作品紹介・あらすじ
この世のものではないモノたちと、世にも稀な妖怪アパートで共同生活を始め、2年目をむかえた高校2年生の夕士。魔道士の修行をしつつも「普通」の高校生として過ごす平和な日常に、怪しい影が…。学校の怪談?講堂の小部屋にオバケが出るという噂が。確かめに行った夕士と田代、妖魔フールがそこで目にしたものは…。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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大人になり切れていない大人、として登場する英語教師、三浦先生。
真面目で熱意がある教師で、自分のやり方や価値観で挫折することなく大人までたどり着いてしまったからこそ、価値観のすり合わせが上手くできない。人それぞれの価値観があって、その人の家庭環境とか考え方によって形成されていくわけだけど、やっぱり社会で生きていくにはそのままでは通用しないときがくる。相手に合わせる、譲歩する、独りよがりではダメなこともあるし、柔軟に変化させることによって価値観はより広く、深みを増すのかもしれない。
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「知ってしまった」から「わかるようになった」
どんどん成長する夕士。この本って、妖怪とか幽霊とかが対象になってるけど、結局自分と社会とか個と世界とか世の中全体のこと言ってるのだと思う。
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3巻目も相変わらずるり子さんの美味しそうなご飯に心惹かれてしまいます。
夕士くんが修行にもなれてきて、妖怪アパートの人たちと過ごし、どんどん成長していく。
そんな中、学校でとある出来事が起こる。
夕士くん活躍の巻で、出来事の中心でもある三浦先生は見た目は大人、心は子供のままという状態が、極端に前面に出てしまった大人。
そしてそれが見えざるものにも作用して、事件を起こしてしまう。
もちろん三浦先生の考え方は、尊敬できたものではないけれど、何となく漫画版と比べると夕士くんの考え方にも今ひとつ相容れなくて、少し読みづらさが出てきました。
設定が好きなので、4巻目も読み進めたいと思います。
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学校での事件。
三浦先生の暗い過去と女性への歪んだ憎悪。
プチヒエロゾイコンや秋音ちゃんも活躍して、三浦に取り憑いたものは払われたけど、三浦の根本的な考え方が改まることはなかった。
「救えないものは救えない」
手を差し伸べても、それをつかもうとしなければ這い上がれないんだよね。
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プチのおかげでハッピーエンドかなぁなんて呑気なことも考えましたが、そうではなかった。
子供な大人にならないために、これを読んだ子供が考えるきっかけになればいいのかもしれない。
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3巻も読みやすくて面白かったです。夕士が魔道書を使い始めましたが、プチな効果もあれば大きなものもあって、まだ修行だなと思います。夕士の学校生活も楽しそう。又十郎さんの、隠れ里の人、というエピソードも好きでした。最善を尽くそうと思っても、救えないものもある、ってそうだな。大人じゃなくて、年を取っただけなのはわたしもそうなので、がんばります。続きも楽しみです。
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三浦先生のことは、母校に教員養成系の学科があったから、なんかよく分かる。教員になるために一生懸命で、それで志高くって、それでいざ先生として働き始めると思ってたのと違う!!と叫び出すの。
でもそれって教員だからじゃなくって、会社員であっても、何であっても、自分が思ってた理想と違う時に現実とどう向き合えるかなんだろうね。
もっと早くに読めばよかった、大人になってからじゃなくて高校生の時とかに。
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再読。のため、若干ナナメ読み。
再読でも感想変わらず。
2巻と同じ。
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「縁によって自分が救える人と救えない人がある」っていう言葉が印象に残った。
三浦先生との話が、中心となってました。
中身がある人になりたい。
その為には、いろんな人の話や本などから学んでいかないといけないと思った。
やっぱり、るり子さんの料理の描写がたまらなくなる!(*^o^*)
著者プロフィール
和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。
「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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