オーラの素顔 美輪明宏のいきかた

著者 :
  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062147248

感想・レビュー・書評

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  • 美輪さんが書かれた本はけっこう読んでますが、この本は第三者が美輪さんの関係者を徹底取材して、さらに美輪さんにインタビューで事実確認をして、自伝の「紫の履歴書」等には書かれていないようなかなり細かいことまで書かれているので、とても興味深く読めました。
    美輪さんのファンの方は必読の本だと思います。紫の履歴書を読んでから読んだ方が良いです。

  • ノンフィクション・ライター豊田正義氏の、2008年に刊行された著書。
    2007年から2008年に『月刊現代』に連載された、シャンソン歌手・俳優の美輪明宏氏の評伝をまとめたもの。

    全10章のうち、第1章から第5章は、美輪様の自伝『紫の履歴書』を、第三者の証言を得ながら再構築していく内容になっています。
    『紫の履歴書』の解読書といった感じでしょうか。

    第6章は、美輪様の著書『霊ナァンテコワクナイヨー』で書かれた、美輪様の前世が天草四郎だという逸話を中心に、美輪様のスピリチュアルな側面に迫る内容。
    これは『霊ナァンテコワクナイヨー』解読書。

    第7章は、美輪様が証言者になり三島由紀夫氏の生き様と死に様が描かれています。
    これは、完全に三島由紀夫氏が主役となっているので、外伝、という感じですかね。

    第8章は、寺山修司、田宮二郎、十七歳年下の恋人といった、美輪様の交友関係が描かれています。
    これは、ちょっとスキャンダラスな内容でしょうか。

    第9章は、2000年代の美輪様再評価について書かれていますが、アーティストとしての美輪様再評価は、自分的には1990年代前半にTHE YELLOW MONKEYで吉井和哉氏が描いたマリーとジャガーの物語からだと思っているので、一言もTHE YELLOW MONKEYについて触れていないことには疑問を感じます。

    第10章は、当時放送されていた美輪様ご出演のテレビ番組『オーラの泉』について。
    ここでは、共演者である霊能力者・江原啓之氏を証言者に、ややスピリチュアルな内容になっています。
    この章の最後に、江原氏が歌手活動をしていてかなりステージ前に緊張したときの美輪様のお言葉に、自分は驚きました。
    そこから、著者の豊田氏が自らの経験を語り出す「あとがき」までは、ずっと感動です。

    霊能力のある美輪様は、ステージの上から何が見えているのか。我々をこんなにも感動させる美輪様の歌とは何なのか。
    今まではぼんやりと、なんとなくわかったような気になっていたものが、短い文庫の中で見事に言語化されていました。
    正直、この巻末あたりの文章を読むまでは、こんな内容なら『紫の履歴書』一冊読めば十分、と思って読んでいました。
    この「あとがき」を読ませるための長い序章としての全10章、といってもいい、感動的な「あとがき」でした。

  • 美輪さん自身が書いた本は何冊も読んでいるが、ライターの方から見た美輪さんの自伝は初めて(´ω`)✨

    オーラの泉というテレビ番組で、小室哲哉さんに向けて
    あなたよくここまで自殺しないでこれたわね、他の人だったら死んでるわよ。
    と語っていたのがとても印象的だったが、この本を読むといやいやいやいや、美輪さんの人生こそ、いったい何人ぶんの人生なんだ!?と思わざるを得ない。。

    苦労という言葉では到底言い表すことのできない人生なんだなぁ(´ω`)←わたしの語彙力ではこれが限界。

    何人の恋人を看取り、自身も原因不明の病におかされ、
    若い頃は苦労続き。。
    あのきらきらしたいまのお姿からは想像できない美輪さんの人生が知れました!
    いや…ここまでの苦労があったからこそのあのオーラなのかな…(´ω`)✨✨

  • 赤裸々に書かれた美輪様の人生。改めて言葉の重みを感じるようになれた。
    「何で休むの、死んだらいくらでも休めるでしょ」
    確かに!
    行動力、勤勉さ、この二つを最高までに高めて怪物とまで呼ばれることになったのも納得。
    人間離れ、されております。

  • テレビ番組「オーラの泉」をきっかけにして、書かれた評伝です。きっかけとなった番組が番組だけに筆者自身も構えて書いているのが分かります。が、番組では知ることが出来ない歌手、女形、芸術家としての美輪明宏も筆者は丹念に調べています。番組がなかれば霊能者としての美輪明宏は書かれていなかったでしょうが、十分に魅力的な評伝になったと思われます。美輪明宏の芸術家としての歴史も知ることができる一冊です。

  • 001.初、並、カバスレ、帯付
    2011.7.26.津BF

  • 2010.12.31. 私、オーラの泉好きだったんだけどなぁ。いつかまた、やらないかなぁ。

  • 長崎、戦争、家族、シャンソン、恋愛、芝居、仏教、スピリチュアル・・・

    美輪明宏という人物のこれらを一本の線に結びつけてくれたこの仕事は大きいものだと思う。
    特に、仏教に関わって行く美輪自身の姿が、すべての章に水が流れるかのように書かれていて、美輪明宏の魅力の一根拠を知ることができてうれしく思った。

    「スピリチュアル」が看板となってしまっているときだからこそ、「歌い手」「演じ手」としての芸の高さにもまた感心が向くような、このような一冊としてまとめあげた著者にも興味を抱いた。

  • 美輪明宏さんの伝記・・・?評論?
    第三者が美輪明宏さんの生きてきた路をたどっていきます。

    知らないエピソードや、美輪さんの関係者、ご本人からも
    丁寧な聞き込みをされています。

    あくまで、第三者という客観的な立場を通して書かれているので
    とても中立的な感じがしました。

    中立的な感じではありますが、人物がとても立体感があります。

  • よくここまで書いて著者は、美輪さまに睨まれなかったなあ。

    でもわりと美輪さんが口を閉ざすことに関しても
    書いてあるし、リベラルかな。

    毛皮のマリー↓↓
    http://blog.livedoor.jp/akkochama3/archives/2009-04.html?p=2#20090401

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著者プロフィール

1966(昭和41)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、ノンフィクション作家に。戦争、犯罪事件から芸能まで取材対象は幅広く、児童書の執筆も手がけている。『ガマ 遺品たちが物語る沖縄戦』(講談社)は、厚生労働省社会保障審議会の推薦により「児童福祉文化財」に指定される。著書に『妻と飛んだ特攻兵 8・19満州、最後の特攻』(角川文庫)、『消された一家』(新潮文庫)他多数。

「2018年 『ベニヤ舟の特攻兵 8・6広島、陸軍秘密部隊レの救援作戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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