青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記

著者 :
  • 講談社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062138567

作品紹介・あらすじ

フィンランドで高校生になる!小学4年生のときに読んだ「ムーミン」の物語。その魅力に導かれてフィンランドへ旅立った16歳の少女が出会ったのは、温かい人々と、真の教育だった。

感想・レビュー・書評

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  • 一冊の本が一人の少女にこんなにも影響を与えるなんて、と思った。

    小学生の頃に出会ったムーミンの本がきっかけで、中学卒業後にフィンランドの高校に留学することにした著者の高橋絵里香さん。
    それも短期ではなく、現地の高校での卒業を目指して。

    フィンランドの高校が日本と大きく違っていて驚いた。3年で卒業するということも絶対ではなくて、自分は卒業に必要な単位を3年半、または4年かけてとろう、とか。

    私の方が少し年上だけどほぼ同年代で親近感もあり、自分の高校時代を思い出しながら読んだ。15,6 歳のときにこんな勇気があっただろうかと思う。
    それと同時に、長男が中学生の今、言葉もわからない国へ送り出した絵里香さんのご両親を本当に尊敬する。

    高校の先生や友人、ホームステイ先の家族、それに日々変わっていく絵里香さんの様子に、自分と真正面から向き合えた時、自分のことも他の人のこともその違いを認めながら大切にできるんだなと思った。

  • 自分でフィンランドの学校に通う、という決意をした彼女の強さに感動したし驚いた。
    私も小さい頃にムーミンに出会ってフィンランドに行ってみたいとずっと思っていたのに未だにトランジットで訪れただけだ。
    彼女の一直線な一生懸命さが羨ましい。

  • 高校生でフィンランドに3年間留学した勇気と行動力に脱帽!

  • 応援したくなるし力が湧いてくる

  • 小学生の頃に読んだトーベ・ヤンソンの「ムーミン谷」の物語に感銘して、フィンランドという国に留学することを夢見た少女が、中学卒業して実際にフィンランドの高校に単身留学して過ごした四年間を振り返った記録。

    いくら何年もの間憧れを抱き続けた国とはいえども、16歳の少女が言葉も通じない極北の国にひとりぼっちで降り立った時の心細さといえば想像を絶するものがあっただろう。
    が、暖かいホスト・ファミリーや教師・クラスメートに囲まれ、彼女は一つ一つ壁を乗り越え、フィンランドという国への愛を深めていく。

    彼女の決断を、何の抵抗もなく受け容れ支援した両親からして、彼女自身そうした資質を養う家庭環境に育ったのだろうが、横並びの均質性と空気を読む協調性が尊ばれる日本社会とは正反対のフィンランド社会が、きっと彼女に合っていたのだろうとは思う。
    自由と個人主義を尊重するフィンランド社会では、それと裏腹に厳格な自己責任と徹底した自由競争が求められる。
    高校生でも、自ら望むキャリアを設計してカリキュラムを組み立て、それに沿って計画的に単位取得し、厳しい卒業試験をクリアしなければならない。
    この本を読んでいると、穏やかで思いやりと愛情に溢れた人々ばかり登場するので、フィンランドという国が理想郷のように感じられてくるが、そうした自己責任と競争に馴染めない人には暮らしづらさもあるのだろうとは思う。

    この本は2007年に発刊されたもので、当時フィンランドで進学して大学生だった著者も現在は30歳を過ぎているはず。
    今、どこでどのような生活を送られているのだろう。
    本書の中でも夏休みの帰国中に母校である中学校(彼女にとっては苦しい中学生時代を送った場所)を訪れて後輩たちにフィンランドでの留学生活を紹介する場面が出てくるが、彼女が得た貴重な体験を日本社会に還元してよい影響を与えてくれていたらいいな、と思う。
    これからの日本社会には、そういった具体的で現実味の詰まったグローバル化が必要だろう。

  • フィンランドに単身高校留学した人の話。
    日本の学校とは、天と地ほどもある、その教育姿勢に改めて、驚愕する。
    なぜ、こんなにも違うのか。人びとが持つ、余裕の差だろうか。

  • 978-4-06-213856-7 286p 2007・3・15 1刷

  • 外国人だからお客さんではなく、
    フィンランドに入り込んでがんばるエリカがいたから
    根気強く話を聞いたり、親身になってくれたんだろうね

    そうして、受け入れてくれた安心感と信頼で
    さらにエリカは、困難に立ち向かえたと思う
    卒試は、本当にミラクルだと思う

    不可能と思われることでもあきらめずに取組むことで
    何かしら結果が出てくるという事は
    私たちも勇気をもらえるよね

    人に対する偏見について
    外国人だとか外見や性格がどうとか
    そういうことに振り回されずに
    その人らしければいいんだよね
    自分を守ろうとして
    アイデンティティにこだわって
    無理に優越感を得なくても

  • フィンランドに行きたい。
    と思うようになってから、何年経つか分からない。
    そんな私にぴったりの本に出会った。

    著者は私より一つ上の女性。小学四年生のときに読んだ「ムーミン」の物語に魅せられ、フィンランドの高校に通うことを決意する。
    彼女の諦めない気持ち、向上心は物凄いもので、一歩踏み出す勇気のない自分がちっぽけに、思えた。
    簡単に言えることではないけど、私も著者のようになりたいし、いつかフィンランドに行きたい!
    コトバの壁を越えて、努力を重ねることの素晴らしさを教えていただきました。
    希望にあふれた素晴らしい本!出会えてよかった*\(^o^)/*

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      表紙の写真を見ただけで読みたくなるなぁ~
      私は 稲垣美晴の「フィンランド語は猫の言葉」が結構好きです。。。
      表紙の写真を見ただけで読みたくなるなぁ~
      私は 稲垣美晴の「フィンランド語は猫の言葉」が結構好きです。。。
      2013/01/04
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著者プロフィール

1984年生まれ。北海道の中学校を卒業後、単身でフィンランドに渡り、ホームステイをしながら現地の高校を卒業。そのままオウル大学に入学し生物学と地質学を学ぶ。教育にも関心を深め、現在はフィンランドで教師をめざして勉強中。著書に『青い光が見えたから--16歳のフィンランド留学記』、訳書に『ムーミンキャラクター図鑑』(ともに講談社)がある。

「2016年 『ムーミンママのハンドバッグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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