- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062148733
作品紹介・あらすじ
なんでこの絵が1億円するのですか? 「なぜこれがアートなの?」といいたくなるような絵の分かりやすい見方、アートの価値の不思議等、初心者にも「値段」という切り口を付けて分かりやすい内容に。
感想・レビュー・書評
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奈良美智さん、村上隆さんといった世界売れっ子アーティストを世に出した、スーパーギャラリスト小山登美夫さんのアート本。
今の日本、世界のアートマーケットについて本当にわかりやすく、読みやすく書かれています。
アート産業はどのようにお金が動いて成り立っているのか
アートの価格の種類
オークションが世界にもたらす役割
アートを資産にする投資家
アートは株とそっくり
コレクターさんのもたらす影響
などなど。
作家、コレクター、ギャラリスト、投資家。アートに関わる、アートが好きなすべての人が、アートの世界にどんな役割を果たして、どんな性質を持っていて、どんな性質を持っているのか。
そういうアートを取り巻く環境の大枠をしっかり掴める本でした。
対談があったり、今注目の作家さん情報があったり、世界を股にかける売れっ子作家さんの作品のプライマリー価格が公開されていたり。
すぐ読めるのに、盛りだくさんな内容でした。良書です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アート・バーゼルは出展希望が多いとブース料も高くなる模様。400万円くらいとか。
ギャラリストの気持ちとしては買って5年は持っていて欲しい。最近は約2年と短くなってきている。
ギャラリーで買って、すぐにオークションに手放すコレクターは、ギャラリー間のブラックリストに載る。
ガゴーシアンやマリアングッドマンといった超有名ギャラリーで取り扱われるようになったアーティストは俄然注目を浴び始める。有名美術館のギャラリー版
気に入ったアーティストの作品は安い123点購入してそのうち店は値段が高くなったときに売って新しいアーティストが出たときの購入資金にする -
ギャラリーの視点からの現代アート市場がわかる
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どうしてこの絵が一億円で売れるのか
・・・がわかるわけではなかったけれど、
それでも著者をはじめ語り尽くす価値があることは理解できた。
「勇気を出して絵を買ってみよう」の提案にはまだ二の足を踏むけれど、また美術館に足を運んでみたいと思った。 -
現代美術関係者の話を聞く機会があったので、積ん読となっていたこの本を読了。内容としては、前に読んだ、同じ著者(村上隆や奈良美智を発掘したギャラリスト)の「現代アートビジネス」とかぶるところが多かったが、杉本博司、草間彌生を扱うギャラリスト達との対談は面白かった。しかし、現代美術は、興味があるが、好きであるかはまだわからない。
以下備忘。
【要注目とされるアーティスト】
工藤麻紀子
佐藤允
石上 純也 -
日本の現代アートマーケット入門。
日本のモダンアートを支える志のあるギャラリーは30-40くらいはあり、内外の顧客も育ちつつある。過去バブルで絵画は一旦いかがわしい商売におとしめられたが新世代のアーティスト、顧客がグローバルの目線を持って日本のアートを評価し始めている。
価格はプライマリーであれば、新人は安めに付けてまずはマーケティング。そこからは徐々に評価が確立されて行き、価格も上がる。オークションなどのセカンダリーで価値がつけばかなり上出来で、プライマリーもそれを反映したものになるが、ギャラリーにとっては悩ましい状況。 -
アートの中でも分かりにくいとされている現代アートの値段のつけられ方について、とても分かりやすく説明されています。その理由は、プライマリープライス、セカンダリープライス、価格カードに付けられた赤、青シールの意味、AP、オークションハウス、アートフェアなど市場で売買されるときの基礎知識から紐解かれています。
結局、作品の価値は相対的な基準がないために分かりにくくなっているのですが、「お金に交換されることでアートの価値が社会的な、パブリックな価値になるのだということ」という言葉になるほどと思ってしまいました。 -
アーティストは社会との関わり方を考えて行動していくべきものだ。
と美術大学でもよく教え込んだ方がいいと思います。 -
出版から3年以上経過して、現在の状況はまたかなり変わっている感じはしますが。現代アートの入門書として分かりやすかった。
プライマリー・マーケットに関わられている方の矜持や苦労、希望が見えて良かった。