百万人のお尻学

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062055888

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  • 山田五郎というと、テレビ東京の「アド街ック天国」で街案内やBSの番組で美術に関する番組に出演していえる。そんなことから街歩き美術に詳しい人として認識されている。





    そんな山田には違う一面があった。それは「お尻評論家」だった。今回の本は「百万人のお尻学」ということで、様々なお尻について論じている。





    特別寄稿であのタモリが登場している。タモリというと「ブラタモリ」や「ミュージックステーション」のイメージが強いが、変態という側面もあった。





    尻に目覚めたのが小2だったそうだ。ではお尻が1番好きかというとそうではなかった。1番は胸で2番がお尻だった。「オッパイが表の文化とするなら、お尻は裏の文化ということになる」と評している。西洋絵画を例に挙げているが、女性を描く場合、正面からのパターンが圧倒的に多い。だから尻は裏の文化ということか。





    タモリは、日本人離れした洋尻よりも昔ながらの和尻の情緒を好むと述べている。





    意外だと思ったのは、「お尻は男のセックス・シンボルだった」だ。思いもしなかったが、男性の尻がセクシーだったとは。





    しかし、近代以前のヨーロッパの服装を見ると、男性がスカートをはいているのは珍しいことではなかったと山田は述べている。16世紀以降、女性は上半身、一方の男性は下半身の曲線を覆いながら強調するスタイルが有閑階級の服装の主流となった。





    時代が変われば、服装も変わるものだな。




    日本人の欧米に対するあこがれは、平成になっても終わることはなかった。その例として、宮沢りえの「Santa Fe」という写真集を挙げている。平成3年の秋に発売されて、社会の注目を集めた。オランダ人を父に持つ宮沢りえは美少女として注目を集めていた。宮沢りえのヌードは、日本と西洋の「合作」で出来上がった肉体美で、「芸術的」と評された。日本人離れしていることが美の必要条件なのだと山田は評している。






    そう言えば、新聞の全面広告に載っていて驚いたのを覚えている。今では考えられないが、当時のマスコミもただの鼻の下をデレデレ伸ばす写真集ではないと思っていたのかな。





    この「百万人のお尻学」は、1992年に発行されたものなので、2021年の「お尻学」はどうなるのか気になるところだ。





    性に興味を持たない人はよほど変わった人しかいないから、最新版を読みたいなあ。

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著者プロフィール

山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。

「2022年 『第2期:5巻セット 〈白の闇〉篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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