップや五百円玉などと会話を繰り広げる「すきまの闇」や、大好きな家族が引っ越してしまい、取り残された玄関扉のノブの気持ちを描く表題作「ドアのノブさん」など、身近にある「小さなもの」に目を向けた短編童話集です。
やさしくてユーモラスでありながら、ハッとさせる視点の鋭さ。童話界の新しい才能、おおくぼ雨咲(うさぎ)さんの作品を読むと、何気ない日常を見る目が変わります。
収録作
すきまの闇
ドアのノブさん
線のむこうがわ
背中あわせのともだち
裏がわのナマズ
(全5話)
★物語は、こんなにも近くにひそんでいたのか!
自分の世界を持ちはじめたあなたに、ぜひ読んでほしいのです。
(丸善 丸の内本店 兼森理恵さん)
★雨咲さんのことばは、楽しい響きと、しあわせをはこんでいる。
まったく新しい童話作家だ。
(子どもの本専門店 メリーゴーランド 増田喜昭さん)
★大久保雨咲さんは、モノたちの心が鮮やかに読み取れるのですね。
毎日の暮らしがなんだか楽しくなるような気がします。
(MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 森口 泉さん)
★ちいさなモノたちにも、キラキラ光る日常がある。
彼らの声が聞こえる子どものうちに、ぜひ読んでほしい。
(クレヨンハウス 子どもの本売り場 若林 桜さん)
感想・レビュー・書評
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図書館本。服からほつれて落ちたボタン、木から木片の切りくずになった木片、赤青鉛筆の青…を擬人化してストーリーにしています。
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ドアのノブのストーリーふくむ短編集。
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ノブさんはアパートのドアの取っ手。大好きな山下さん家族のお引越し先に一緒についていけると思っていたのにまさかの置いてきぼり!次にアパートに引っ越してきたのは田中さん一家、ちょっと乱暴な男の子も一緒です。男の子が気に入らないノブさんは、触れられるたびに静電気を起こして男の子にいやがらせをするのですが…。表題作「ドアのノブさん」を含む全5篇。ボタン、木片、くつしたなど、普段あまり気にとめることのない物たちのつぶやきに、自分の家にある物も「何か考えているのかな?」と思わず想像してしまう楽しい短編集です。
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ボタン、ドアノブ、木片、赤青えんぴつ、靴下の裏側と、いつも暮らしのまわりにあるあたりまえのちいさな物たちの、ためいきみたいな、でもあったかな5つのおはなし。
どのおはなしも、終わり方が大人の小説のようにさりげなく、読者に託したような想像力をくすぐられるようなラスト。「線のむこうがわ」の木片の哲学的なため息になんて、泣きそうになる。
こんなふうにおはなしってできるのかと、感心してしまう1冊だった。
おはなしはどれも好きだったけど、私には挿絵がちょっと好みでなかったので、☆は4つで。でも子どもたちにたくさん手にとってほしい本。