メディアの支配者 下

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  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130035

感想・レビュー・書評

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  • 後編では不肖の息子であった春雄が信隆の後継者として成功し、フジテレビそのものの発展とともに確固たる地位を築いていく歩みが意外でしたが、マスコミにはこのような遊び人が向いているのかも知れません。そして日枝も春雄の側近として視聴率No1獲得への辣腕を揮い、出世の道を歩んでいくわけです。昭和41年から始まるフジテレビ労組結成と共産党系の民放労連加盟、労組潰しを狙う信隆たち経営との対立局面の描写ももの凄い迫力です。看板ディレクター岡田太郎(吉永小百合の夫)が初代委員長に祭り上げられ、日枝も早い時期に書記長をしているのです。岡田たちが信隆に降参し労組解散を申し出たにも関わらず、信隆が労組解散を許さなかったその真相も右派ならではの理由です。春雄と宏明の肌合いの違いが後のクーデターを呼び込んだわけですが、信隆の次女厚子と宏明の2人だけが唯一鹿内家にあってはまともな人だったように思いました。特に英子夫人、長女・寛子の無軌道ぶりは異常な世界に描かれています。別にオーナーではなかったはずの信隆による株式支配率の恐ろしいまでの肥大化、文化放送の赤尾一夫との争い、クーデター後も続いた宏明との株式の主導権争いなどの過去の確執の数々が今春のホリエモンによるニッポン放送買収という事件を招いたともいえますし、逆に予想も出来たはずであり、それだけに日枝たちが全くヌカったのだ、と思わざるを得ません。前編同様、どの人物も薄汚く描かれています。鈴木俊一・都知事もお台場分譲という局面で汚職ギリギリの姿として出てきます。

  • お台場も利権の闇だらけ

  • フジテレビ内での権力闘争をめぐる長大なノンフィクション。読み応え抜群と共に、疲労感がすごい。

  • ふむ

  • 下巻の方が面白かった。上巻では主としてクーデーターの表面的なことが紹介されていただけで良く分からなかったけど、下巻ではその背景などが詳しく紹介されていた。フジサンケイグループの現状だけでなく、マスメディア全体の構造についても把握できた。

  • フジサンケイ 鹿内
    朝日新聞 村上家

  • フジサンケイグループの歴史本。
    読むに値する本。
    堀江を目の敵にした実は日枝氏も会社を乗っ取ったという歴史、そして鹿内氏すらも自分で会社を作ったわけではないという歴史。
    美術館をつかって支配していたグループだというのも驚愕。
    世の中いろんなことを考える人がいるものだ。

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著者プロフィール

1960年生まれ。フリーランスジャーナリスト。月刊『文藝春秋』記者として「事件の核心」「黒幕」「悶死―新井将敬の血と闇」などを執筆。2000年に独立。フジテレビを支配した鹿内家の盛衰を描いた『メディアの支配者』(上・下、講談社刊)で講談社ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞をダブル受賞した。

「2019年 『二重らせん 欲望と喧噪のメディア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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