黒絹睫毛

著者 :
  • 講談社
3.17
  • (0)
  • (7)
  • (8)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 29
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062111447

作品紹介・あらすじ

美しい人の真似をする十五歳少女の愛と哀しみ、そして性。運命が燦めきながらねじれていく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 美人で頭の良い主人公が、高校に入り、自分より更に綺麗な子に憧れと嫉妬を抱き、彼女になりたいと願う、思春期の物語。
    結局、何がいいたいのかよくわからなかった。

  • 図書館で時間潰しにサラサラと読めた。でも、思春期の女子ってさ、歪んでんのよ、男子もだけど。時々共感しながら読みました。

  • 想像ほどお耽美ではなく。それと、書体が気に入らなかった。

  • 舞台は東北の高校。主人公は高校1年生の女の子、雪乃。色白で人並みに美しいこの娘が、絹子というあまりにも美しすぎる黒髪、黒目がちな大きな目、長い睫毛を持ち身体も守ってあげたくなるほど華奢な女の子に憧れて、真似をして自分というものを狂わせて行く話。主に高校内が舞台になっているけれど、男子があまりにも残酷。どんなに絹子の真似をしても、男子の言葉の一つ一つに傷つけられ踏みにじられ自分を駄目にしていく。でもこんなにひどい高校はないんじゃ?こんなにひどい男子高校生達もいないんじゃ?って感じでどこにも共感して読める部分がないし、内容も結局何を言いたいのか不明。思春期の少女の気持ちのゆれか成長か?それとも異性愛か?むむむです。きっと同じ世代の女の子が読むと共感できるのかもしれませんね。私はもうとうに無理だ。

  • 読み終わった後なんだか凄く歪む。

  • 東北の田舎町に育ち、子供の頃から人が振り返って見るほど美しい娘、一宮雪乃。高校の入学式で一目見て惹き付けられた秋谷絹子に憧れ、執着してゆく。それは恋に似ているが、無意識的ライバルでもあった。ただしそれは雪乃の一方的な想いなのだが。

    校内でも絹子の美しさは評判になり、<こぞって絹子を模倣した>。持ち物や制服の着方、しぐさまで。中でも雪乃は、絹子になりたかった。絹子に近づけば近づくほど周りの反応も変わっていった。絹子と自分を較べられることは嫌だったが、自分自身、常に絹子と較べて苦しんでいた。

    同性への憧れ、というのは大なり小なり誰にでも経験があるだろう。それは言うなれば、自分のコンプレックスを刺激する相手、劣等感を抱かせる相手でもある。自分にないものを持っているから、憧れるのだ。自分もあの人のようになりたい、と。そして自分と似ているところを見つけるとうれしくてたまらない。

    この感情は、相手と自分を較べることに他ならない。度が過ぎると自分を失いかねない。本書の主人公雪乃は、絹子への執着とも言うべき憧憬の念に苦しみ、自分を失いかけた。雪乃を見ていると痛ましくてならない。読了後、疲労感と安堵感から深い溜息をついてしまった。

    どんなに手を伸ばしても手に入らないものが、世の中にはある。自分は自分でしかない。ここから解放されたとき、初めて自分の人生を生きられるのだ。

    読了日:2007年6月20日(水)

  • タイトルに惹かれて手に取りましたが、ちょっと期待はずれでした。
    少し、暗めかもしれません。

  • 美しいものに憧れて、身近なものに羨望と嫉妬を抱く。15歳の頃の自分がこれほど危うかったかどうかは本人にはわかりようがありませんが、ただ狭い世界の中で苦しくなるような気持ちは懐かしいような印象を受けました。少女、の気持ちを冷静に見つめられるようになる頃には、少女はもうとても遠いものになってしまうのだと思います。
    日経ウーマンの『心に効く人生に効く100冊』にて紹介されていた一冊でしたが、レビューで感じた以上に重く、切ない憧れと嫉妬がそこにありました。
    誰かになりたい、あの人になりたいと言う気持ちは自分の中で飼いならすのがとても難しい感情です。
    それを過ぎたときに見えてくる、オリジナルの良さを見出すための通過儀礼のようなものだと私は感じました。

    (2005年7月13日)

  • 世の中にはボーイミーツガールの
    作品があふれておる。

    しかし、ガールミーツガールの
    優秀な作品は稀である。
    その稀なガールミーツガール作品がコレ。

    主人公は「田舎じゃ美人」っていう高校生。
    地方都市の中途半端な美人の
    自意識のいやらしさをうまーく書いてる。

    んで。ここからがおもしろい。
    中学生の頃には
    天下をとっていた彼女が
    高校に進学し、
    ワンランク上のホンモノ美人女子
    に出会ってしまったのです。
    しかも同じクラス。

    ここでどうするかが、人格とか品格の問題。

    素直に
    キレイだなー
    仲良くなりたいなー
    とか思えないのがTHE思春期。

    「うらやましい」と言ってしまえば
    後が楽なのに!
    そして環境に応じてキャラ変換すれば
    人気者になれたのに・・・。

    中途半端な主人公の苦しみったら
    ないですよ。
    ワンランク上の女子の存在を意識しすぎ、
    髪型や着こなしをマネたり
    話し方をマネたり・・・。
    最後には「似てるね」とまで言われ
    自己満足の境地に。

    そして、特筆すべきなのは
    ホンモノ美人の器の広さ。
    ホンモノさんは、彼女が苦しんで
    自分のマネをしているのも
    お見通し。
    でも、さりげなくすごしている。
    そして、優しい。(手紙の場面が好きだ)
    彼女がホンモノ美人なのは
    心の広さゆえかもしれません。

    そりゃー
    女と生まれたからには
    「誰よりもキレイと言われたい」
    という欲望はあるかもしれません。
    しかし!!
    たとえ、どんなに容姿を磨いても
    上には上がいるのです。
    だから諦念が必要なのです。
    (注:叶姉妹は別ジャンルです)
    諦めたら、内面を磨いて
    個性を大切にし
    マザーテレサのお言葉でも読むしかないのです。
    ======================
    ちなみに、ワタシは
    別に美人でもなんでもないですが・・・
    あまり好きではない女子に
    「アナタと同じ髪型にしたい」
    と言われ、めんどくさくなって
    ソフトモヒカンにしたことがあります。
    ガールミーツガールで
    めんどくさくなったら
    自滅するのがオススメです!(半ばヤケ)

  • 遠い昔を思い出したなぁ・・・。

全12件中 1 - 10件を表示

宇佐美游の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×