- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062117951
作品紹介・あらすじ
人生論としても読める世阿弥の至高の芸能論。総ルビつき原文。著者オリジナル現代語訳つき。
感想・レビュー・書評
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ご存知、日本の伝統芸能「能」の育ての親。不世出の天才「世阿弥」によって書かれた「芸能論」を、林望が翻訳、解説を加えたもの。
タイトルどおり、「すらすら読める!」
原文部分は、文字が大きく、振り仮名が全部ふってあり、古典の言葉のリズム感、美しさを、古典嫌いの人でも堪能できそう。
それにしても、この風姿花伝、「芸能論」といいつつ、子育て、管理職、自己内省、いろいろな場面で心に響く名言にあふれた一冊です。
必読書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全文ではないものの、要所がわかりやすく、読みやすかった
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現代語訳があるので読みやすかった。能について書かれているけど、人としてどうあるべきか、みたいなことも参考になった。
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世阿弥が残した風姿花伝を読みやすく解説している本
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風姿花伝の全文が載っているわけではないが、現代語訳もわかりやすい。
岩波文庫の「風姿花伝」の、わかりにくい所を確認するために読んだ。
丁寧な本だったと思う。
【memo】
世阿弥の幼名は鬼夜叉
花のように美しい稚児だったらしい。
父観阿弥が52歳で亡くなり、数えで22歳ほどの世阿弥が一座を受け継いだ。 -
風姿を伝える。花を伝える。
「ことさらこの芸、その風を継ぐといえども、自力より出づるふるまいあれば、語にもおよびがたし。その風を得て、心より心に伝うる花なれば、『風姿花伝』と名づく。」
先人の教えである風姿=伝統を伝えるだけでは不足で、言葉に表しがたい「花」をいかに伝えるか、という話。
「花」とは「珍しさ、「面白さ」。この3つは同義。これをいかに実現するかの技=種。
「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」 -
古典
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おすすめ資料 第71回 「花」を求めて古文を読む(2008.8.15)
作家の林望氏の手になる、『風姿花伝』の入門書です。
書名に「すらすら読める」とあるとおり、自分で古文を「読む」ことを目的とし、本文には大きめの活字を用い、旧仮名遣いや漢字にはルビを振っています。
一般的には、能楽の大家である世阿弥の芸能論と言われていますが、教育論として読むこともできます。
たとえば「年来稽古条々」では7歳から始め、12歳頃、17歳頃、24歳頃、34歳頃、44歳頃、50歳過ぎ、の7段階を追って、その年頃にふさわしい稽古の有りようや望まれる到達度について述べます。
「時分の花」と「まことの花」の違いを強調しますが、その年齢に備わった長所である「時分の花」も否定しません。
観衆を舞台に集中させるためのコツにも触れています。
観衆の様子によって演じ方に少し変化をつけるのです。
それだけでなく、卓越した為手(シテ、能の主役を演じる)は、観衆の好みに沿って「花」を使い分けることもできると言っています。
「一年中の花の種をもちたらんがごとし」、季節や場所、観衆に合わせて演じ方を変えられるのが、プロだということのようです。
世阿弥ほどの境地に達することは難しいとしても、私たちなりの「花」を求めてみるのも一興ではないでしょうか。 -
初心忘るべからず。
祥平塾の2014年の菅沼師範の揮毫から。
単純に気持ちを引き締める意味だけでも大変重要。
是非の初心
時事の初心
老後の初心
を意識していきたい。