滅びのモノクローム

著者 :
  • 講談社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062114585

作品紹介・あらすじ

CM制作者が手作業で再生した古いフィルム。そこには日本がひた隠しにしてきた過去が映っていた。第48回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸川乱歩賞ということで結構前に購入。

    骨董市で偶然手に入れたリールの中に16ミリフィルムがあるという始まりが面白かったです。
    サクッと読みやすかったのですが、ページ数が限られている分、色々なことが表面的に描かれていたため、あまり印象が「フィルム」しか覚えていません。もう少し深く掘り下げていたら、良かったかもしれません。
    ちなみにテレビドラマ化もされましたが、主人公の日下はいません。

  • 読了日2012/08
    前回読んだ同作者の作品が面白かったので江戸川乱歩賞受賞作のこちらを期待大で読みました。
    でも、釣りの描写がくどくどしく、全く釣りのことがわからない私にはちんぷんかんぷんで飛ばし読み。
    あと、時代背景がコロコロ変わり過ぎて、時系列もバラバラで、また変わる際の書きだしがこれまたちんぷんかんぷん。
    だいぶ読み進めて、「ああ、過去の事か」ってわかるような感じ。
    事件のかぎが誰もが口を閉ざす第2次世界大戦下の戦争犯罪って言うテーマは面白いけど。。。
    期待しすぎた。

  • 戦争を教科書やテレビ、インターネットなどを通してしか知らない私にとって、似たような事も実際には沢山あったのかもしれないと思うと切なくなりました。

    主な登場人物のアクが強いのが気になりましたが、歴史上の人物が話の中で登場するので、話の内容は入りやすかったと思います。

    ただ、花さんが何故骨董市にいたのか、話していた理由では共感出来ないままだったので、ちょっとモヤモヤしています。

    因みに私の中で大西さんのイメージは、Ikkoさんだったので、読み終わった今もまだ脳内では『とんだけぇ~』と騒いでるIkkoさんと懐かしいブルーハーツの曲で騒がしい事になってます(^_^;)

  • リールからフィルムが出て来た辺は面白かったものの、
    話が行き着いた先はうーん。
    ちょっと、題材が大袈裟に感じた。
    最後、話が放り出された感が・・

  • まあまあ面白かった。月森進之介は、射殺された子供を埋めた事に違いはないんだろうけど、殺してはいないと思う。

  • 広告は下賎なもの。

  • 2003年版週刊文春ミステリーベスト3位。江戸川乱歩賞も受賞。ちょっと読みにくい感じ。初めて読む人だからか。名前聞かない人だなぁ。戦時中の罪が現代によみがえる。こういうこともあったんだろうなぁ。人間は残酷なのだ。しかし現代日本が戦時中に近づいているってのは恐ろしい。フライフィッシングというと「リバー・ランズ・スルー・イット』を思い出す。あのブラピはかっちょよかったなー。しかしたかだか国会議員ごときが殺人まで犯すものか。政治家ってのはそこまで悪人なのか。あのおじいちゃんも人を殺してたって風にしたのがいいと思う。政治家だけを悪人にしてなくて。って、政治家じじいの方が悪人なんだけど。

  • うっかり作者名を勘違いして図書館から借りてきた本。
    江戸川乱歩賞受賞作。

    第二次世界大戦中の特高絡みのことが現代まで受け継がれ、ひょんなことからそれに関わり命を狙われるというミステリー。

    第二次世界大戦時の、国民は国のために尽くす義務を負わされた状況と、今の個人情報保護法などの制定のされ方をはじめとした状況が似通ってきている、という部分が作者の書きたかったことなのかな。
    ヒトラーが出現する前のドイツと、今の日本が似ている、というくだりもあった。

    ひとつの物語として読んだときには、中途半端感が否めない。
    目線がコロコロ代わるせいかとも思ったけど、それで面白い小説は他にもいっぱいあるからなー。
    過去の事件も含め全てが明るみになるクライマックスに、どうしてあの人の視線を選んだんだろう、と思ってしまった。

  • 第48回江戸川乱歩賞受賞作ってことだが・・・、自分の江戸川乱歩賞受賞作のイメージは、玉石混交!!
    まぁ、新人の作品が対象ってことで仕方ないのかもしれないが、この作品はハズレだな。

    戦時中に撮影された1本のフィルムが発見され、それを巡ってのストーリーが展開されるわけだが、いささか風呂敷を広げ過ぎてる。フィルムを追う謎の男が出てきたり、世襲議員が出てきたり、読み始めた時には、こりゃスケールの大きな展開になりそうだな、って思ったんだが、尻すぼみ!
    フィルムにどんな謎が隠されてるのか気にしてたのに、ちっぽけな謎!登場人物も内面まで細かく描かれてないから、薄っぺらな印象しか残らない。
    なにより、結末がハッキリしていない。勧善懲悪、ハッピーエンドと言わないまでも、結末がハッキリしてないのは好みじゃない。
    人間を殺しておいて、その殺人者がどうなったのか最後まで書いて欲しい。そういえば、この本を読んでる間、小沢一郎の顔がイメージとして浮かんできたな。あの人も悪そうな顔だからな。

    ストーリーの構想は面白いんだが、人間を描けてないし謎解きも中途半端。もっと丁寧に描けてれば面白いと思うんだが、頑張って☆3個。

  • 最後の最後でどんでん返しをくわされた。理不尽に対する怒りが引き起こした結果、的を射ぬいたはいいがその裏にあったものまで射抜いてしまった驚き。著者の言いたかったのは、覚悟なしに歴史に立ち入るととんでもないしっぺ返しを食う。それくらい歴史とは怖いものなのだとでもいうことか。そうやって思い出せばところどころに傍流のように存在する現代と過去の比較は実は傍流のように見えて、結末という合流点に向かって流れていた本流であったのか。 それだったら別に登場人物に感情移入できなくたってどうだっていい訳だよな。

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著者プロフィール

1959年宮城県生まれ。明治大学商学部卒業。広告制作会社でコピーライターとして勤務。89年にフリーに。2002年『滅びのモノクローム』で第48回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。他の著書に『死水』『サーカス市場』『罠釣師 トラッパーズ』『コワレモノ』『失われた季節に』『黄金幻魚』などがある。

「2020年 『五郎丸の生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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