贈答のうた (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
4.67
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 30
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061984943

作品紹介・あらすじ

「うたはあのようにも詠まれてきた。/ひとはあのようにも心を用いて生きてきた。」ーー歴代の勅撰和歌集、私家集、さらに物語や日記文学の中で、華やかな独詠の陰に埋もれがちな贈答のうた。詠み交す事で深化増幅する人の心と精妙に響き合う贈答歌に光をあて、自在な口語訳を付しつつ読み解く。王朝人の豊饒な言葉の贈物への密やかな答歌とも評された名著。野間文芸賞受賞作。


詠み交わすうた 響き合うこころ

うたはあのようにも詠まれてきた。ひとはあのようにも心を用いて生きてきた。歴代の勅撰和歌集、私家集、さらに物語や日記文学の中で、華やかな独詠の陰に埋もれがちな贈答のうた。詠み交わす事で深化増幅する人の心と精妙に響き合う贈答歌に光をあて、自在な口語訳を付しつつ読み解く。王朝人の豊饒な言葉の贈り物への密やかな答歌とも評された名著。野間文芸賞受賞作。

竹西寛子
私は、独詠独吟よりも更に日本人の心の動きの事実に近づき易い贈答のうたについて、いつか詩歌物語の別を問わず辿ってみたいものだという、まことにおおけない願望を抱くようになった。(中略)しかしこうした気の遠くなるような作業が、微力の自分に易々とかなうはずもない。(中略)ならば、せめて、脈絡もないままに馴染んできた平安、鎌倉時代の贈答のあれこれをまず読み直し、いくばくかを読み加えながら、贈答についての自分なりの整理の第一歩を、と思い立った。――<「はじめに――なぜ贈答のうたか」より>

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 学術書ではなく、エッセイ、らしい。しかし著者の分厚い知識教養に支えられた十分な学術的裏付けの上で、著者自身のこころの揺らぎが千年以上も昔のひとたちのうたのやりとりを見ていく中でぽろりとこぼれ出てくるのにはこちらのこころに強く響く。うた、のちからについて、考える。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

昭和4年4月11日、広島県に生まれる。昭和27年早稲田大学第一文学部文学科(国文学専修)卒。小説家。評論家。日本芸術院会員。河出書房、筑摩書房勤務、昭和37年退社。38年「往還の記--日本の古典に想う」で田村俊子賞。56年「兵隊宿」で川端康成文学賞。平成6年日本芸術院賞。著書に『竹西寛子著作集』全5巻別冊1(平8 新潮社)『自選竹西寛子随想集』全3巻(平14〜15 岩波書店)『日本の文学論』(平7)『贈答のうた』(平14 いずれも講談社)など。

「2004年 『久保田淳座談集 心あひの風 いま、古典を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

竹西寛子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×