人生の旋律 死の直前、老賢人は何を教えたのか?

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124959

感想・レビュー・書評

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  • 「死の直前、老賢人は何を教えたのか?」というサブタイトルと、著者 神田昌典の不一致感があった。~ビジネスハウツー?、理念的な精神論??・・・いずれにしても、興味がわくタイトルに、手に取ってみる。

    新たなミカタを伝えるものではない。
    が、”歴史”物語という遠い偉人のことではなく、
    自分の人生に重ねることができるリアリティーがある。

    そして、ビジネスというミカタでとらえても、生きたかというミカタでとらえてもよく、周りの流れの中で普遍的な真実を、生々しいノンフィクションの物語の中で感じた言葉で伝えてくれる。~「成功する経営とは、●●であるべきである」というすっとは受け取りがたい箇条書きではなく、物語の中で、自分から選び取りたい「こうありたい在り方」を持てる一冊。


    ●新しい価値観とは、どんな社会を子供たちに引き継いでいきたいのかという問いに対する答え
    ●暴に報いるに徳を以てす
    ●実は事業が軌道に乗り始めた時が、一番怖い・・・・・
    ●こうした恋愛を乗り越えると、軌を一にするかのようにビジネスは導入期から成長期に入り、急速に伸びることが多い。・・・・・
    ●いったい、どうやってこんな大物と付き合うようになったのか?そのカギを一言でいえば、「ビジョンを持った大胆な行動」ということである
    ●はんばがーを売るのにいちばんいい方法は、腹が減っている人の群れを探すことだ。
    ●真実の成功とは、富で決まるのでも、名声で決まるのでもない。
    ●不幸をきちんと生きなければ、幸福をきちんと生きることができない。

  • チェック項目15箇所。テクニックではなく生き様を見せる。戦争を知ることはこれから10年を生きる上でとても大事。価値観が変容した時代は苦しい時代ではあるがもっともエネルギーに溢れ、チャンスに満ちた時代。1915年、明治維新から50年で日本は欧米と肩を並べるほどになり、驚異的な成長と賞賛されていた。強い軍隊組織には上下関係を軸とする規律が絶対。一度暴力がスタートすると組織では習慣になってしまう。規律を浸透させる目的と腹いせが混同してしまう。戦時中の日本はお国のために死ぬを美化する。挑戦では儒教を重んじており、家を大切にする。名前を変えさせられたことは何百年続いた自分の家系、祖先を否定されること、屈辱的なこと。日本は敗戦した・・・解放感はあっても悲愴感はない。日本に帰るためには・・・妙齢の女子は坊主頭で墨を顔に塗る、乳飲み子は泣いて敵にバレないように母親が自らの手で殺してしまうこともあり。自分の子供や妻を売り渡す人もいた。人間の尊厳は土壇場になれば吹き飛ぶもの。混乱の中では人間はケダモノに成り下がる。元々人間には悪が棲みついている。日本人の几帳面さ
    ・・・・社長の命令、上司の命令には絶対、日本人にはこの修正があったから占領しやすい。大変革の時代には時代の流れに乗ったごく一部のものだけが裕福な暮らしを送ることができる。人間はひとつではなく多数の人格でできている・・・優しい世話役、闘争好きな戦士、理性的な賢者、自由奔放の愚者、基本的な核になる人格をアーキータイプ(元型)と呼ぶ(ユング)。それぞれを使い分けることが大切。成功し始めると人は変わる・・・・本人は気付かない。成功者と犯罪者は紙一重。事業が軌道に乗ったときは女性問題が出てくる。事業を成長させるには恋愛、家庭、親子関係に立ち入る必要がある。ビジネスの導入期に恋愛対象の女性が現れるときが多い。事業が軌道に乗ると経営者が脚光を浴びる一方で妻は置いてきぼり感がでる。営業の基本はそれが欲しい群れを探すこと・・・味や接客は2の次。人生にとって本当に大切なのは、目に見えないものであること。成功者の告白は起業家にとって本当の幸せは何かをテーマにした物語。人間にとっての本当の幸せをテーマにしようとしたができなかった。幸せとは死生観があってはじめて得られる。

  • 経営者は、ビジネスの導入期ー事業がそろそろ軌道に乗り始め、爆発的に成長し始める直前ーに恋愛対象の女性が現れることが多い。経営者が結婚している場合、この時期に奥さんとの関係がギクシャクし、不倫しやすくなる。
     事業を離陸させるには大変なエネルギーが要る。導入期の初期、つまり創業したてのころは、経営者のエネルギーはすべてビジネスに注ぎ込まれる。結婚している場合、この時期は妻も夫の仕事を手伝うことが多いので、生活は楽でないものの、夫婦仲は安泰だといっていいだろう
     しかし、事業が軌道にのってくると、お金が回るようになり、エネルギーも余ってくる。経営者は外でどんどん脚光を浴びるようになる。逆に妻は自分だけが置いて行かれるような気持ちになる。そして、夫の成功に対して無意識に反発、もしくは嫉妬を感じてしまう。理性的には夫と一緒に喜びたいのだが、感情的には受け入れられないのだ。
     夫は、妻が不機嫌な理由がわからない。本来ならば、この段階できちんと夫婦間でコミュニケーションを持てば問題は解消するのだが、おたがい相手を気遣っているので、怒りを心の内に抑えこむ
     すると内在させている怒りに呼応するように、経営者の前に、突然女性が現れるのである。怒りは性的衝動をたかめるので、その女性と恋に落ちてしまう

    人間は考え方で人生が定まる your way of thinking makes what you are

  • 戦中、戦後を駆け抜けた実業家・近藤藤太の人生の物語。苛酷な環境の中で下し続けた彼の決断力と勇気。そして、波乱に満ちた人生の最後の最後に辿り着いた(読者に明かされた)ものこそ、本当に大切にすべきだと改めて痛感。
    以下、Amazonより。
    死の直前、老賢人は何を教えたのか?
    価値観が根底から覆されるこれからの10年を、ボクらはどう生きればいいのだろう?
    戦争を生き抜き、富と名声をほしいままにした伝説の実業家、近藤藤太。彼が教えてくれた、世代を超えた知恵と勇気!
    彼はテクニックを教えない。彼は生き様を見せる。
    彼の人生に触れると、明らかに何かが変わる。修羅場を乗り越えてきた人間の大きさに圧倒され、自分でも何かできるのではないか、と心揺り動かされる。彼の魂に接すると、希望を抱きつづける力、生きる力が得られるからなのだ。そのエネルギーを、本というかたちで缶詰にして、あなたに手渡すこと。そして雷に打たれるような体験を、あなたと共有すること。それが本書における、私の役割である。<プロローグより>

  • この話の真偽のほどは置いておいたとして・・・
    人生訓とは違う、小説でもない、位置づけの難しい本だと思います。
    Amazonのレビューを読む方が面白いかもしれません。

  • 数年ほど前までは神田氏の書かれた本をよく読んでいたと思いますが、最近は彼の著作が少ないせいか私の興味がなくなってきたせいか不明ですが、彼の本には最近はご無沙汰しています。

    本棚の整理をしていて収納スペースがなくなってきたので図書館に寄付しようと思うのですが、読んだときにポストイットを貼ったポイントがあるのでそれらを気になったポイントとして記録に残しておこうと思います。

    ・急速に世の中の流れが変わるときは、線路の切り替えポイントいるようなものだ、ポイントでは意志をもって、どちらの方向に行くのか決めること、一番悪いのは流されること、意志を持って決定すれば、どっちに転んでも後悔しないが、流されれば恨み続けることになる(p123)

    ・悲劇というのは、強運が舞い込む直前に起こる(p129)

    ・2005年には、1935年当時と似たエネルギーが宿っていると感じられる、すると今後10年間(2015年まで)は、日本が敗戦に到るまでの10年間と似たような意味をもつ時代になる、つまり、戦後、成長の原動力であった既存の価値観や社会体制が本格的に崩壊していく(p155)

    ・未来のあなたに、どうやって自分はそれができるようになったか聞いてみる(p215)

    ・人生が新しいステージに行く時には、いくつかの進級テストがある、それ多くの人障害という、障害は避けようと思えば避けられる、避けてしまった場合はテストはパスしないので、結局同じ段階に留まることになる(p217)

    ・人生にとって本当に大切なのは、眼に見えるものではなく、眼に見えないもの、手に触れられるものでなく、手に触れられないもの(p274)

    ・人生は一瞬一瞬の選択でしかないが、ときとして選択する自由がない出来事が訪れることもある(p277)

    ・死をリアルに感じることができなければ、生もリアルに感じることができない、幸せは、そうした人生のパラドックスの中から、あなた自身が自分の物語を引き出すことに他ならない(p296)

    2010/10/31作成

  • ・幸せとは、いかに生き、いかに死ぬか、という死生観があって初めて得られる。
     死をリアルに感じることが出来なければ、生もまたリアルに感じることが出来ない。
     不幸をきちんと生きなければ、幸福をきちんと生きることは出来ない。
     幸せとは、そうした人生のパラドックスの中から、
     あなた自身が、自分の物語を引き出すことに他ならないのである。

    ・流れに乗ってきたなと思ったら、それをつかむ。それが幸運を逃さない秘訣だ。

    ・パターンを知ることではじめて、パターンを超えることができる。

    ・人生の成功の秘訣は、やるべきことを、やるべきタイミングで、きちんとやることである

    ・交渉が優位に運ぶかどうかは、相手をどれだけよく知っているかによって決まる

    ・井深大がソニーの前身である東京通信研究所を立ち上げたのは敗戦わずか数ヶ月後。
     最初に手がけたのがラジオの修理。

    ・世界のソニーが自社開発した第一号商品はなんと電気炊飯器。

    ・誰の目の前にも、チャンスは平等にあるのに、手を挙げるものが少ない。
     だから、手を挙げたものだけにチャンスは舞い込む。

    ・急速に世の中の流れが変わるときには、線路の切替ポイントにいるようなもんだ。
     ポイントでは意思を持って、どちらかの方向に行くのか決めるんだ。
     一番悪いのは流されることだな。
     意思を持って決定すれば、どっちに転んでも後悔しないが、
     流されれば恨み続けることになるからな。

    ・僕個人にとって見れば、新しい価値観とは、
     どんな社会を子供たちに引き継いでいきたいかという問いに対する答えに他ならない。
     さらに問いを深めれば、「かつては、物と金を持つことが幸せだと考えられていた」と、
     過去形で振返る2015年の人々は、どんな夢を見ているのだろうか、ということだ。

    ・人間か考え方で、人生が定まる(Your way of thinking makes what you are.)

    ・とてつもないチャンスがノックしてきたとき、
     自分には絶対できない、自分には無理と思えることがあるでしょう?
     確かに、それは今のあなたがやるには難しいことかもしれない。
     でもね、未来のあなたには、何てこともないことになるのよ。
     だからね、未来のあなたを信頼するの。
     未来のあなたに、どうやって自分はそれができるようになったか、聞いてみるのよ。

    ・人間は肉体的若さではなく、精神的若さが大事である

    ・人の一生を走馬灯のように見た時に、本当に大事なものは限られている。
     しかし、人は本当に大事なものから、最も目を背けてしまう。
     日常の喧騒の中で忘れ去られたように見えるのだが、心の深い底では、
     大事なものはゆったり流れ続け、そして長い時間をかけて、
     僕らを、あるべき方向には運んでいこうとする。

  • 成功しているときに陥りがちな罠や、どん底のときにいかにポジティブ思考が重要かがわかった。それから人の幸せとは何か、についても「やっぱりそうか」と再確認できた。読み物としても面白いし、ところどころハッとさせられる場面もあった。

  • 歴史に学ぼうというスタイルを神田さんが書いているのが新鮮。ただの伝記じゃなくってそこから現代の我々が学ぶべきことは何かという解説が入っているのが面白いです。
    でも昭和戦争世代の方はやはり精神力がちがいますね。自分ふくめ今の若者にこれのかけらでもあったら、たいていのことは乗り越えられるはずーー。

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著者プロフィール

経営・マーケティングコンサルタント、作家/アルマ・クリエイション株式会社代表取締役/NPO法人学修デザイナー協会・理事
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。その後、米国家電メーカー日本代表を経て経営コンサルタントとして独立。多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本のトップマーケター」に選出。2012年、大手ネット書店の年間ビジネス書売上ランキング第1位。18年、マーケティング分野で歴史的権威があるDMA国際ECHO賞の国際審査員に抜擢。2019年・2020年、「社長の成績表」(古田土会計主催)にて、2,400社超中、2年連続No.1に。ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。

「2022年 『未来実現マーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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